会社を立上げ、商品を開発し、
その商品を販売する為に、集客をする。
これまでのビジネスにおいては、ごく当たり前の流れである。
だがこの流れは今、確実に逆流しつつある。
商品販売を目的として集客をすると、
莫大な広告コスト、営業コストがかかる。
だが、かけた広告費や人件費の割に、
利益が回収出来なくなっているのだ。
一方で、広告費も人件費もかけていないにもかかわらず、
人が集まり、収益をもたらす場所がある。
そこには有益な情報があり、楽しい読み物があり、
気の合う人との繋がりがある。
人は楽しい場所に自然に集まって来る。
そして人が集まればそこにはマーケットが生まれる。
結果的に商品が売れ、売上や利益が発生するのである。
つまりそれは、集客から始まる、新しいビジネスのカタチ。
だがこの二つの違いを、
きちんと理解している経営者は驚くほど少ない。
それは、ある常識に縛られているからだ。
経営者が縛られている、とてつもなく強固な常識。
それは、収益に結びついてこそビジネスである、という常識だ。
これまでのビジネスにおいて、
そのゴールは非常に明確であった。
それは、利益を獲得すること。
会社を立上げるのも、商品を開発するのも、
人を雇うのも、集客をするのも、全ては手段に過ぎない。
利益を獲得する為の手段。
つまり、利益というゴールに行き着かない流れには、
お金も時間もかけられないのである。
いやいや、結果的に儲かるのであれば、
人を集めるところから始めてもいいよ。
と、多くの経営者は考える。
だがその発想そのものが、もはや時代遅れなのである。
彼らに共通する質問は、実にシンプルである。
それは、「どうやって、マネタイズするの?」という質問。
つまり、回収が見えてこその投資なのである。
そんなことは当たり前じゃないかと、思われるだろうか。
たとえばGoogleという会社は、
世界中の人に情報を届けることを目的としている。
Facebookという会社は、
人と人との繋がりを強固にすることを目的としている。
人は有益な情報を得たいし、人は人と繋がりたい。
だからそこには、たくさんの人が集まって来る。
結果的に、GoogleやFacebookは儲かっている。
だが利益に着目するなら、
彼ら以上に儲かっている会社はたくさんある。
にもかかわらず、彼らの時価総額は桁外れである。
それはなぜか。
それは、彼らが莫大な数の人間と繋がっているからである。
どうやって利益を稼ぐかではなく、
どれくらい強固に、どれだけたくさんの人と繋がっているか。
そちらの方が、ずっと重要なのである。
Twitterをやらない経営者はたくさんいる。
訳の分からないフォロワーを増やすことに、
全く意味を感じないからである。
だが、フォロワー0人の経営者と、
フォロワー10万人のニートでは、
その年収が逆転する日が来るだろう。
もはや集客は単なる手段ではない。
繋がりを持つものが、圧倒的な力を手に入れるのだ。
ゴールは利益から、集客そのものへと、移動したのである。
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