役割は誰が決めるのか

役割は誰が決めるのか

1971年にスタンフォード大学で行われた
「囚人と看守」という実験がある。
普通の学生を二つのグループに分け、
それぞれに囚人役と看守役をやらせるという実験だ。
リアリティーを持たせるために衣服もそれらしく整え、
外部との連絡を遮断する。

しばらくすると誰にも指示されていないのに、
看守役の学生はどんどん威圧的になっていき、
言葉の暴力や屈辱的な罰則を囚人に強いるようになる。
そしてついには暴力まで振るうようになるのだ。
一方、囚人役の学生はどんどん卑屈になっていく。
時間が経つに連れてその役割に飲み込まれていき、
屈辱的な看守の命令も受け入れるようになる。

実験はどんどんエスカレートし、
誰にも止められなくなっていく。
最終的には危険を感じた牧師の通報により、
弁護士が介入して実験は終了するのだが、
看守役の学生は「話が違う」と最後まで抵抗を続けたそうだ

たまたま与えられた役割によって、人はここまで変化する。
恐ろしいことだが、これは実際にあった出来事である。
しかもこの実験の行われた期間はたったの6日間だ。
たった6日、その役割を演じただけで、
人はその人間性も価値観も、狂ってしまうのである・・・・

 

『[安田佳生メールマガジン] 2015.11.11 役割は誰が決めるのかより冒頭引用

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