その64「GWをゲームに費やしてしまった経営者(40代男性)の言い訳」

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なぜこんなツマラナイものにこだわるのだろう。そういう「ちょっと変わった人」っていますよね。市川さんはまさにそういう人。でもそういう人が今の時代にはとても大事。なぜなら一見ビジネスになんの関係もなさそうな、絶対にお金にならなそうなものが、価値を生み出す時代だから。凝り固まった自分の頭をほぐすために、ぜひ一度(騙されたと思って)市川ワールドへ足を踏み入れてみてください。

 

ゴールデンウィーク、いかがお過ごしでしたか?

僕は家にこもってゲームしてました・・・
任天堂switchの『モンスターハンターライズ』(モンハン)というゲームです。
僕はいわゆるファミコン世代ですから、もともとゲームが好きなんですよね♪

実は、10年以上前にこのゲームをやってて、結構ハマったんです。
ちょうど、リーマンショックの頃で、会社が本当に苦しい時期でした。
お金も無くて外出できないから…と、SONYのポータブル機でモンハンをやっていたんです。
そう、まさにゴールデンウィークの時期でしたね。
懐かしい。

調べてみると、リーマンショックは2008年ということですから、今から12年以上も前ってことになりますね。
12年前と、状況は違いますが、今はコロナの蔓延防止とかもあって、気軽に遠出ができません。
あと、弊グループはフィリピン法人もあって、休みではないフィリピンとのやり取りはありますから、一応家に居ました。
・・・とは言え、やってることはゲームで引きこもっているわけですから、12年前と同じって言うね(汗)
これで良いんだろうか!?と自分の人生にギモンを感じますよ。

ところで、皆さん、10年の単位で振り返ったとき、何か変わっていますか?

僕もちょっと振り返ってみたんですが・・・

◯社長から会長になった
◯フィリピンに法人を作った
◯働く仲間の半数以上が変わった(10年目になる仲間は割といる)
◯住んでいる場所が違う(フィリピン生活も経験)
◯結婚して子供がいる
◯自転車に乗っている、気持ちいい♪
◯格闘技が趣味になり、空道(大道塾)の初段(黒帯)になった

・・・など、小さな変化はいくつもありそうです。
「上場した」とか、「売上が10倍になった」「5ヶ国語を話せるようになった」とかそういう大きな変化はありませんけどね。
一番大きな変化を感じられることは・・・12年前の僕と格闘技の試合をすることになったら、ボッコボコにできるだろう、ということくらいでしょうか。

ただ、世界の変化、進歩や発展に比べると、僕の変化、成長って小さすぎるんですよね・・・
本来、世界の変化に比例して、僕も変化成長していないと駄目ですよね。
過去の自分に勝っても(しかも腕力で)全く意味ないですからね(T_T)ウゥ…(恥ずかしい)

僕は新入社員さんたちに、「1ヶ月前の自分と比べてごらん、すごい成長しているよ」って、よく伝えるんです。
と言うのも、ほとんどすべての新人さんは、仕事で自信なんて持ってませんからね。
そもそも仕事の成功体験自体が少ないわけですから、無理もありません。
なので、一番分かりやすい方法として、「ちょっと前の(入社時の)自分と比較すると成長を感じられる」ってことなんです。
もちろん、成長を感じられるようなステップを踏ませる、つまりそういうシナリオを用意する必要があります。

この「自分は成長している!」と感じられるシナリオ作りについて、冒頭の『モンハン』はめちゃくちゃ上手いんです。
最初は操作もままならず、モンスターにいいようにやられて、ストレスもたまります。
ところが、少しずつ慣れてくるんです。
しっかりチュートリアル(基本操作の習得ができるステップ)もありますしね。
しばらくすると、今まで倒せなかったモンスターを倒すことができるようになってきます。
その戦いで得たアイテムを使って、武器や防具を強化して、次のモンスターに挑む・・・早い話、この繰り返しです。
武器や防具が強いものになって、戦いを有利に進められるようになりますが、それについては案外大きな感動はありません。
もちろん戦うのは楽になりますし、見た目も変わるから嬉しいんですけどね。
一番、嬉しいのは、自分自身の上達(成長)が実感できるという点です。
モンスターの攻撃を華麗にかわして、攻撃を叩き込み、ときには罠にはめたりして効率よくクリアすることができるようになる。
あんなに苦戦していた巨大なモンスターを余裕を持って倒することができる自分に感動するわけです。
つまり、過去の自分と比較しているわけです。
その辺りのバランスが絶妙です。

さて、このシナリオとバランス、仕事に置き換えられないだろうか!?って思うわけです。
だとすると、武器や防具、つまり仕事道具のアップデートはもちろん大切ですが、実際には「上達した」と自分が実感できることの方が大切ってことですよね。
ミスが少なくなる、効率の良い進め方ができるようになる、とか。
自分自身が、能力の向上を実感できるシナリオを作ってあげて、レベルに合わせて絶妙な難易度の仕事を提供していく。
こうすることで成長を促すことができるんじゃないのか!?

経営者って生き物は、こんな風に色んなことをヒントに会社の改善を図っていくものなんですよ。
例え『モンハン』をやっていたとしてもね(ドヤッ)。

・・・

・・・

まぁ、40過ぎたいい大人が「ゴールデンウィーク中、家でずっとゲームをやっていた」と言いづらいから、こういうことを無理やり考えるんですよね。
考える力の使い方が間違っているような気はしています。

 

 

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著者/市川 厚(いちかわ あつし)

株式会社ライオンハート 代表取締役会長
https://www.lionheart.co.jp/

LH&creatives Inc.(フィリピン法人) CEO
https://lionheart.asia/

<経歴>
三重県の陶芸家の家に生まれる。
(僕が継がなかったので、父の代で終焉を迎えることになる…)
大学時代、遅めの中二病を発症。経済学部に入ったのに、何を思ったか「ファッションデザイナーになるんや!」と思い立ち、大学を中退。アパレル企業に就職。
ところが、現実は甘くなく、全く使えない僕に業を煮やした社長から、「Webサイト作れないとクビだからな!」と言われ、泣く(T_T)パソコンの電源の付け方も知らなかったけど、気合でWebサイト制作を習得。しかし、実際のところは、言い訳ばかりで全く成長できず・・・怒られて、毎日泣く(T_T)そんな頃、「デザインにも色々ある」と改めて気づいて、広告業界へ転職、広告制作会社のデザイナーとしてのキャリアをスタート。
「今度は言い訳をしない!」と決めて仕事に没頭し、四六時中仕事していたら、黒目がめくれ上がってきて、眼科医から「失明するよ」と言われ、ビビる。2004年勤務先で出会った同僚や友人を誘って起業、有限会社ライオンハートを設立(現 株式会社ライオンハート)。ところが、創業メンバーとあっさり分裂、人間不信に。残ったメンバーと再スタート。
2014年、設立10周年を機に、創業メンバーで唯一残っていた人間を日本法人の社長にし、自身は会長になり動きやすい状態を創る。この頃からブランディングエージェンシーを名乗り始める。
2016年、フィリピン(マニラ)にITアウトソーシング企業(LH&creatives Inc.)を設立。設立準備期間から家族とともに移り住み、フィリピンで3年半を過ごす。
フィリピン人マネジメントを通して、猜疑心の塊になり、性悪説に変わる。
2019年6月、日本に帰国し、日本法人のマネジメントに復帰。社内コミュニケーションを充実させるために席替えしたり、誰も掃除しない椅子をきれいにしたり、「眠いときはしゃべった方が良いよねッ」ってスタッフに話しかけながら仕事をするなど、独自のインナー・ブランディングの理論を実験していたところ、会社の調子が上がった。そもそもブランディングってなんだ?と思っていたところに、BFIの安田さんと出会い、勝手にご縁を感じてコンサルを受けてみる。そしたら安田さんに誘われ、2020年、anote konoteに参加することに。

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