【コラムvol.11】
「人生は思いどおりにいかない」は、
「思いがけずいいこともある」ということ。

「ハッテンボールを、投げる。」vol.11  執筆/伊藤英紀


人生は、誰にとっても、思いどおりにはいかないもの。

だから、
「思いどおりにいくか、うまくいくかわからないことは、やらない」
という選択は、生きることそのものを、ないがしろにしてしまうことだ。

人生は挑戦である、とか、そんな大ゲサな話をしたいのではない。

犬を飼っても、思いどおりにはいかない。手間がとられる。
牡蠣フライだって、けっこううまくいかない。
揚げすぎれば、ちいさく縮む。がっかりする。
まいにち健康的にランニングをしていたのに、成人病をわずらうことだってある。

異性に切ない想いを抱いても、見向きもされずうまくいかない人のほうが多いし、
親や配偶者との関係も、仕事仲間とのつきあいも、
予想外のトラブルが起こるものだ。

だから面倒だ。やめておこう、となったら、世の中や人間を遮断して、
山奥で仙人になるか、ネット世界の住人になって、
生涯、蛹の中に閉じこもるしかない。

内閣府の「平成26年版子ども・若者白書」に、
次のようなグラフがあったので引用する。北海道から沖縄まで、
満13歳~満29歳の男女の回答で、世界各国のデータと比較している。
回答数は国ごとに1000強だ。

1.うまくいくかわからないことにも、意欲的に取り組むと思う。
あるいは、どちらかといえばそう思う。

2.この一週間の心の状態で、つまらない、やる気が出ないと
感じたことがあった。あるいは、どちらかといえばあった。

日本の13~29歳は、他のどの国より、
うまくいくかわからないことには取り組まないようだし、
最近の一週間で、つまらない、やる気がでないと感じた人は8割に近い。

しかし、「若い人は臆病でやる気がないな」ととらえるのは、違うだろう。
これが仮に、30歳から50歳が回答したらどうなんだろうと想像してしまうからだ。
国際比較で、日本が逆の結果になるとは、私には考えづらい。

前者の図表3は山になっているが、後者の図表4は、山と反対の谷になっている。
ということは、
「うまくいくかわからないことに取り組まない暮らしは、
つまらないし、やる気が出ない」という結論を導くこともできそうだ。

2つの曲線の相関関係だけでそう推測するのは乱暴に過ぎるが、
でもこの結論も、経験的にいってあながち間違いではない気がする。

なんにしても、うまくいくかわからないことに取り組まない、ということは、
「うまくいったときの喜びをわくわく追うより、
うまくいかなかったときの“やった損”や“痛手”を回避する人生の方がよい」
ということだろう。

もっといえば、
「うまくいかなかったら、骨折り損のくたびれ儲け。後悔するだけだ」と、
そのようにまだ来ない未来を予言し、確信してしまっているということだろう。

もっともっといえば、
「現在と未来の因果関係は、うまくいく→得する、うまくいかない→損する、
とこのように、点と点がまっすぐな単線で結ばれている」と
信じているということだろう。

社長は、まだ、自社を知らない。
社長は、自社の魅力や可能性を、あんがい知らない。30年、中小企業を見てきて、つくづく思う。社長のお考え、事業の過去・現在・未来。伊藤英紀と若いのがパーティーを組み、ワイワイ質問したおす2時間半。会社丸ごと、棚おろしです。棚からボタモチのように、気づかなかった自社の魅力がドサリと手に。
ブランド・理念経営・事業戦略・組織強化のみなもとを、再発見・再定義するパーティーに、ぜひ。