vol.109【S氏の像|自分の写真を見るのが好きではない、本の著者Sさんの肖像画の場合】

 この記事について 

自分の絵を描いてもらう。そう聞くと肖像画しか思い浮かびませんよね。門間由佳は肖像画ではない“私の絵”を描いてくれる人。人はひとりひとり違います。違った長所があり、違った短所があり、違うテーマをもって生きています。でも人は自分のことがよく分かりません。だからせっかくの長所を活かせない。同じ失敗ばかり繰り返してしまう。いつの間にか目的からズレていってしまう。そんな時、私が立ち返る場所。私が私に向き合える時間。それが門間由佳の描く“私の絵”なのです。一体どうやってストーリーを掘り起こすのか。どのようにして絵を紡いでいくのか。そのプロセスをこのコンテンツで紹介していきます。

『S氏の像|自分の写真を見るのが好きではない、本の著者Sさんの肖像画の場合』

 

「私は普段、自分の写真を見るのが好きではありません。おそらく、写真が十分に正確ではないからでしょう。でも、門間さんが描いてくれた肖像画を見るのは楽しいと思います」

Sさんの感想です。
正確とはなんでしょうか?写真なら、映しとっているのだから正確だと普通考えます。しかし、Sさんにとっては違いました。実は、外面は正確でも、内面は正反対に映しとられていました。

一方、「門間さんの描いた私は、正確でありながら、私がなりたいと思う最高のものをもたらします。」とSさんはニコニコしました。

私には、ビジョンクリエイター/画家として独自の肖像画についての考えがあり、【肖像画は生きるためにあるもの】と考えています。

一般的に、肖像画とは、特定の人物に似せてその顔や姿を描いた絵のことを言います。英語が身近になった現代の日本では、ポートレートportraitという言い方もよく使われます。直接モデルを見ながら写実的に描くこと、つまり姿形をありのままにうつしとって描くだけでなく、写真等の補助的な材料に基づいて制作されることもあります。

像画の歴史は古代エジプト、ギリシア、ローマまで遡ることができます。しかし、肖像画が美術の重要な領域を占めるのはルネサンス以降と一般的に言われます。日本には平安末期から鎌倉時代の似絵 (にせえ)など独特のものもありました。似絵は公家(くげ)、武家で用いられ、単独像はもとより、群像として描かれたものもあり、顔の個性的表現に重点が置かれていました。

一方、私が描く肖像画は、描かれた人にインスピレーションを与えるのも大切な役割です。Sさんは、肖像画が「より良い人間になるためにはどうすればよいかを教えてくれます」と言いました。その「より良い人間になるための教え」は、単に良い行いではなく、将来なりたい自分の在り方を鮮明に思い浮かべられることを指します。明るい未来の姿を思い描くと、自然にその方向に行動する確率が高くなります。いきたい方向へと行動する機会を増やすことは、ワクワク、楽しい毎日を送る秘訣です。

だから、肖像画を描くときは、どういう未来を思い描きたいか?なぜそこに行きたいのか?心の底からの動機は?など、丁寧に聴きます。カッコよく描くのは絵のほんの一部の役割で、本当に大切なのは【生きるために】必要なイメージは何か?だと考えているのです。

なお、単純なポジティブマインドを高めるには、自撮りが有効、という実験報告があります。明治大学法学部の堀田秀吾教授によると、カリフォルニア大学アーバイン校の研究にて、毎日笑顔の自撮りを繰り返すによって、ポジティブマインドになっていくというのです。

明治時代に写真はありましたが、じっと動かないでプロに撮影してもらい、写真が出来上がるのは後日でした。今では自分で気軽に何枚でも撮って、瞬時に観ることができるので、上記の実験をすぐに試すこともできます。

遠い昔から、人は顔に興味を持ってきたのです。特に、自分自身の顔がどう見えるか?は、気になるものです。Sさんだけでなく、私たちは「この写真、私じゃない」と、感じることがよくあります。自分で思っているよりカッコよかったり、キレイだったりするのは気分がいいですが、「写真写りが悪い」とがっかりすることもあります。

Sさんの場合は、日本で、英語の先生として皆を引っ張っていくので、日本人が想像する外国人像、ビビットな印象なおしゃれで、明るいイメージにがっかりしていました。
実はSさんは、「和」の雰囲気が大好きです。まるで東洋人のように自然との一体感、が心地よいのです。写真は、姿形を正確に表しているのだけど、正反対の内面を表していたので、がっかりしたのです。

私の描く肖像画は、何よりも本人のためにあります。絵を見ることで、その人が望む幸せを手に入れてほしい。自分の幸せに向かっているという楽しさを実感してほしい。と願いを込めて、一対一で、絵の内容を丁寧に整理していきます。

そして、完成した肖像画は、

「I usually don’t like looking at photo of myself/ Maybe It’s because they are not accurate enough. But I think I will enjoy looking at the painting that Monmasan made for me. While it is accrate it bring the best of whon I hope to be. It inspire me and make me what to be a better person I will treasure this painting fer the rest of my life.」

「私は普段、自分の写真を見るのが好きではありません。おそらく、写真が十分に正確ではないからでしょう。でも、もんまさんが描いてくれた絵を見るのは楽しいと思います。それは正確でありながら、私がなりたいと思う最高のものをもたらします。それは私にインスピレーションを与え、より良い人間になるためにはどうすればよいかを教えてくれます。この絵は私の残りの人生の宝物になります。」

絵の中のSさんのように、穏やかで楽しい笑顔を引き出したのです。

今回完成した作品 ≫『S氏の肖像』

 

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 著者の自己紹介 

ビジョンクリエイター/画家の門間由佳です。
私にはたまたま経営者のお客さんが多くいらっしゃいます。大好きな絵を仕事にしようと思ったら、自然にそうなりました。

今、画廊を通さないで直接お客様と出会い、つながるスタイルで【深層ビジョナリープログラム】というオーダー絵画を届けています。
そして絵を見続けたお客様から「収益が増えた」「支店を出せた」「事業の多角化に成功した」「夫婦仲が良くなった」「ずっと伝えられなかった気持ちを家族に伝えられた」「存在意義を噛み締められた」など声をいただいています。

人はテーマを意識することで強みをより生かせるようになります。でも多くの人は自分のテーマに気がついていません。ふと気づいても、すぐに忘れてしまいます。

人生

の節目には様々なテーマが訪れます。

経営に迷った時、ネガティブになりそうな時、新たなステージに向かう時などは、自分のテーマを意識することが大切です。
また、社会人として旅立つ我が子や、やがて大人になって壁にぶつかる孫に、想いと愛情を伝えると、その後の人生の指針となるでしょう。引退した父や母の今までを振り返ることは、ファミリーヒストリーの貴重な機会となります。そして、最も身近な夫や妻へずっと伝えられなかった感謝を伝えることは、絆を強めます。そしてまた、亡くなった親兄弟を、残された家族や友人と偲び語らうことでみなの気持ちが再生されます。

こういった人生の起点となる重要なテーマほど、大切に心の中にしまいこまれてカタチにしづらいものです。

でも、絵にしてあげることで立ち返る場所を手に入れることができます。

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