第94回 人手不足時代の新規ビジネス開発

この対談について

住宅業界(新築・リフォーム・不動産)の「課題何でも解決屋」として20年以上のキャリアを持つ株式会社ランリグが、その過程で出会った優秀な人材を他社に活用してもらう新サービス『その道のプロ』をスタートしました。2000名以上のスペシャリストと繋がる渡邉社長に、『その道のプロ』の活用方法を伺う対談企画。

第94回 人手不足時代の新規ビジネス開発

安田

前回のお話では、働き手が減っていった結果、社長と付加価値を生み出せる人だけが残るのでは、ということでした。そうした変化の中で、社長は何をすればいいのか。今日はそれについて話したくて。


渡邉

それでいうと、社長自身が価値を生み出す人であれば、社長一人でビジネスをやることも可能ですよね。

安田

確かにそうですね。あるいは、タレント事務所のように特殊な能力を発揮できる人を雇うという方法もある。


渡邉

いずれにしても、今の規模よりもスケールダウンしていくことは避けられないでしょうね。そんなにたくさんの人員はいらなくなるし、そもそも採用できないし。

安田

そうそう。50〜100人くらいの会社が一番厳しいでしょうね。それくらいの会社がどんどん小さくなったり淘汰されたりした結果、300人くらいの規模の会社がマーケットシェアのトップを取ったりするのかもしれない。


渡邉

ああ、なるほど。そういうこともありそうですね。周りが小さくなっていくから、相対的に自分たちの存在感が高まっていくという。

安田

そういうことです。その位置を狙うことが難しい場合は、売上を下げてでも一気に5分の1、10分の1くらいの規模に縮小して利益率を高めていくしかない気がします。


渡邉

なるほどなぁ。ともあれ、その判断をするのはなかなか大変でしょうね。人も採れないし、強みも確立できない。売上もどんどん下がっていく。今まさにそういう状況を肌で感じている社長さんも多いんじゃないでしょうか。

安田

そうでしょうね。でも、中小企業の社長さんって、「人がいなくて大変だ!」と言う割に、そこまで焦っているようには見えないんですよね。お金さえかければ採れるんだって、どこかで甘く見ている気がして。


渡邉

確かにそうかもしれません。むしろ、それ以外の方法が思いつかないんじゃないですかね。結果、延命措置的に少しずつ事業縮小をしている人とか、たくさんいるじゃないですか。

安田

でも結局組織の構造が変わっていなければ、解決にはならないわけですからね。それに再三話しているように、いざ規模を元に戻そうとしても、人は採用できないわけですから。


渡邉

うーん、確かに。借入している場合は、返済もどんどん難しくなるでしょうしね。

安田

そうなんですよ。つまり売上を落とすとか人を削減するとか、そういうことではもう解決しないんです。必要な人員数の少ない、でも利益率の高いビジネスを考えなければならない。そういう意味では既存事業のマイナーチェンジでは不十分で、新規事業の開発くらいのことをやらないと。

渡邉

確かにそうですよね。新規事業の方がある程度軌道に乗ったら、元の事業の方は売却してもいいですしね。ちなみに人員が少なくて儲かるビジネスと言うと、やっぱり今はAI関連ですかね。

安田

AIもうまく活用すればいいと思いますよ。例えば医者が1人ひとり問診するのではなく、AIにデータを取り込んでそれを使って診察だけをするとか。時間も短縮できて正確性も増すので、結果的に大幅に生産性がアップしますから。


渡邉

なるほど。どんどん省人化していって「スペシャリスト×AI」みたいになっていくわけですね。「その道のプロ」にそんなプロ人材がいても面白そうだな。

安田

いいですね。AIもどんどん進化してますから。ChatGPTも今は毎月数千円の有料版からさらに一段上の約3万円のプロプランが出ましたしね


渡邉

毎月3万円ですか。お金のある会社しか使えないなぁ(笑)。でもいずれは価格が下がってくるんでしょうね。

安田

そう思いますよ。そうなるともっとAIが身近になるので、「どうやってうまく情報を引き出すか」に長けたプロのニーズがもっと高まるでしょうね。例えばさっきの医者の話でも、まずはAIでどういう病気の可能性があるかを判断させて、一番近くて最適な病院を紹介してあげるとか。


渡邉

なるほどなるほど。リフォーム会社さんでも、いろんな場面で人工がかかりすぎていることが悩みだというところが多くて。お客さんの要望に応じて最適な提案を自動で出せる仕組みを開発しようと思っていたところなんです。

安田

それは素晴らしいですね。絶対に必要だと思いますよ。労働力不足で仕事がストップする前に、業界問わずやらないといけない部分でしょうね。

 

 


対談している二人

渡邉 昇一(わたなべ しょういち)
株式会社ランリグ 代表取締役

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1975年、大阪市に生まれる。大学卒業後、採用コンサルティング会社ワイキューブに入社。同社の営業、マーケティングのマネージャー、社長室長及び、福岡などの支店立上げを担当し、同社の売上40億達成に貢献した。29歳の年に株式会社ラン・リグを設立し、今期20期目。述べ900社以上の住宅会社のマーケティング、人材コンサルティング支援と並行し、500店舗以上が加盟するボランタリーチェーン「センリョク」など、VC、FC構築にも多数携わる。また、自身が司会を務め、住宅業界の経営者をゲストに招き送る自社のラジオ番組は、6年間で、延べ300回以上の配信を経て、毎月2万人以上の業界関係者が視聴する番組に成長した。今年5月には、2000人以上のプロ人材とのネットワークを生かした~社長の右腕派遣サービス~【その道のプロ】を本格リリース。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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