コロナが来て、まああれこれあって
以前より若干緩和されたようではありますが、
電車の混雑が戻ったようです。
朝のラッシュにおける
ピリついた空気と圧迫感というのは
いずれ戻ってきてもらいたいインバウンドの皆様にも
一度は味わっていただきたいものです。
ところで、
そんなドキドキ空間を抜けた先、
通勤者が同じテンションで本業に取りかかるかというと、
もちろん所属の会社さん団体さんによりますが
そこまででないことの方が多いかと思います。
なんなら
最寄り駅に着いたら
どこかでブレイクポイントを設けて、
ゆったり構えて一日を始めたりします。
30分早く起きて
30分早く家を出て
平均化するともっと全体的にラクができるのはないか、
というのは誰でもわかることで、
いわゆるオフピークは長年ほそぼそと訴えられていましたが、
個別の、意識高い会社だけとかでなく
社会全体が実態的にシフトしたのが
コロナ契機なのはみなさまご承知のとおりです。
なぜみなさまは
かたくなにラッシュの電車に突っこんでいくのか。
昔から
「日本の電車は世界一正確である」
などと申します。
ほんとうに世界一であるのかは、
証明する根拠もすべもありはしませんが、
運行側、乗客側とも
時間厳守に対するコダワリはすさまじく、
もはや生真面目というより執着といっても過言ではありません。
しかし実際は
過密にならざるをえないダイヤのために
厳守を継続するのが難しいのも周知のとおり、
ちょっとしたことでたびたび3分遅れ、10分遅れ、
そして車内には淡々とお詫びのアナウンスが流れるのであります。
朝のラッシュの根本にあるのは、このような
電車というのは正確に運行されるものである
という、事実かどうかではなく
思い描かれた「あるべき姿」なのです。
われわれが
いつ乗ったら、いつ着かなくてはならない
という幻想を抱えているかぎり、
乗車率が劇的に緩和されることはなく、
ダイヤの乱れは発生しがちで、
そうした遅れに毎回みんなでなかよく殺気立つわけであります。