このコラムについて
「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。
本日のお作法/戻っても良い組織
大手であっても若手人材の採用が簡単ではない時代。そこかしこから、「インターン採用、リファラル採用、アルムナイ採用」などのお話を伺います。
特に最近では、「一度退社した社員を再雇用する『アルムナイ(卒業生)採用』が活性化」しており、先日大手各社の人事が集うコミュニティにて、その現状を教えていただきました。
背景には「慢性的な人材不足」が挙げられ、「交流型」と「採用直結型」の2種類があるようですが、以下の流れが一般的な様子。
1.「復職条件」を決めておく
2.「再雇用制度」があることを知らせる
3. 退職者向けに「情報発信」をする
4. 退職者も参加できる「イベント」を開催する
5.「多様な雇用形態」を用意する
6.「アルムナイ採用」につなげる
このような取り組みを導入することで、「縁」を切らすことなく「自社のファン」でいてもらえることもメリットとなるのです。
最近では「三菱重工業」さんが、「カムバック採用」をスタートし、半年もたたないうちに登録者が数百名を突破し、「いくつもの内定」を出せたとのことで、「キャリア採用に苦戦」していた同社にとっては新たな「採用ルートの構築」に繋がっているようです。
大手各社で「復帰した方の声」を聞いてみますと、
・新卒入社で、「もともと愛着」もあったけど、外を知ってみて改めて良さがわかった!
・「当然、恩義」を感じるので、それに報いたいな!
など、再入社した時の「エンゲージメント」は強まる傾向にあるようです。
一方で、
・出戻り社員も「中途採用者」ではあるので、制度として「オンボーディング」は必要と感じる、、
・「出戻りだから勝手は分かっているよね?」で済まされることもあり、プレッシャーも感じる、、
などの声も聞こえますので、確かにしっかりとした「フォローも重要」なようです。
ところで、「プロ野球」に目を向けてみますと、
リーグ優勝15回。9度の日本一にも輝いてる「西武ライオンズ」には、12球団で「唯一、OB会が存在しない」のです。
その理由はわかりかねますが、OB会が存在しないことは現役選手のチームへの「帰属意識を希薄」にしているのかもしれません。
実際に、12球団断トツの多さでフリーエージェント(FA)にて、毎年のようにエースや四番バッターなどの主力選手が「他球団に移籍」しています。。
そんな同球団ですが、つい先日「球団史上初のOB戦」を開催し、かつての名選手たちが楽しそうに交流する機会を見せてくれましたが、幼少期からのファンであるタカマツにとっては、嬉しい時間であったのであります。
長年、主力選手の流失に頭を悩ませていたライオンズですが、近年は2017年オフに「松井稼頭央さん(現監督)」、2019年オフには「松坂大輔さん」が古巣へ復帰。さらに、2018年オフに巨人へFA移籍し、その後移籍した楽天を戦力外となっていた「炭谷銀仁朗さん」が今年、6年ぶりに復帰したなど、「功労者を呼び戻す」流れも見えつつあります。
数多の名選手を輩出してきた常勝球団だけに、「アルムナイ体制」を構築できれば、黄金期再来も夢ではないのかもしれません。
「今後の組織運営は『戻っても良いかもなぁ』と思わせることにポイントがあるのかも!」なんて考えながら、もはや大手の採用状況よりは、贔屓の球団の今後を妄想しまくった時間でありましたとさ。