本名でX(旧Twitter)に投稿する経営者が増えてきた。それもそのはずSNSを利用できない会社は今やレッドオーシャンまっしぐらである。大きな広告予算を投入できない中小企業にとってSNS を駆使したブランディングはもはや不可欠と言っていいだろう。そこでは経営トップ自らの発信が最大の武器となる。
ブランディングといっても単なるイメージ戦略ではない。採用も集客もリファラル(推薦・紹介)が最も力を発揮する時代。リファラルが拡大していく場所がSNSであり、その発信源となっているのが誰かの投稿なのだ。つまり経営トップの投稿が自社の採用力や集客力に直結していく時代なのである。
「SNSは好きではない」「苦手だ」などと言っていられない時代に私たちはビジネスを展開している。この事実を受け入れる以外に方法はない。勘の良い経営者はとっくにこの状況を把握している。だから彼らは実名で「なぜあの社長が」「なぜこんなことまで」と思うような発信を続けているのである。
交流会に行って名刺交換などしても採用にも集客にも結びつかない。そんな暇があったらSNS発信のスキルを磨くべきだ。発信する経営者が増えたとは言えまだまだこの分野は黎明期。それは投稿の中身を見れば分かる。
「当社はこういうビジョンの会社です」「こんなビジネスをやっています」「こんな人が活躍中」「扱っているのはこんな商品」などなど。つまりは自社PRである。その目的は採用や集客だと思われるがここに大きな落とし穴がある。
SNSはマスメディアの広告とは違う。スポンサーのPRを聞く代わりに無料で番組を楽しめるのがマスメディアのルール。だがSNSは誰もが無料で情報発信できるメディア。そんな場所で自社PRなどしても誰も見向きもしない。
SNSでのルールは完全なるギブ&テイクだ。まず誰かの役に立つ情報を発信する。発信によって感謝される度合いが大きいほど信頼され、シェアされ、フォロワーが増えていく。シェアやフォローの数は役に立った証なのである。
少しフォロワーが増えたぐらいでPRしてはいけない。どんどんギブし続け、十分にフォロワーが増え、信頼され、シェアしてもらえる状態になったら、少しだけPRさせてもらう。ギブが十分であれば必ず相手もギブを返してくれる。すなわちシェアしてくれる。決してギブした以上に収穫してはならない。収穫投稿はギブ投稿の10分の1まで。これがSNSという畑の耕し方である。
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