その96 ネーミングの威力

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なぜこんなツマラナイものにこだわるのだろう。そういう「ちょっと変わった人」っていますよね。市川さんはまさにそういう人。でもそういう人が今の時代にはとても大事。なぜなら一見ビジネスになんの関係もなさそうな、絶対にお金にならなそうなものが、価値を生み出す時代だから。凝り固まった自分の頭をほぐすために、ぜひ一度(騙されたと思って)市川ワールドへ足を踏み入れてみてください。

ネーミングの威力

少し前からワーケーションって言葉が出てきましたよね。
「Work(ワーク)」と「Vacation(バケーション)」の造語だそうで、職場とは違う場所、例えばリゾート地や地方で仕事をしながら休暇を取ることを言うのだとか。
会社の合宿とかもその一つと考えられているようです。
不思議なことに、「合宿」より「ワーケーション」の方が堅苦しくなくて参加しやすい印象がありますね。
ブランディングに関わる仕事をしていると、こういうネーミングって大事だよなって思いますよ。
物は言いようってやつで。

社内行事と言えば、社員旅行や飲み会など、参加したくないという社会人が増えていますよね。
JTBの調査によれば、社員旅行に行きたくないなど否定的な社会人は、半数を超えるらしいですね。
もしかすると、こうした社内行事も呼び方変えると参加したくなったりするのかな?

弊社はフィリピンに子会社を持っていますが、フィリピンでは社員旅行は「Company Outing」と呼ばれ、社員に大変人気があります。
フィリピン人は見えっ張りなところがあって、SNSなどで「イケてる自分」を発信するのが大好きです。
なので、こうした機会は、「イケてる自分」の演出にはもってこいなのです。
会社のお金を使って、旅行に行けるわけですしね。
友人や兄弟と比較して、映える社員旅行だったら、彼らの満足度は高くなり、離職率は下がると思います。
もしかすると、日本でも「Company Outing」って言い方にすれば、「社員旅行」から漂うなんか古臭い印象や、(今ついてしまっている)ネガティブな印象を払拭できるかもしれませんよね。
なら、会社の飲み会も「Social Gathering」とか英語に直したらどうでしょうかね。
あら、なんだかちょっとおしゃれな感じ♪
・・・なんか、英語をオシャレだと思ってしまう日本人ならではの発想かもしれませんけども(苦笑)

実は、名称変えただけで売れだす商品やサービスって、世の中に結構あります。
例えば・・・
「お〜いお茶」はもともと「煎茶」でした・・・そのまんま(汗)
人気の缶コーヒー「BOSS」は、「WEST」でした。「BOSS」のインパクトと比較すると、西ってなんやねん!?って感じますね。
昭和世代にはお馴染み「チョロQ」は、「豆ダッシュ」でしたw
「大江戸線」って「ゆめもぐら」だったらしいですね。ゆめもぐらって・・・(汗)なんじゃそれ!?

良い商品やサービスでも伸び悩んでいる場合、ネーミングを検討するのも一つかもしれませんね。

ところで、今回、僕が「ワーケーション」とかって言い出したのには理由があるんです・・・
少し前、雑誌の企画で、とある県で実施しているワーケーションを紹介していたんです。
コロナもあって、観光需要が見込めないホテルなどの宿泊施設は、ワーケーションに注目しているようですね。
県としても県の魅力を知ってもらう機会と力を入れているようでした。
ワーケーションの体験希望者を募っていたので、何気なく応募したところ、僕が当選しちゃったんですよねー♪
取材協力費もいただけるようで、すんごいラッキーですよ♪
まぁ、そんなわけで、「取材して、写真も撮ります」って言われてるんです。
でも、僕、ピンク頭でしょう?
それがバレたら、「大変申し訳無いのですが、再度検討したところ・・・今回の企画には向かないので・・・」と断られそうで内緒にしているんですよね。

ところでさ、ワーケーションって言ってしまえば色々経費として認められるんじゃないの?!
でも、いかに仕事に必要だったのか?を説明できないとダメだよね。
まぁ、僕は環境が変わると、ワクワクして他ごとやっちゃうけど・・・

年の瀬も押し迫るこの時期の記事、こんな感じでいいかな。

 

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著者/市川 厚(いちかわ あつし)

株式会社ライオンハート 代表取締役会長
https://www.lionheart.co.jp/

LH&creatives Inc.(フィリピン法人) CEO
https://lionheart.asia/

<経歴>
三重県の陶芸家の家に生まれる。
(僕が継がなかったので、父の代で終焉を迎えることになる…)
大学時代、遅めの中二病を発症。経済学部に入ったのに、何を思ったか「ファッションデザイナーになるんや!」と思い立ち、大学を中退。アパレル企業に就職。
ところが、現実は甘くなく、全く使えない僕に業を煮やした社長から、「Webサイト作れないとクビだからな!」と言われ、泣く(T_T)パソコンの電源の付け方も知らなかったけど、気合でWebサイト制作を習得。しかし、実際のところは、言い訳ばかりで全く成長できず・・・怒られて、毎日泣く(T_T)そんな頃、「デザインにも色々ある」と改めて気づいて、広告業界へ転職、広告制作会社のデザイナーとしてのキャリアをスタート。
「今度は言い訳をしない!」と決めて仕事に没頭し、四六時中仕事していたら、黒目がめくれ上がってきて、眼科医から「失明するよ」と言われ、ビビる。2004年勤務先で出会った同僚や友人を誘って起業、有限会社ライオンハートを設立(現 株式会社ライオンハート)。ところが、創業メンバーとあっさり分裂、人間不信に。残ったメンバーと再スタート。
2014年、設立10周年を機に、創業メンバーで唯一残っていた人間を日本法人の社長にし、自身は会長になり動きやすい状態を創る。この頃からブランディングエージェンシーを名乗り始める。
2016年、フィリピン(マニラ)にITアウトソーシング企業(LH&creatives Inc.)を設立。設立準備期間から家族とともに移り住み、フィリピンで3年半を過ごす。
フィリピン人マネジメントを通して、猜疑心の塊になり、性悪説に変わる。
2019年6月、日本に帰国し、日本法人のマネジメントに復帰。社内コミュニケーションを充実させるために席替えしたり、誰も掃除しない椅子をきれいにしたり、「眠いときはしゃべった方が良いよねッ」ってスタッフに話しかけながら仕事をするなど、独自のインナー・ブランディングの理論を実験していたところ、会社の調子が上がった。そもそもブランディングってなんだ?と思っていたところに、BFIの安田さんと出会い、勝手にご縁を感じてコンサルを受けてみる。そしたら安田さんに誘われ、2020年、anote konoteに参加することに。

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