雇用のルール

採るなら払う。払わないなら採らない。これが雇用のルールである。20代なら年収400万円台は最低ライン。30代で600万円に到達しないなら転職を考える。これはもう20〜30代の常識である。このラインをクリア出来ないとまともな20〜30代は採れない。そしてこのラインはどんどん上昇していく。

妥協して採用してもいいことなどひとつもない。能力もやる気も中途半端な人を採るとどうなるか。余計な仕事と余計な人件費が確実に増える。頑張って現場を回している社員の手間が増え、その割に報酬を増やすことはできず、定着率がどんどん悪化し、人手を増やすどころか逆に減っていく。

採用レベルを妥協した時点でアウトなのである。ではどうすればいいのか。答えは明白。給料を増やせばいいのである。そして労働環境を整える。しっかり休みが取れる体制を作り、仕事のやりがいを最大化する。それができれば苦労しないと言われそうだが、それが出来ないのならもう経営は成り立たない。

今都内の採用現場では凄まじい二極化が起こっている。片方は、給料をどんどん増やし20〜30代をどんどん雇用していく会社。もう一方は、給料をあまり増やせず20〜30代がどんどん流出する会社。多くの中小企業は極端に給料を増やすことが出来ない。その結果、人不足が加速度的に進んでいる。

都内で競り負けた会社は地方採用に力を入れ始めている。だからこの傾向は遠からず地方に広がっていく。初任給30万円、20代年収450万円で募集する会社がいきなり地方に現れるのだ。物価高で手取りを増やしたい若者がどんどん囲い込まれていく。中小企業から20〜30代が消える日はそう遠くないだろう。

何度も申し上げている通り、とにかく社員数を絞るのだ。年収800万円以上払える人材もしくは将来的に払える可能性がある人材。それ以外雇用しない。採用ターゲットも極端に絞る。バランスが悪く偏った人にベストマッチな仕事を与える。他社では活躍できないが自社でなら活躍できる人材。そこを狙う。

プロフィット部門のみを雇用しその他の管理部門は全て外注する。余計な人件費がかからないので少ない社員に高い報酬を払える。「ここでなら活躍できる」という人材に高い報酬を出すことで定着率の高い組織になる。雇用するならとにかく報酬を増やすこと。報酬を増やすにはとにかく社員数を絞ること。
 

 

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