第132回「夜だけ出現する幻のパン屋さんという小さなブルーオーシャン」

このコラムについて

小さなブルーオーシャン?
何だかよく分からないよ。ホントにそんなので商売が成り立つの?

と思っている方は多いのではないでしょうか。何を隠そう私もそのひとりでした。私は人一倍疑り深い人間なのです。そこで・・・私は徹底的に調べてみることにしました。小さなブルーオーシャンなんて本当にあるのか。どこに行けば見られるのか。どんな業種なら可能なのか。本当に儲かっているのか。小さなブルーオーシャン探求の中で私が見つけた答えらしきもの。それはきっとみなさんにとっても「何かのヒント」になるはずです。

「夜だけ出現する幻のパン屋さんという小さなブルーオーシャン」


「食品ロスを減らし、購入者は日替わりで様々なパンを楽しめる」

オフィス街である田町の夜。
行列ができている場所があります。
そこは「夜のパン屋さん」。

NPO法人ビッグイシュー基金が
2019年から取り組んできた
フードロスを削減して雇用をつくる
というプロジェクトだそうです。

様々なパン屋さんで
売れ残りそうなパンを集め、
夜に販売することで、
食品ロスを減らす。
一方、買う人は
様々なパン屋さんの味が楽しめる。

どこのお店のパンがあるかは
その日のお楽しみ。
ですが、このプロジェクトには、
パン好きにはたまらない
有名店も名を連ねており、
買う側も、一度で複数の
人気店のパンが買えるとあって、
冒頭のような行列ができるわけです。

現在では、神楽坂、田町駅、飯田橋と出店し、
各所で販売網を広げているのだとか。

ちなみに、売れ残りを安く売る
ということではなく、
こだわりの素材を使って
作られた食べ物は
きちんと対価を得るべき
という考えの元、
パン屋さんからパンを購入し、
そこに、販売員さんたちの支払いや
場所代などの諸経費を含めて
再販する仕組みだそうです。

パン屋さんはパンを売り切るために、
営業時間を延長したり、
無理な値引きをしたりする
必要はなくなるかもしれません。

買う人も、仕事帰りに
こだわりのパン屋さんまで
行かなくても、
買えるようになるかもしれません。

販売者という雇用が増え、食品ロスが減る。

誰も損をせず、みんなが楽しく満たされる、
非常に価値のあるビジネスモデルでは
ないかと思います。

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夜のパン屋さん

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佐藤 洋介(さとう ようすけ)
株式会社グロウスブレイン 代表取締役

大学(日本史専攻)を卒業後、人材コンサルティング会社に16年間勤務。ソフトウェア開発会社、採用業務アウトソーシング会社、フリーランスを経て、起業。中小企業の人材採用、研修に携わる一方で、大学での講義、求職者向けイベント等での講演実績も多数。人間の本質、行動動機に興味関心が強い。
国家資格キャリアコンサルタント、エニアグラムファシリテーター、日本酒ナビゲーター。

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