確定拠出年金のことなんですけど。

はい。

久野さんたち、今どんどん増やそうとしてますよね？

すごく良くできた仕組みなので。

私も話を聞いてそう思いました。で、久野さんにお願いするに至ってます。

ありがとうございます。

と言いながら、じつは私もよく分かってない部分がありまして。もう1回教えてもらってもいいですか？そもそも確定拠出年金ってどういうものなのか。

確定拠出年金って、じつは昔からあったんですよ。

そうなんですか？

はい。で、僕らが勧めてるのは「退職金としての確定拠出年金」じゃなく、「福利厚生制度としての確定拠出年金」。

う〜ん。よく分かりません。

ざっくり言いますと、仮に従業員の方が老後のために2万円貯金したいとする。

はい。毎月2万円貯金するわけですね。

そう。で給料が25万円だとしたら、そこから色んなものを引かれたあとに、傷だらけの2万円を貯金することになる。

傷だらけ（笑）まあ、いっぱい引かれますからね。

僕らが勧めてる確定拠出年金は、25万円から2万円を引いて、23万円に対して社会保険と所得税と住民税をかけてくれるっていう制度。

なるほど！つまり、手取りでなく額面から貯金できると。つまり2万円分非課税になるってことですね。

そうです。非課税だし社会保険料もかからない。無税で老後の資金が貯められる。

企業側は何が得なんですか？

会社が払う社会保険料も下がる。

おお！両者いいところ取りですね。

従業員は老後に不安をかかえてるので、会社がそういう制度を入れてくれるとロイヤリティも上がる。

老後の貯金が増えて、ロイヤリティが上がって、なおかつ会社の社会保険負担も下がると。そうなると企業がやらない理由がない気がするんですけど。

そうなんですよ。でも中小企業はほとんどやってないっていうのが現状。

大手はみんなやってるんですか？

大手はやってますね。

なぜやらないんですか？中小企業は。

確定拠出って、ばかでかいシステム投資がいるんですよ。

自分でシステムをつくらなきゃいけないんですか？

いえ、メガバンクとかがシステム構築してるんですけど。システム料をペイするためにロットの大きな会社にしか提案してこなかった。

なるほど。中小企業に売っても儲からないと。

そういうことです。

じゃあ中小企業向けのシステムができたってことですか？それを久野さんが広めてる。

そうです。

でも中小企業の経営者はほとんど知らない。

はい。僕は前職が百貨店なので確定拠出年金をやってた経験がありまして。

その良さを理解してると。

独立する時に数百万貯まってましたから。すごくいい仕組みなんですけど、中小企業はほとんどやってない。なので大企業から転職した人はみんな困ってる。

なるほど。

だから起業したときに「中小向けに売らせてください」って提案したんです。でも当時は「お前なんかと組めるか」って言われて。

まあそうですよね。

ようやく「中小企業向けにやろう」っていう大手が現れたわけです。

で、やり始めたと。

はい。

ちなみに確定拠出年金って、何歳で受け取れるんでしたっけ？

原則は60歳です。

65歳に延ばすことも可能なんですか。

会社の就業規則を変えれば65歳に変更できます。

つまり定年になった時点で受け取るってことですね。

そうです。普通は60歳の誕生日に定年すると思うので。

たとえば定年が65の会社でも、60歳で受け取ることは可能なんですか？

可能です。

へえ。ちなみに上限は決まってるんですか。

決まってます。掛け金は月3000円から5万5000円の範囲。

5万5000円までは非課税になるってことですか？

そうです。

すごいですね。

途中で金額を変えても構いません。子育てでちょっと厳しいなって時は5000円まで落として。ちょっと余裕がある時は5万5000円とか。

社会保険とか税金って、ある一線を超えるといきなりポンと上がるじゃないですか。

上がりますね。

ちょっと超えちゃってる人はその手前に戻せば。

それを上手にやれば、税金も社会保険も下げることができます。

等級が1個下がったらえらい下がりますよ。

わりと下がりますね。

いずれにしても、みんな手取りの中から貯金してるはず。だったら額面から貯金したほうがいいに決まってる。

社員は絶対やったほうがいいです。老後の資金が年金オンリーっていうのが一番危ない。

そうですよね。企業としても社会保険料負担が減るわけだし。社員がみんな５万5000円掛けてくれたら、むちゃくちゃ下がる。

5万5000円入ってくれたら神みたいな社員ですよ（笑）

普通はそこまで入らないですか。

入らないですね。

私はぜひ5万5000円で。

はい。経営者はみなさん上限まで入ります。

経営者も入れるってのがいいですよね。

経営者はみんな入ります。そこそこの年収になると実効税率が40パーセントとかになってくるので。5万5000円を役員報酬で取った瞬間に半分税金でもってかれちゃう。

そうですよね。それが無税になるってことですから。やらない理由はないですよ。もっと早く教えてほしかったです。

私はだいぶ前から知ってましたけど。安田さんはこういうの好きじゃないかなと思って（笑）

いや大好きです。