不安ってなんだろう？って考えてたときがあるんですよ。

はい。

たとえば自分自身を不安にさせるとかって自分の内側で起こっていて、それを抱え込みたくないから、外に出しちゃいたい。もしそれらを毒と呼ぶとすると、「この毒め、わたしを困らせやがって。なんで出ていかないんだ！この毒は、あいつのせいだ！」ってなったりします。

なりますね。

ある時、あれ？ってなったんですよ。「この不安って自分の中だけにあるってことは、自分と共存してるっていうか、自分が生み出した？」って。

なるほど。

そう思ったときに、不安とか不満とかっていうのを解消しよう、ともがいている自分がおかしくて、笑いがこみ上げてきたんですよ。丸ごと自分じゃーんって。あははははって。

なるほど。そのとおりですよね。

うん。善悪決めて悪をなくそうって働くと、おかしくなっちゃう。宇宙の法則じゃないわけです。

最近不安になったら、そのとき感じたことをネタにする。不安なときのネタ帳ってやってまして。不安になったら「あ、よしよし、ラッキー」と思えるようになりました。

すばらしい。ネタ帳つけてるとは、さすが真面目（笑）

真面目ですかね（笑）

うん。非常に真面目です、安田さん。

結構真面目に生きてますね。

本当に。

はい。嫌になっちゃいますけど。

しっかり生きてますよね。真面目にしっかり。

いやぁ、本当に嫌になってきます。

そうですか？

はい。もっと不真面目に生きたいですね。

「不真面目に生きる」ことが「境目研究家として生きる」っていうことだったんですか？

そうですね。本当に、真面目じゃなくて、不真面目に、すべて芸の肥やしだと思えるぐらいの生き方をしたいんですけど、残念ながらできませんね。

え、そうですか？

はい。自分では「真面目すぎるな」って感じですね。

そうですか。真面目が行きすぎると「真面目ジメジメになるよ」って祖母が言ってたんです。「真面目が行きすぎるとジメジメしてカビが生える」って。でも安田さんジメジメしてらっしゃらないですもんね。

そうですね。そういう真面目ではないですね。

うん。

なんていうんでしょうね。なんか、すごいえらそうな言い方に見えちゃうかもしれないですけど、もうちょっと、こう…なんか、達観してるわけじゃないんですけど、それに近い、そっちの方向に真面目ってことですね。

そうですね。風通しのいい真面目ですね。

はい。やっぱり人間、心のどこかがさみしいんで、だから人と飲んだりして、別れて帰ってきたけど、でもまだ寝たくない。必要もないのにテレビ見たりスマホ見たりっていう、私もそういう人間だったわけですけど。

ほほー。

いまは、夜9時ぐらいになったら「もう寝よう」と思って、あっさり真面目に寝れるようになっちゃった。

（笑）

お酒飲んでも、次の日しんどいことが想像できるから、「ああ、もうやめよう」っていうことができちゃうようになった。それがなんかね、つまんない。

（笑）。いやいや、それ面白い！

面白いですか（笑）

いい。いいですね。

いいですかね。

うん。

まあ、年も年なんでね。

そういう振る舞いをしているっていうのが、いまの安田さんなんですね。

もう本当に、自分よりは、誰かの役に立って生きていくということに全力を尽くそうと。

なるほど。

まあ、なかなか全力まではいかないですけど。結構そういう気持ちが強いです。

そうなんですね。

ええ。昔の私を知ってる人は、絶対信じてくれないと思いますけど。

へぇ～、そうですか。

はい。

でも、まぁ、そういうときを経てのいま、ですもんね。

そうですね。これをやらないで死んだら、次、またもう1回スタートに戻るんじゃないかと思って。

おおっ。

振り出しに戻るの嫌いなんですよね。失敗してもいいから先に行きたい。

先にね。もう人間ランドは卒業して？

卒業したい。これやっとかないと、絶対また同じシチュエーションで生まれるなって気がして。

なるほど。輪廻ですねー。

死んだあとに「あ、またやっちゃったよ」っていうのが嫌なんで。

ああ。それは嫌だ。

死んだあとに「よしよし、やっぱ俺の思ったとおりだったな」という感じで死んでいきたいんですよ。

（笑）

（笑）