【大手の作法/050】社長の教え。坊主の教え。

 このコラムについて 

「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。

本日のお作法: 社長の教え。坊主の教え。

仕事において「スケジュール調整」って、とても大切ですよね。

スケジュール調整に多くの関係者が存在する時には、念入りな注意と再三の確認が必要です。

先日。とある大手さんに年明けの管理職研修の打合せに伺いました。

人事部長(Tさん)と中堅社員(Mさん)に「会社や受講生のご状況」や「マネジメントの課題」などをヒアリングをしていると、あるメモに目が留まりました。

研修自体は3日間の合宿研修なのですが、初日の夜に「社長を交えての懇親会」が設けられているのです。

Mさんの手元にあるポストイットには「社長懇親会予定1月26日。要確認」と書かれているのですが、、その日程は研修2日目の夜なのです。。

気になって確認してみると、、

正:研修初日夜に社長懇親会開催
誤:研修2日目夜に社長懇親会開催

やっぱり「スケジュールが間違っているのです!!」

「社長には、2日目夜で確認したのか?」と焦るT部長からの問いに「もちろんです。って言うか、このポストイットの字、わかりますよね?課長が渡してきたものですよ」

どうやら、会議には不在のY課長が日程を間違えて、指示を出していたようなのです。。

「私は指示通りに確認しただけです」
「このメモが証拠ですし」
「課長の責任ですよね??」
鼻息荒く、まくしたてるMさんに、T部長が一言。

「許してやれ。仕事は助け合いで成り立っているんだ。」

「誰かがミスする時もあれば、自分がミスする側に回ることだってある」

「仲間なんだ。追い詰めたらダメだよ」

『昔、社長が教えてくれたんだけどな。 「サラリーマンは誰かを一度許したら、他の誰かに一度許される機会が得られる。だから広い心を持てよ」ってな。どこかの坊さんだかの教えらしいぞ」

柔和な笑顔で部下を諭したT部長。
なんだかカッコよかったです。

数日後。T部長とお会いすると、、
「おかしい。。社長から俺がこっぴどく怒鳴られたわ。何が広い心や。。」とボヤきまくっておりました笑

 


高松 秀樹(たかまつ ひでき)

たかまり株式会社 代表取締役
株式会社BFI 取締役委託副社長

1973年生まれ。川崎育ち。
1997年より、小さな会社にて中小・ベンチャー企業様の採用・育成支援事業に従事。
2002年よりスポーツバー、スイーツショップを営むも5年で終える。。
2007年以降、大手の作法を嗜み、業界・規模を問わず人材育成、組織開発、教育研修事業に携わり、多くの企業や団体、研修講師のサポートに勤しむ。

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