【大手の作法/047】時代のムード

 このコラムについて 

「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。

本日のお作法: 時代のムード

複数社の大手管理職が集まる「今後の組織の在り方」について考える会に参加させていただいた時のこと。

どなたかが「今後は“エンゲージメント”を高めていく必要がありますよね」とご発言。

「従業員の会社に対する“愛着感”や“思い入れ”」などを表すモノと解釈し「個人と組織が一体となり、お互いの成長に貢献し合う関係性をつくるには、どうしたら良いのか?」と話は進みました。

どちらの企業も、終身雇用の終焉、若手層の職業観の変化、人手不足の現状から「長期的観点での人材育成・人事制度」が大切だとの意見交換が行われていましたが、

以下の足かせがあり「取組みが進みづらい」のだそう。

・時代にフィットしづらい古い制度
・トップダウン型のガチガチ管理
・複雑な組織体系や多すぎる管理職
・従業員の強みが活かせない職場風土

そんな中、参加していた大学生が「最近は多くの学生が“SNSから見える企業風土”などにも注目しながら就活を進めています」と話してくれました。

そして、学生の多くが、以下のような思いを持っているのだとか。

・好きなことを仕事にしたい
・柔軟な働き方で社会貢献がしたい
・挑戦風土のある職場で働きたい

先の大手組織の課題と比較すると、真逆が求められているのでした。。

その場にいた大手の方々は「確かにね」「参考になるよ」などと学生さんの前では話していましたが、

彼が去った後に、一部から
「SNSに映る姿がすべてのワケじゃない!」「好きなことを仕事にできるなんて一部のプロだけなんだよ!」などの声も聞こえてきました。

それでも、学生さんに直接「君は甘いよ」「まだまだ若いね」などから始まる「先輩としての人生訓」が続けられなかったことには「時代のムードの変化」を感じました笑

その場でスマホをいじると「SNSデータから見る、学生の注目企業200社」がすぐに見つかりましたが、数年前の人気企業ランキングとも、すっかり顔ぶれが変わっており、参加企業さんは1社も入っておりませんでした。。

 


高松 秀樹(たかまつ ひでき)

たかまり株式会社 代表取締役
株式会社BFI 取締役委託副社長

1973年生まれ。川崎育ち。
1997年より、小さな会社にて中小・ベンチャー企業様の採用・育成支援事業に従事。
2002年よりスポーツバー、スイーツショップを営むも5年で終える。。
2007年以降、大手の作法を嗜み、業界・規模を問わず人材育成、組織開発、教育研修事業に携わり、多くの企業や団体、研修講師のサポートに勤しむ。

感想・著者への質問はこちらから