新卒就活で失敗したら終わりだ!
そう信じ込んで、自分軸ではなく、
「面接側のニーズは
こんな受け答えや態度ではないか」
と、必死に仮説をたてて当てにいく。
来年はないから、
ゆったりと大胆に勝負できない。
意識が必要以上に委縮し、強張る。
運が良ければじょうずに当たって
合格するかもしれない。
だが悪ければ、就活前の自分をかなぐり捨て、
自分というものを置き去りにして、必死で、
チョコンと当てにいったにもかかわらず、
空振りして恥辱にうめく、という
オッソろしい賭けでもある。
この空振りには、
よくわからない採用側の年上から
「あの学生、トンチンカンだったねえ」
「無気力で伝わってこなかったなあ」
という、冷笑やら嘲笑やらが、
もれなく付いてくるわけで、
当てにいって気持ちが萎えるのだから、
じつにアホらしく、それゆえ精神に悪い。
空振りしても、所詮は当て方の問題。
まともな反省のしようもない。
へこむ。でも奮い立たせて、また当てにいく。
決死の新卒就活は、
こんな自傷みたいなことを繰り返して、
なんとか就職できた頃には、
なんかもう自分ズタズタです、という人も
少なくないだろう。
ズタズタでたどり着いた1年目。
何が良くて何が悪いのか。自分の基軸は何か。
いろいろわからなくなっている精神状態で、
今度は配属先の上司から、
「お前はまるでわかってない。ダメな奴だ」
と否定されたら、愛の鞭だと強弁されようが、
そのSMプレーは耐え難い痛罵だろう。
病んでも不思議はない。
自分を壊してまで、新卒就社しなくても
仕事は逃げていかないのに。
まわり道や寄り道もいいのにね。
僕は、新卒就職を放棄して、
いくつかの選択肢の中から
日給のアルバイトだったけど
専門能力を磨けそうな
コピーライターの道を選びました。
どうなることか不安でしたが、
紆余曲折はあっても
なんとかなったりするものだ。
経団連の中西会長が9月3日の記者会見で、
2021年春採用から、現行の採用ルール
(就活ルール)廃止を表明。
新卒採用という日本ならではの慣習が
なくなっていく可能性が高まった。
いずれは新卒募集という、
新卒を委縮させ、新卒以外を排除する
排他的なルートはなくなって、
通年の年齢性別不問の
求人ルート(職種別採用)と、
学生向けのインターンシップが
残るのだろうなあ。
22歳の新卒就社が人生を決定的に左右する。
そんな歪な通念はなくなった方がいい。
僕はそう思います。