この記事について
自分の絵を描いてもらう。そう聞くと肖像画しか思い浮かびませんよね。門間由佳は肖像画ではない“私の絵”を描いてくれる人。人はひとりひとり違います。違った長所があり、違った短所があり、違うテーマをもって生きています。でも人は自分のことがよく分かりません。だからせっかくの長所を活かせない。同じ失敗ばかり繰り返してしまう。いつの間にか目的からズレていってしまう。そんな時、私が立ち返る場所。私が私に向き合える時間。それが門間由佳の描く“私の絵”なのです。一体どうやってストーリーを掘り起こすのか。どのようにして絵を紡いでいくのか。そのプロセスをこのコンテンツで紹介していきます。
幸福|ヒーラーに描いた絵を見て「大切な子を門間に描いてもらおう」と思ったCさんの場合
絵が絵を呼ぶ時があります。この時もそうでした。
「とても大切なこの子の魂を描いて」とCさんが訪ねてきました。「吸い込まれそうな瞳。なんとも言えない存在感。この絵をみて、うちの大事な子を描いてもらえる、と思いました」
吸い込まれそうな瞳の絵は、ヒーラーさんに描いた守護神の鹿でした。依頼主との心、魂のふれあいを感じながら筆にのせていった作品です。だからきっと、特別な存在を描くことになる、と直感しました。その直感通り、Cさんは不思議な物語を打ち明けてくれました。
「描いていただきたいのは、神様の使いの犬です。そう感じずにはいられない出会いだったのです。だから生きている間にぜひ門間さんに描いて欲しいと思いました」と、しば犬の写真を見せてくれました。
「まず、初めから普通ではありませんでした。来るはずの子犬と違う犬としてうちにきたのです。気性は荒いし、いたずらするしで、『ああ、来るはずだった犬が良かった・・・』、と思っていたら、送られてきた血統書のその子犬の母親の名前が、なんと、信仰している神様と同じではありませんか。
きっとこの子犬は神の使い、と、とても大事にするようになった後、おかあさんの重い病気が治って元気になったり、家族がとても仲良くなったりしたのです」
ヒーラーさんの絵が引き寄せてくれたのは、家族に幸せをもたらした犬の物語でした。それを聞いて、この犬に逢いにいこう、と思いました。画家として、その不思議な存在に触れたい、という気持ちが沸き上がったのです。
「お話に感動しました。ぜひ、その子に会いに行きたいと思います」と伝えると、「うちまできてくれるのですか!」と喜んで犬と私を引き合わせてくれました。
描くときには、どんな存在、エネルギーだろう?とつかみます。それは、ビジネスマンに置き換えると、「現場に触れる、深みのある情報を捉える」のと同じです。『イシューからはじめよ』で安宅和人は、【「一次情報を死守する」というのは大先輩が授けてくれた珠玉の教え】と述べています。情報を噛み締める、つまりはさまざまな意味合い、価値、重さを正しく理解しようとするのは、どんな仕事にも通じる大切な基礎です。
会ってみると、最初は気性が荒かったという犬は、人なつこく遊ぼう、挨拶してきました。Cさんが動くたびに、温かくそばに寄り添って、優しく見守る空気を感じました。まだ若いのに守護神らしい雰囲気が滲み出ています。2人の間にとても柔らかな優しい空気を感じて、ピンク系統の絵だなと直感しました。
アトリエに戻って、みてきた光景を思い浮かべると、やさしいピンクやバイオレットやベージュオレンジの空気が浮かんできました。
そこで、もやっとしたピンクの霧をえがくところから始めました。 こういう時は、はがき大くらいの小さな絵に浮かんだイメージを一枚一枚描き出すところからはじまります。10枚、20枚、とインスピレーションをおいかけていくことで、絵からかたちが生まれてくるのです。
Cさんと犬の信頼感。Cさんの想いを汲み取り、護ろうとする犬。2人の幸せな未来に想いを馳せながら、ピンクの霧、空気から魂が生まれて育ってくるように想像して筆を自由に走らせました。
そうすると、インスピレーションがわいて、かたちがつかめてきます。ピンクのなかのやさしい黄色みをおびた光が、ふわふわと大事な人を包もうとしている空気が浮かんできます。ビジョンクリエイターとして、浮かんだものを次々に描く。それを繰り返していると次第に魂のイメージから犬の形が生き生きと浮かんできました。
同時に、画家の視点から色の組み合わせや、配置をつかんでいきます。犬の姿をあちこちの角度からスケッチ。魂のイメージと犬の形がどのように合わされば良いのかも、描きながら組み立てていきます。そして、下絵、本画と進めて行く段取りをくみます。こういった構想を数ヶ月の時間の流れにのせて、育んでいくのです。
絵の途中経過の画像をCさんにメールで送ると、
「門間さんにどんなに大切な犬か伝わっていることが制作途中の絵の温かさから伝わってきます。とても感動しました。」と返ってきました。
そして、完成した絵。
「うわぁ~、生きてるねぇ!!」絵を見た途端、歓声が上がりました。「飾る場所は、もう決まっているんです。家族も皆楽しみに待っているので、すぐ飾ります」そこはご家族が集うリビングでした。大テーブルの正面で、テーブル越しに家族と向かい合う位置です。
出会いやご縁を大事にする。起こる出来事ひとつひとつを、自分の頭で感じ取り、考える。そうして、自分の世界観を作り上げていくことは、共感し、理解する力で生きること。それは、魂が震えるような豊かな人生をもたらしてくれます。
<セミオーダー絵画の案内ページを作りました>
「門間さんに描いてもらい」とひそかに思いを育んておられた皆さま、是非ご確認くださいませ。
https://brand-farmers.jp/blog/monma_vision-paint/
著者の自己紹介
ビジョンクリエイター/画家の門間由佳です。
私にはたまたま経営者のお客さんが多くいらっしゃいます。大好きな絵を仕事にしようと思ったら、自然にそうなりました。
今、画廊を通さないで直接お客様と出会い、つながるスタイルで【深層ビジョナリープログラム】というオーダー絵画を届けています。
そして絵を見続けたお客様から「収益が増えた」「支店を出せた」「事業の多角化に成功した」「夫婦仲が良くなった」「ずっと伝えられなかった気持ちを家族に伝えられた」「存在意義を噛み締められた」など声をいただいています。
人はテーマを意識することで強みをより生かせるようになります。でも多くの人は自分のテーマに気がついていません。ふと気づいても、すぐに忘れてしまいます。
人生
の節目には様々なテーマが訪れます。
経営に迷った時、ネガティブになりそうな時、新たなステージに向かう時などは、自分のテーマを意識することが大切です。
また、社会人として旅立つ我が子や、やがて大人になって壁にぶつかる孫に、想いと愛情を伝えると、その後の人生の指針となるでしょう。引退した父や母の今までを振り返ることは、ファミリーヒストリーの貴重な機会となります。そして、最も身近な夫や妻へずっと伝えられなかった感謝を伝えることは、絆を強めます。そしてまた、亡くなった親兄弟を、残された家族や友人と偲び語らうことでみなの気持ちが再生されます。
こういった人生の起点となる重要なテーマほど、大切に心の中にしまいこまれてカタチにしづらいものです。
でも、絵にしてあげることで立ち返る場所を手に入れることができます。