お金を使って人を雇う。
お金を使って商品を開発する。
お金を使って売れる仕組みを構築する。
それらは何も、経営者の特権ではない。
主婦でも、会社員でも、高校生でも出来ることなのである。
だが実際にやろうとする人は少ない。
自分の小遣いで人を雇う高校生や、
自分の金で営業ツールを発注する会社員、
へそくりを貯めて商品開発をする主婦などは、
かなり稀な存在ではなかろうか。
そんな無駄な、そんな無意味な、そんなリスキーなことに、
普通の人はお金を使わない。
だがそれは、実にもったいない話なのである。
お金と時間は、私たちが使える最強の武器だ。
将棋に例えるなら、飛車と角。
それを使わない勝負などあり得ない。
だが現実には、お金を武器として使いこなしている人は、
ほとんどいない。
お金は、生活や趣味に使うものであって、
武器として使うものではない。
多くの人は、そのように思い込んでいる。
多くの人にとって、お金を使うことは消費でしかない。
使えば無くなる。
だから必要なものや、欲しいものにしか、お金を使わない。
確かに、使わなければ、お金は減らない。
だが増えることもない。
お金には増やすための、投資としての使い方もある。
いや、投資こそが、本来のお金の使い方なのである。
では、何に投資をすればいいのか。
投資という言葉で思い浮かぶのは、株や為替ではないだろうか。
だがこれは普通の人がやるべき投資ではない。
それらは投資と呼ばれてはいるが、実際には投機だからである。
投機はギャンブルや宝くじと変わらない。
普通の人がやるべきなのは、もっと堅実で、
もっと身近で、もっと現実的な投資である。
本を読む。セミナーに行く。
もちろん、そういう自己投資もあるだろう。
だが投資はそれだけではない。
お金にはもっと幅広い使い方があるのだ。
お金は、なぜ銀行に預けるだけで増えていくのか。
それは、お金とは本来、増えていくものだからである。
使えば増える。
それがお金の特徴なのだ。
にもかかわらず、多くの人はお金を増やすことが出来ない。
使ったら、どんどん減っていく。
まさに、消費しているだけ。
それは使い方を間違えているからである。
消費と投資の最大の違いは、誰のために使うのかという目的だ。
自分のためにお金を使うのは消費。
そういう意味では、自己投資もまた、消費なのである。
本当の投資は、他人のためにお金を使う行為である。
他人を喜ばせるため、他人の役に立つため、
他人の利益のために、自分のお金を使う。
そうすることによって、お金は増えていく。
そんな馬鹿な、と思われるかもしれないが、
これは当然の帰結なのである。
自分が嬉しいもの、自分の役に立つもの、
自分の利益になることに、人はお金を使う。
商売とはこの原理原則に基づいて行われる投資なのである。
必要とされる商品は売れる。
必要とされる会社は儲かる。
当然のことながら、必要とされる人の元には、
お金が流れて来るのである。
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