「ハッテンボールを、投げる。」vol.36 執筆/伊藤英紀
「あいつはできない奴だ、
と切り捨てる側の無能。」
この言葉は、以前制作した
入社案内・会社案内パンフレットの
タイトルでもあります。
『回転寿司の根室花まる』を展開する、
(株)はなまるという会社で、
地元北海道はもとより、
東京の銀座や丸の内にもお店があります。
http://www.sushi-hanamaru.com/
代表の清水鉄志氏は、
はっきりとおっしゃった。
「僕も能力はない。大事なのは熱意。
だから社員を能力で判断しない」と。
この言葉を聞いたとき、
清水氏の“人間観”を柱にした
パンフレットをつくろうと思いました。
世の中には、“できない人”もいる。
その仕事や会社に合わなくて
もっと自分を生かせる
仕事や会社を探そうと、
転職する人がいる。
これが現実ですが、
もう一つ現実があると思う。
“できる可能性がある人”を
“できない人”にしてしまう
“できない先輩や上司”がいる、
という現実だ。
彼らは自分の無能を自覚せず、
今日も“できる人側”の座敷で
あぐらをかき、
“できない奴”の話を肴に
酒を飲むだろう、という現実だ。
できない奴らだ、と嘲笑い、
笑い者にすればするほど、
“できる自分”の座布団は増え、
高見から見下ろせる。
これほどうまい肴は
めったにないだろう。
彼らのマネジメント概念は、
管理と短絡的な値踏みだけで、
『育成』というタスクは、
まったく入っていないようである。
もし入っていれば、
育てられなかった
自分の至らなさ、未熟さが、
酒席で少しはこぼれるはずだ。
NHKのEテレで
『奇跡のレッスン』
という番組を見た。
メジャーリーガーの名投手、
ランディ―・ジョンソンが、
日本の中学生の投手(男女)たちに、
8日間レッスンする
というドキュメンタリーだ。
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