第186回「競争激化の中、女性の視点で差別化できたという小さなブルーオーシャン」

このコラムについて

小さなブルーオーシャン?
何だかよく分からないよ。ホントにそんなので商売が成り立つの?

と思っている方は多いのではないでしょうか。何を隠そう私もそのひとりでした。私は人一倍疑り深い人間なのです。そこで・・・私は徹底的に調べてみることにしました。小さなブルーオーシャンなんて本当にあるのか。どこに行けば見られるのか。どんな業種なら可能なのか。本当に儲かっているのか。小さなブルーオーシャン探求の中で私が見つけた答えらしきもの。それはきっとみなさんにとっても「何かのヒント」になるはずです。

「競争激化の中、女性の視点で差別化できたという小さなブルーオーシャン」


お湯を供給し貯蔵する給湯器は、家庭で不可欠な製品の一つとなりました。しかし、他の家電と同様に、機能面の充実、低価格化などが進んだ結果、差別化がむずかしくなった製品でもあります。その中で、株式会社コロナが出したエコキュートは、数ある製品の中から独自の特徴で注目を浴び、差別化をして成功しています。

女性技術者の視点

このエコキュートの開発者である諸橋徳子氏は、数少ない女性技術者の一人。もともと製造業ということもあるせいか、「重い物を持つのは男、お茶を持つのは女」的な歴史もあったそうです。しかし、会社も変化。“女性だから”優遇されたり冷遇されたりのない職場環境の中で、女性視点から、子どもの入浴安全を重視し、子育て世代の声を反映させた製品設計をしていったそうです。具体的な機能として、「ふろ自動一時停止」機能、音声モニター、入浴お知らせ機能などがあり、子供の安全を確保するための工夫がされているそうです。

諸橋徳子氏は実際に育児休暇中に「子どもにお湯が当たったらあぶないな」と思った経験からこの機能を思いついたそうです。
そこから、子ども向けの機能がお客様に本当に必要なのか、アンケートを取ったり、市場調査を行ったりして、入浴に関する困りごとを抽出。「子どもの安全」「時短」「操作が簡単であること」「入浴時に疲れを癒したい」の4つのニーズがあることを確信。子育て機能に加え、操作性もシンプルにしていったそうです。

結果として、キッズデザイン賞「子どもたちを産み育てやすいデザイン部門」を受賞。市場でのプレゼンスを高めることに成功したわけです。

女性視点での商品開発というのは、多々あります。それ以上に、女性技術者の視点というのがとても具体的なものでした。さらに言うと、付加価値というイメージからさまざまな機能をつけたがりますが、逆にシンプルにするという点も、まさに小さなブルーオーシャンなのではないかと思いました。

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エコキュート
URL https://www.corona.co.jp/eco/
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佐藤 洋介(さとう ようすけ)
株式会社グロウスブレイン 代表取締役

大学(日本史専攻)を卒業後、人材コンサルティング会社に16年間勤務。ソフトウェア開発会社、採用業務アウトソーシング会社、フリーランスを経て、起業。中小企業の人材採用、研修に携わる一方で、大学での講義、求職者向けイベント等での講演実績も多数。人間の本質、行動動機に興味関心が強い。
国家資格キャリアコンサルタント、エニアグラムファシリテーター、日本酒ナビゲーター。

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