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なぜこんなツマラナイものにこだわるのだろう。そういう「ちょっと変わった人」っていますよね。市川さんはまさにそういう人。でもそういう人が今の時代にはとても大事。なぜなら一見ビジネスになんの関係もなさそうな、絶対にお金にならなそうなものが、価値を生み出す時代だから。凝り固まった自分の頭をほぐすために、ぜひ一度(騙されたと思って)市川ワールドへ足を踏み入れてみてください。
「本音」の取り扱いについて
皆さん、会社で個人面談ってありますか?
弊社では、半年に一回くらいかな、社長がやってくれます。
(気を使って僕(会長)のことも面談してくれるんです…)
弊社の社員さんで面談の際に、経営陣への不満と自身が求める待遇について、数十ページの資料にまとめてくる社員さんがいます。
そして社長の前でプレゼンするわけです。
簡単に言うと、「経営陣が能無しだから、いまいちパッとしないんだ!」ということを言ってくるんですけどね。
さて、ちょっと想像してみてください。
あなたが経営する会社にこういう社員さんがいたら?
もしくは、あなたの部下がこういう社員さんだったら?
・・・
・・・
どうですか?
・・・
・・・
嫌でしょう?w
「この野郎!」って思いますよ、きっとw
まぁ、こういう風に突きつけられるのは、経営者や上司からしたら、自分を否定された感じもありますしね。
「正しいのは私で、あなたは間違っている」なんて、普通は言われたくないし、聞きたくないことです。
「経営陣が魅力的かつ明確なビジョンを設定できておらず、有効な戦略・戦術を策定できていない」とかって言われたうえ、「いち社員の私でももっとマシなアイデアが浮かぶし、現実的である!」とプレゼンシートをめくりながら伝えてくるわけですから。
・・・
・・・
どうですか?
・・・
・・・
「この野郎!」でしょう?w
経営者や上司が何かを決断をするに際には、様々な判断材料があり、更に持っている知識や経験を総動員して決断しているはずです。
そのプロセス抜きに批評され、無能呼ばわりされているようで、受け入れ難いのでしょうね。
「結果が全てだ!」と普段言ってるくせに、こういうときは「プロセスも大事だ」と言いたくなるのです・・・にんげんだもの。
僕だってイーロン・マスクやジェフ・ベゾスみたいに有能な経営者になりたかったよ・・・涙
さて、こういう社員さんもいるという可能性を念頭においた上で、以下のことを考えてもらいたいんです。
「何でも遠慮なく言ってくれ!」と器の大きさを演出したくなることってありますよね?
では、弊社の社員さんのように、「いいんですか♪」とばかりに、本当に遠慮なくズバズバ言ってきたらどうでしょうか?
受け止める自信がありますか?
さらに、こういう社員さんを疎んじない自信がありますか?
実は、社員さんは「遠慮なくなんでも言ってくれ」って言われても、ほとんどはオブラートに包みますし、そもそもそんな主体的に会社のことを考えたりはしませんよ。
かと言って、主体的に考えてくれているとは言え、オブラートに包まずズバッと言われると、経営者や上司はカチンっときたり、傷つきます(苦笑)
社員さんからしたら迷惑な話で、そうなることが想像できるから本音を言わないんですけどね・・・
◯本音を言う
受け手が、伝える相手に対して、この人は「受け止めてくれる」「裏切らない」という確信が持てない限り、本音で物を言うって難しいです。
経営者や上司に嫌われるリスクを犯す人っていませんからね。
言う側にも勇気が要るわけです。
◯本音を聞く
聞く側は、「受け止めきる」そして「裏切らない」ためにも、想像以上のエネルギーと自制心が必要です。
相手が話している途中で遮って話し始めたり、食い気味で答えたり、突っ込みを我慢できない僕みたいな人は絶対にダメ!
じーーーっと、相手の本音を受け止めないと。
台風で増水したときの滝行に耐えるようなもんです。
これを器が大きいと言うのであれば、僕の器はおちょこの裏側(高台)くらいの大きさしかないことになります・・・涙
さて・・・
本音を求めるべきなのか?
本音を伝えるべきなのか?
本音の取り扱いって難しいよね。
お互いあってのことですからね。
これくらいで関係は崩れないと思えないと、本音でのやり取りは難しいのかもしれませんよね。
「鼻毛が出てるよ」って教えることすら躊躇するレベルではダメだってことです。
ちなみに、その社員さんの話を受けきった弊社の社長は心身共にエネルギーを使い果たし、その社員さんは心なしにかすっきりしていました。
どちらもお疲れさまでした。
著者/市川 厚(いちかわ あつし)
株式会社ライオンハート 代表取締役会長
https://www.lionheart.co.jp/
LH&creatives Inc.(フィリピン法人) CEO
https://lionheart.asia/
<経歴>
三重県の陶芸家の家に生まれる。
(僕が継がなかったので、父の代で終焉を迎えることになる…)
大学時代、遅めの中二病を発症。経済学部に入ったのに、何を思ったか「ファッションデザイナーになるんや!」と思い立ち、大学を中退。アパレル企業に就職。
ところが、現実は甘くなく、全く使えない僕に業を煮やした社長から、「Webサイト作れないとクビだからな!」と言われ、泣く(T_T)パソコンの電源の付け方も知らなかったけど、気合でWebサイト制作を習得。しかし、実際のところは、言い訳ばかりで全く成長できず・・・怒られて、毎日泣く(T_T)そんな頃、「デザインにも色々ある」と改めて気づいて、広告業界へ転職、広告制作会社のデザイナーとしてのキャリアをスタート。
「今度は言い訳をしない!」と決めて仕事に没頭し、四六時中仕事していたら、黒目がめくれ上がってきて、眼科医から「失明するよ」と言われ、ビビる。2004年勤務先で出会った同僚や友人を誘って起業、有限会社ライオンハートを設立(現 株式会社ライオンハート)。ところが、創業メンバーとあっさり分裂、人間不信に。残ったメンバーと再スタート。
2014年、設立10周年を機に、創業メンバーで唯一残っていた人間を日本法人の社長にし、自身は会長になり動きやすい状態を創る。この頃からブランディングエージェンシーを名乗り始める。
2016年、フィリピン(マニラ)にITアウトソーシング企業(LH&creatives Inc.)を設立。設立準備期間から家族とともに移り住み、フィリピンで3年半を過ごす。
フィリピン人マネジメントを通して、猜疑心の塊になり、性悪説に変わる。
2019年6月、日本に帰国し、日本法人のマネジメントに復帰。社内コミュニケーションを充実させるために席替えしたり、誰も掃除しない椅子をきれいにしたり、「眠いときはしゃべった方が良いよねッ」ってスタッフに話しかけながら仕事をするなど、独自のインナー・ブランディングの理論を実験していたところ、会社の調子が上がった。そもそもブランディングってなんだ?と思っていたところに、BFIの安田さんと出会い、勝手にご縁を感じてコンサルを受けてみる。そしたら安田さんに誘われ、2020年、anote konoteに参加することに。