この対談について
健康人生塾の塾長にしてホリスティックニュートリション(総括的栄養学)研究家の久保さんと、「健康とは何か」を深堀りしていく対談企画。「健康と不健康は何が違うのか」「人間は不健康では幸せになれないのか」など、様々な角度から「健康」を考えます。
第19回 肉をガッツリ食べるのは、睡眠3時間前まで
第19回 肉をガッツリ食べるのは、睡眠3時間前まで
今日は「食事と睡眠」の関係についてお聞きしようかと思っています。私、常々不思議に感じていることがあって。「食べてすぐ寝ると、牛になるよ」って言われるじゃないですか。
確かに、昔からよく言いますよねぇ(笑)。
だから久保さんにお聞きしたくて。ズバリ、食べてすぐ寝るのは、体に良い・悪い、いったいどっちなんでしょうか?
そうですね。まず、牛に限らず動物が食べてすぐ寝るのには理由があって。消化をするのってものすごくエネルギーを使うんです。で、胃や腸に体中の血液が集まるから、他の器官に血液=酸素が行き渡りづらくなる。
あぁ、脳に運ばれる酸素も少なくなるから眠くなると。
仰る通りです。脳に酸素が少なくなるとボーッとしますし、体の動きも鈍くなるんです。それは人間も同じことで。食べてすぐに激しい運動はできないですよね(笑)。
確かに。じゃあ、これから仕事を頑張るぞという時にいきなり腹ごしらえからスタートするのは、間違っているということですね(笑)。
そうですね、最高のパフォーマンスは発揮できないかも(笑)。
ということは、食べた後に寝るというのは理に適っている。そういうことになりますか?
いえ、それはあくまでも昼間限定じゃないかなと。
え? 夜はダメなんですか?
健康について勉強をしていると、どんな文献にも食事は睡眠の3時間前までにすませるのがいいと書かれているんですよね。つまり胃の中をできるだけ空っぽにして眠りにつく方が、健康に良いんだと。
ほぉ、そうなんですね。食べてすぐに寝てそのまま朝までぐっすり熟睡、というのは逆に健康に悪いわけですか。
はい。夜の睡眠中は、疲労回復や、細胞の修復、細胞を新しく作り直すことなどにエネルギーを使ってあげるべきなんです。
胃や腸で消化する方でエネルギーを消耗するのは、もったいないと。
仰る通りです。それに胃の中に食べ物が残った状態で寝てしまうと、胃の中で食べ物の腐敗が始まることもあるそうです。
腐るんですか…それは嫌だなぁ(笑)。ちなみに食事後は、どのくらいの時間じっとしているのがベストなんでしょうか?
それはもう人にもよるし、食べる量にもよります。ただ一般的に、消化の良い野菜は30分ほどで消化されて、胃からなくなると言われています。
意外と速いんですね。他の食べ物はどうでしょうか?
パスタなどの炭水化物は1〜2時間、肉などのタンパク質は3〜4時間ほど、胃の中に滞在するそうです。
あぁ、そうか! 肉をガッツリ食べると胃がもたれるのは、それだけ長く消化に時間がかかるからだったんですね。
そうですそうです。胃の中に滞在する時間が長い食べ物ほど、胃を疲れさせてしまうんですよね。
じゃあ本当は肉などのタンパク質って、あんまり食べないほうがいいんでしょうか?
いえいえ、それは間違いです。タンパク質は体にとって大切な栄養素ですよ。体を作ったり修復する材料になりますし、消化酵素などのいろんな酵素も、全部タンパク質ですからね。
ああ、むしろ絶対食べなきゃダメですね(笑)。
そうですよ(笑)。ただ、必要な量は人によって違います。例えばプロスポーツ選手はしっかりと体を作るためにタンパク質を多く摂る必要があります。
逆に、デスクワークがメインの人はそんなに大量に肉を食べる必要がないってことですね。
ええ、そうなります。ご自身に合った適切な量であれば問題ありません。
なるほど。では、睡眠中に体が作られているということを考慮すると、夜の食事でしっかりタンパク質を摂って、それが胃で完全に消化されたあとに寝る。これが体にとって良さそうな気がしますね。
はい。私もそれが一番良いのかなと思います。
対談している二人
久保 光弘(くぼ みつひろ)
健康人生塾 塾長/ホリスティックニュートリション研究家
仙台出身、神奈川大学卒。すかいらーくグループ藍屋入社後、ファンケルへ。約20年サプリメントの営業として勤務後、2013年独立し「健康人生塾」立ち上げ。食をテーマにした「健康人生アドバイザー」としての活動を開始。JHNA認定講師・JHNA認定ストレスニュートリショニスト。ら・べるびい予防医学研究所・ミネラル検査パートナー。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。