// 本コラム「原因はいつも後付け」の紹介 // |
原因と結果の法則などと言いますが、先に原因が分かれば誰も苦労はしません。人生も商売もまずやってみて、結果が出たら振り返って、原因を分析しながら一歩ずつ前進する。それ以外に方法はないのです。28店舗の外食店経営の中で、私自身がどのように過去を分析して現在に至っているのか。過去のエピソードを交えながらお話ししたいと思います。 |
《第8回》「かめさんに学ぶ、勝てるお店の作り方」
「長所は短所」と言うことわざがあります。
意味は「長所も当てにしすぎると失敗してしまうことがある」。
なるほど、「うさぎとかめ」の話で言うところの、うさぎさんと言ったところでしょうか?
確かに長所を過信しすぎて失敗してしまう事は、日々の生活でも起こり得る話です。
でも不思議と「短所は長所」と言うことわざはないようです。
「うさぎとかめ」の話はあくまで童話であって、実際の社会では起こり得ない話ということなのでしょうか?
短所は長所になり得ないのでしょうか?
決定的な短所
童話に出てくるかめさんの決定的な短所、それは足の遅さ。
そして、開業した時の私の決定的な短所、それは飲食業の勤務経験がなかったこと。
私が開業して、しばらく苦戦続きだったことは、これまでこの連載で書いてきた通り。
未経験ならではの運営の拙さを見かねた周囲の人達からは、
「未経験のやつが上手くいくほど飲食業は甘くないんだよ。」
とお叱りを受ける日々。
確かにその通りでした。
どんな商品を作ればお客さんが来てくれるのか?
どうやったら新規のお客さんに知ってもらえるのか?
なぜリピートされないのか?
そもそも何が正しくて、何が間違っているのかが全く分からないのです。
「飲食業の経験は、営業しながら覚えれば良い」
「飲食経験のなさは、持ち前の営業力でカバーできる」
開業前はそんな風に考えていましたが、飲食経験がないという私の短所は自分が想像していた以上に深刻で、結局は周囲の人から言われた通り。
「未経験のやつが上手くいくほど飲食業は甘くなかった」のです。
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