「夜間は無人の診療BOXで?」〜お医者さんは、なやんでる。 第80回〜

第80回 「夜間は無人の診療BOXで?」

お医者さん
お医者さん
いや、今日も忙しかったな。常連さんだけでなく、新規の方もたくさん来てくれた。
お医者さん
お医者さん
コロナ禍になって患者が減った、っていう病院も多い中、うちはなぜか好調だ。一体どういうことなんだろう。
トータルの患者数はあまり変わっていませんからね。どこかの患者が減れば、どこかの患者が増えるのは当たり前なのかもしれません。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
いや、そうだとしても、なぜウチが? 別にどこにでもある普通の内科なのに。……って、一体あなたどなたです?
はじめまして、ドクターアバターの絹川と申します。お医者さんの様々な相談に乗りながら、「アバター(分身)」としてお手伝いをしている者です。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
へえ、お医者さんの相談にね。じゃあウチが好調な理由もわかったりするのかな。
そうですね、推測はできますよ。このあたりは比較的新しい住宅地ですよね。それも、30〜40代くらいが対象の集合住宅が多く建っている。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
うん、そうだね。ここ20年くらいで一気に開発が進んだよ。確かにそのタイミングで若い患者さんは増えたけど……でも、なぜコロナ禍でこうも新規が増えるんだろうか。
このあたりの住民は、都心まで通勤している人が多いでしょう?そこから考えると、好調の理由はズバリ、リモートワークですよ。
絹川
絹川
都心で働いている頃は、こっちに戻ってきてから病院に行こうと思っても、もう閉まってしまっている。だから職場の近くの病院に行くしかなかったんです。でも、リモートワークになったらどうでしょう。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
なるほど! わざわざ都心の病院に行くわけないね。家で働けるんだから、家の近くの病院に行くのが道理だ。
仰るとおりです。結果、地元の皆さんが先生の病院に集まるようになった。そういうことなんじゃないかと思いますね。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
なるほどねえ。……でも、ちょっと待てよ。っていうことはリモートワークが終わったらこの好調は終わり? どんどん患者さんが減っちゃうんじゃ……
まあ、コロナ禍はまだ長引きそうですし、そんなに心配することもありませんよ。とはいえ、前の状況に戻っても患者さんが減らない施策も、考えておいた方がいいでしょうね。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
え? そんな施策なんてあるの?
そうですね。ジャストアイデアですが、たとえば「夜間の無人診療BOX」なんてのはどうでしょう。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
夜間の無人診療BOX!? なんだいそれ。
また皆さんが都心に通勤し始めたら、こっちに帰ってきたらもう夜。先生の病院に行きたくても間に合いません。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
うん。それで?
そこで、病院の駐車場の一角に、電話BOXならぬ診察BOXを設置するんです。中にはモニターが置いてあって、夜でもオンラインで先生の診察を受けられるってシステムです。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
なんと!
診断内容に沿って先生が処方箋を作り、BOXにあるプリンタから出力。診察費をカード会計して、処方箋を持ってBOXを出る。そんなシステムです。これができたら、患者さんの流出を押さえられるんじゃないでしょうか。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
……ううむ、なんというか、自分の視野の狭さをまざまざと感じたぞ。そんな自由な発想で考えたことなんてなかった。いや、おもしろいね。
そうなんです。常識を取っ払って考えてみると、意外とできることって多いんですよ。さっきのアイデアも、いくつかの法律的な部分さえクリアすれば実現可能だと思います。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
そうなんだね。うん、ちょっと楽しくなってきた。またぜひ相談に乗ってほしいな。
もちろんです!
絹川
絹川

医療エンジニアとして多くの病院に関わり、お医者さんのなやみを聞きまくってきた絹川裕康によるコラム。


著者:ドクターアバター 絹川 裕康

株式会社ザイデフロス代表取締役。電子カルテ導入のスペシャリストとして、大規模総合病院から個人クリニックまでを幅広く担当。エンジニアには珍しく大の「お喋り好き」で、いつの間にかお医者さんの相談相手になってしまう。2020年、なやめるお医者さんたちを”分身”としてサポートする「ドクターアバター」としての活動をスタート。

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