オウンド・メディア

ビジネスをする上で、
オウンド・メディアへの取り組みは、
不可欠なものとなってきた。
消費者が広告を見なくなっている現状において、
単に広告を打つだけでは集客はままならない。
SNSなどによる口コミは、
コントロールすることが難しい。
結果的に企業は、
自らwebメディアを運営せざるを得なくなってきた。

自社メディアを通じて定期的に情報を配信し、
情報を拡散させることによってメディアへの流入を増やし、
見込み客を獲得する。
その手法は、広告のようにすぐに効果が
見込めるものではないし、
決して簡単なものでもない。
だがその分、成功したときの果実も大きい。

見込み客がどんどん増えていき、
顧客からの問合せが拡大する。
リピート顧客が増え、ファン化していく。
ファンになった顧客は、
勝手にSNSなどで宣伝してくれる。
問合せからの成約率がアップし、
自社の採用力までアップしていく。

成功すれば良い事尽くめなのだが、
真剣に取り組む中小企業はまだまだ少ない。
即効性が無いこと、手間がかかること、先行投資が必要なこと、
そもそもオウンド・メディアを知らないこと、などが原因だ。
その結果、効果の出ない広告に、
大事な資金を使い続けてしまう。
実にもったいない話だ。

身近なところに成功モデルが増えていけば、
重い腰を持ち上げる経営者も増えていくことだろう。
だがその頃には、多くのオウンド・メディアがweb上に溢れ、
効果が出しにくい状況になっている。
小さな会社こそ、
いち早くオウンド・メデイアに取り組むべきなのである。

そしてそれは、個人についても言える。
かつては商売をするのに、
オフィスや店舗を持つことは、必要不可欠だった。
人脈や、広告予算も必要だった。
つまり、そう簡単には商売を始めることが
出来なかったのである。
だがその状況は既に大きく変化している。

自社のメディアならぬ、自分のwebメディアを立上げる。
それだけで、商売を開始することが可能な世の中になったのだ。
好きなことや、得意なことを、どんどん深堀していく。
それを自分のメディアで配信する。
すると、興味を持った人が、どんどん集まるようになる。
多くの人と繋がれば、ビジネスチャンスは増えていく。
自ら商品を作って販売することも出来るし、
開発や製造を手伝ってくれる人と出会うことも出来るだろう。

あと数年もすれば、自分のメディアを持つことが、
当たり前になっているかもしれない。
中学生になったら、全員がweb上で社会人としてデビューする。
一人ひとりが自分のwebメディアを持ち、
そこで好きなことや、得意なことを発信する。
web上に自分の店を持ち、直接顧客と繋がり、
商品やサービスを販売する。

そうなったら、働くことに関する価値観は、
今とは激変することになる。
自分のメディアで商品を売って生きていく人。
メディア同士を繋げてビジネスをする人。
メディアを生かせるような会社に就職する人。
働くことの中心が、
会社からマイ・メディアに移行するのである。


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