第52回「男性化粧品からみるミライ」

このコラムについて
世の中の情報は99%が「現在」または「過去」のものでしょう。たった1%の未来情報をつかめる人だけが、自分のキャリアやビジネスを輝かせるのです。でも、未来情報なんか手に入らないよ!と思ったアナタ。ご安心を。もしアナタが古い体質の会社に勤めているなら超ラッキー。そんな会社の経営者ならビジネスがハネるかも。

未来コンパスが、あなたの知らない未来を指し示します。

 第52回  「男性化粧品からみるミライ」

最近は男性もメークをするようです。
私は、学生時代は坊主一徹。眉毛どころか髪すら整えていない学生でした。そんな美容やメークとはほど遠い私ですが、先日、除毛クリームをはじめて経験しました。
きっかけは、毎朝の面倒なヒゲ剃りを無くしたいと思ったこと。いざ使おうと思ったら、デリケートな顔へは使えないとの注意書きが(顔に使用が認められている市販品は日本にない)。先に確認しとけよ!という話ですね汗。

試しに胸に塗ってみたところ、思わぬ発見が。泥パックのようなクリームを塗ると、毛がごっそり無くなるのですが、これが気持ちいい!
見た目の変化が大きくて脳がビックリするからなのか、どことなくアハ体験のような、頭から何かがスゥーと抜けるような何とも言えない気持ちよさがあります。
私は、体毛が薄いほうで、胸の除毛は一回で完了したのですが、思わず他に出来る部分はないかと探した程でした。

ただし、臭いがきついのが玉にキズ。
除毛クリームは、毛に含まれるタンパク質の組織を破壊することで毛を溶かすのですが、パーマ液と同じく髪の毛が焦げるような臭いがします。
もちろん技術は常に進歩していて、P&Gが無臭の除毛クリームの原料を開発してくれています。


特表2020-513001号(出願人:プロクター アンド ギャンブル カンパニー)
【発明の名称】パーマネントウェービング、ストレート化及び脱毛用途のための無臭チオール


■未来コンパスが指すミライ

「スッピンで人前に出るのは無理」「メークをするのは当たり前」という男性が、特に若い世代で、少しずつ増えているようです。まだ男性メークに抵抗がある人の方が多いと思いますが、身だしなみを整えるのに本来ジェンダーは関係ないもの。今後広がっていくのでしょうか。
もし、こうした男性メークが普通になると、化粧品店の作り方も変わってきます。店舗の内装や美容部員の服装は、これまでは女性を意識してきたものですが、これからは男性が入りやすい店舗づくりや、男性の肌質に詳しいスタッフの人材配置が考慮されるようになります。
デパートの場合は、建物の作りも変わるかもしれません。女性に化粧を見られたくないと考える男性のために、“メンズ専用入り口”あるいは“メンズ専用フロア”ができる日が来るかもしれません。
また、メーク道具の持ち歩きが予想される中で、通勤カバンに化粧品の収納スペースが備えられる可能性もありそうです。財布をはじめとする多くの機能がスマホに入り、持ち物が少なくなる最近の傾向とは反対のトレンドになるでしょうか。

男性メークが市民権を得たミライは、売り場やカバンの作りが変わるミライなのかもしれません。

 

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 この記事を書いた人  

八重田 貴司(やえだ たかし)

外資系企業/法務・知財管掌。弁理士。
会社での業務とは別に、中小・ベンチャー企業への知財サポートをライフワークとする。クライアント企業が気づいていない知的財産を最大化させ、上場時の株価を上げたり、高値で会社売却M&Aをしたりと言った”知財を使って会社を跳ねさせること”を目指す。
仕事としても個人としても新しいビジネスに興味があり、尖ったビジネスモデルを見聞きするのが好き。

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