【コラムvol.32】
「企業課題の解決」
という言い方にこそ、
大きな課題がある。

「ハッテンボールを、投げる。」vol.32  執筆/伊藤英紀


酷暑にやられたのか、
軽い夏風邪で頭がまわらないので、
8年くらい前に書いた文章を
掲載させていただきます。
少数だとは思いますが、
すでに読んたという方が
いらっしゃったら、
ごめんなさい。
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<企業課題を発見し、浮き彫りにする>
という言い方。
<企業課題を解決する>という文脈。
コンサルを名乗る会社が、
よく使用する表現ですね。
経営者との対話の中にもわりと、
「うちの課題はねえ」という
フレーズが登場します。

この言い方が適切なのは、
小さな目で会社のあり方を
改善していこうという場面において。

ところが、大きな目で
経営テーマを考える場面においては、
実はこの文脈そのものに
それこそ困った課題が
潜んでいると思います。

というのもこの視点は、
<企業課題の発見>=<欠点の指摘>という、
いわばネガティブなニュアンスに
どうしても限定されがちだからです。

つまり、<企業課題の発見>=
<隠れた長所を浮き彫りにすること>、
というポジティブな捉え方が、
つい欠落してしまうのですね。

会社が売上げを得て、
継続している限り、必ず長所はある。
小さくとも必ずあるものです。

選ぶ理由なくして、
人はその会社や商品を選びません。
買い手は、バカではありません。

選ばれている
なんらかの合理的な理由があるのに、
そこを明らかにしようとしないのは、
明らかに不合理というものです。

長所があるのに、わかりにくい。
伝わっていない。
あるいは、長所がわかっていないから、
長所を拡大しようとしていない。
その長所を起点に新しいサービスを
開発しようという動きが起こらない。
実はこれが、
中小企業が抱える最大の課題だと思います。

「御社の企業課題はですね、
こんな長所があるにもかかわらず、
うまく市場にPRできていないところ。
そして、そのことを、社長を筆頭に
社員全員がほぼ自覚していないところ。
この2点です。
いやあ、じつにもったいないですよ」
という提案が、まずはとても大事。

言うまでもないことですが、
企業の本丸は、顧客に価値を提供する
事業と商品にあります。

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