この記事について
自分の絵を描いてもらう。そう聞くと肖像画しか思い浮かびませんよね。門間由佳は肖像画ではない“私の絵”を描いてくれる人。人はひとりひとり違います。違った長所があり、違った短所があり、違うテーマをもって生きています。でも人は自分のことがよく分かりません。だからせっかくの長所を活かせない。同じ失敗ばかり繰り返してしまう。いつの間にか目的からズレていってしまう。そんな時、私が立ち返る場所。私が私に向き合える時間。それが門間由佳の描く“私の絵”なのです。一体どうやってストーリーを掘り起こすのか。どのようにして絵を紡いでいくのか。そのプロセスをこのコンテンツで紹介していきます。
家族|トップ営業マンが起業に舵を切れた理由
「門間さんの絵をFacebookで見て、いつも感動していました。新潟からなので、ちょっと遅れるかもしれませんが、門間さんの絵のイベントに参加します。実物の絵を拝見するのを楽しみにしています」
と、Kさんが訪れました。営業の仕事に何十年も携わった敏腕会社員ですが、包み込むようなふんわりとした空気です。だから、背が高いのに不思議と威圧感を感じませんでした。
イベントに参加した後、「世界でひとつの作品が作られるプロセスに心を動かされました。絵を頼む人の人生が絵の中に凝縮されています。私もいつか門間さんから作品を作って頂きますので宜しくお願いします!!」とメールが届きました。
そして、半年ほど経って、「会社員をしながら、独立準備を始めたいと思います。だから、自分を出すのは恥ずかしいのですが、門間さんに話を聞いてもらいたくて」と訪ねてきました。「本当の自分を通じて、何か人の役に立ちたいのです」と、Kさんは、セッションで心のうちを吐き出していきました。そして、あるセッションのあと、「本当の自分がスタートした【記念日】と感じました。「理念の整理」ありがとうございます。本当の仕事を創っていきますので、門間さん、伴走を宜しくお願いします!」とメールが届きました。
セッションでは、Kさんの企業経験の中に今後の活動の大きな宝物が埋まっているのが感じられたので、お仕事の中から独立へのヒントを探してもらいました。
いわゆる「抽象化思考」です。これができると、具体的なことからある構造を見つけて、別の分野に結びつけることができます。例えばKさんであれば、社長と話すことは、独立した後の自分、社長としての自分に結びつけることが可能です。
一つ一つの会社員の仕事を、独立した後の自分に結びつけて考えれば、仕事をしながら起業準備トレーニングをできるのです。
なんで、画家が抽象化思考?と、思われるかもしれませんが、絵を頼む人の人生を凝縮するために、毎日この思考法を使っています。
人生を表す言葉をただ並べても、絵にはならないからです。言葉と色形構成を結びつける要素を探す。結びつけた要素を精査して、構造を見つけ出す。見つかった構造の中から、何が一番作品にふさわしいかを選び出す。
ビジョンクリエイター/画家には、抽象化思考が当たり前なのです。
Kさんの絵は、セッションで抽象化思考を繰り返していくうちに、志を表す光がテーマになっていきました。本物の自分が生まれ育っていく光です。
光といってもさまざまです。そして、色彩心理から色を紐解くと、色によって志の意味合いが微妙に変化します。だから、Kさんが選べるように、数枚に分けて構想画を描きました。
「色々と選び直したり、何度も選んでみるのもKさんに必要な時間だと感じます。そして、Kさんの色は、Kさんの心が知っています。自分の感覚に問いかけてみるといいと思います」と伝えると、
「ワクワクします!楽しいです」と、Kさんは何ヶ月もかけて自分の色を選び出しました。「迷いながら最後に選んだ時、【これが自分の色だ】ととても嬉しかったです」と目を輝かせました。
Kさんが選んだ構想画は、男性的な強さとともに、温かさ親しみやすさ、の象徴になるオレンジ色の絵でした。仕事を単に仕事に終わらせない、人と人の温もりつながりを大事にする生き方、愛のかたちがあらわれていました。
そして、【Kさんの色】が決まった後。「門間さん、【私の色】に、想い出がいっぱい詰まった家で家族全員を撮った記念の写真を入れて欲しいと浮かびました!」とメールが届きました。
そして、その家族像は、広い世界の中で、家族それぞれが生き生きとすることと、Kさんの志と、家族のそれぞれの志が光輝くことを意味するように、描き加えられて完成しました。
完成した絵を見て、「素晴らしい作品にしていただき、感謝の言葉でいい尽くせないです。自分の想いが全て作品に込められております」とメールが送られてきました。
「自分の想いが命をかけてもいい仕事につながるのだと、明確になりました。
門間さん、自分の仕事が出来るスタートに立たせてもらいました。
準備が出来ましたら走り出しますので、これからもよろしくお願いします」
そして、数年経った今Kさんは、会社をやめ、人を支援する仕事へと走り出しています。
著者の自己紹介
ビジョンクリエイター/画家の門間由佳です。
私にはたまたま経営者のお客さんが多くいらっしゃいます。大好きな絵を仕事にしようと思ったら、自然にそうなりました。
今、画廊を通さないで直接お客様と出会い、つながるスタイルで【深層ビジョナリープログラム】というオーダー絵画を届けています。
そして絵を見続けたお客様から「収益が増えた」「支店を出せた」「事業の多角化に成功した」「夫婦仲が良くなった」「ずっと伝えられなかった気持ちを家族に伝えられた」「存在意義を噛み締められた」など声をいただいています。
人はテーマを意識することで強みをより生かせるようになります。でも多くの人は自分のテーマに気がついていません。ふと気づいても、すぐに忘れてしまいます。
人生
の節目には様々なテーマが訪れます。
経営に迷った時、ネガティブになりそうな時、新たなステージに向かう時などは、自分のテーマを意識することが大切です。
また、社会人として旅立つ我が子や、やがて大人になって壁にぶつかる孫に、想いと愛情を伝えると、その後の人生の指針となるでしょう。引退した父や母の今までを振り返ることは、ファミリーヒストリーの貴重な機会となります。そして、最も身近な夫や妻へずっと伝えられなかった感謝を伝えることは、絆を強めます。そしてまた、亡くなった親兄弟を、残された家族や友人と偲び語らうことでみなの気持ちが再生されます。
こういった人生の起点となる重要なテーマほど、大切に心の中にしまいこまれてカタチにしづらいものです。
でも、絵にしてあげることで立ち返る場所を手に入れることができます。