第61回 漢字が書けなくても、経営者として成功できた秘密

この対談について

「日本一高いポスティング代行サービス」を謳う日本ポスティングセンター。依頼が殺到するこのビジネスを作り上げたのは、壮絶な幼少期を過ごし、15歳でママになった中辻麗(なかつじ・うらら)。その実業家ストーリーに安田佳生が迫ります。

第61回 漢字が書けなくても、経営者として成功できた秘密

安田

これまでの対談で中辻さんはよく「漢字が書けない」ということを仰っていますよね。本当に全然書けないんですか?


中辻

はい、書けないです(笑)。ただ、本はよく読んでいるので、漢字の「読み」は問題ないと思うんですけど。

安田

ああ、なるほど。「読めるけど書けない」わけですね。最近は文字を書く機会が減っていることもあって、中辻さんと同様の若者が多い印象があります。


中辻

確かにそうかもしれないですね。全部スマホで済んじゃいますし。

安田

そういえば最近、百貨店で買い物したときに領収書をもらおうとしたんです。「宛名は安田事務所でお願いします」と伝えたら、お店の方が「事務所」と漢字で書けない。ちょっと驚いちゃいまして。


中辻

…私もたぶん、事務所の「ジ」しか書けないと思います(笑)。

安田

笑。まぁ、かく言う私もいざ書いてみようとしたら、「事務所のムって、どういう字だっけ?」と一瞬手が止まったんですけどね(笑)。でもそう考えると、仕事をする上で「事務所」と書けなくても、特に差し障りはないんですよね。


中辻

そうですね。スマホでもパソコンでも、漢字は勝手に変換されて出てきますし。変換ミスにさえ気をつければ大丈夫でしょうね。

安田

そうですよね。ちなみに私も昔から漢字には苦労しているんですよ。


中辻

そうなんですか? それはどんな?

安田

漢字だけじゃないんですけど、英単語とか年表とか、いわゆる「暗記モノ」がすごく苦手なんです。学生時代、追試を避けるためにノートに何度も何度も書いて練習するんですけど、次の日になると記憶がリセットされていましてね(笑)。


中辻

あはは(笑)。そういえば私も、娘の学校関係の書類を書く時、本当に苦労しましたね。

安田

ああ、なるほど。学校の書類って基本全部手書きだから、「変換」ができないですもんね(笑)。


中辻

そうなんですよ(笑)。何も考えずに書き進めたら、全部ひらがなになってました(笑)。ああ、それで言うと保育園時代の連絡帳もひどかったですよ。「きのうのよるは、ねつがありました」みたいに、ぜーんぶひらがな。たぶん安田さんが想像している以上に、私は漢字が書けないです(笑)。

安田

笑。そういう私も、中辻さんが想像できないくらい、字が下手なんですけどね(笑)。たぶん小学校低学年の子よりも下手だと思います(笑)。…それにしても、漢字にしろ字の上手い下手にしろ、日本は「社会人マナー」に厳しい気がしませんか?


中辻

わかる気がします。敬語とかもそうですよね。

安田

そうそう。中辻さんが社会人として働き始めたのは17〜8歳でしたよね? 当時から敬語はちゃんと使えていました?


中辻

自分なりには頑張っていたつもりですけど、今考えればだいぶおぼつかないレベルだったと思いますね(笑)。そもそもホテルの面接を受けた時に、母のことを平気で「ママ」と言っていたくらいですから(笑)。

安田

ああ、そうでしたね(笑)。そこからどうやって「社会人マナー」を身につけていったんですか? 正しい知識を学ぶ機会があったんでしょうか?


中辻

そうだなぁ…。やっぱりたくさん本を読んだことですかね。それこそ安田さんの本も全部読みました!

安田

それはありがとうございます(笑)。


中辻

私、紙の書籍ももちろん好きなんですが、基本はAmazonのKindleで読むんです。あれはすごく便利で、アプリ上で読めない漢字とかわからない語句を長押しするだけで、すぐに調べられるんです。

安田

ああ、わかります。すごく便利ですよね!


中辻

そうなんですよ。紙の本だと「なんとなくこういう意味なのかなぁ」と素通りしてきた言葉も全部調べられるので、すごく深く読めるようになりました。漢字の読みも曖昧にしなくてすみますし。

安田

なるほどなるほど。敬語にしろ漢字にしろ「実践あるのみ」で身につけてこられたわけですね。ちなみに中辻さんは、今の若者にどの程度の社会人マナーを求めますか?


中辻

うーん、どうかなぁ…。「文章を組み立てたり書いたりする能力」は必要かな。

安田

ほう。というと?


中辻

例えばウチの仕事は、企業様やお客様にメール連絡をする事も多いんです。そういう時、しっかりとした日本語が使えない子には任せられないですよね。

安田

ああ、なるほど。日本語自体がちょっと微妙な人、いますもんね。


中辻

ええ。あと最近って、お店を運営するならInstagramやTikTokのようなSNS活用が必須じゃないですか。そういう時にも文章力は必要になってくるので。大げさに言うと、文章が書けないと何の仕事もできないんじゃないかなと思いますね。

安田

確かにそういう時代ですよね。では敬語はどうでしょう? 仕事をする上で、やっぱり必要だと思います?


中辻

そうですね。お仕事の場で初対面から「タメ語」で話されたりすると、「大丈夫かしら、この人?」とは正直思ってしまいますね。でも、正しい言葉遣いかどうかというより、相手に不快感を抱かせない喋り方ができればいいようにも思います。

安田

ああ、確かに。


中辻

それで言うと私、「飯(めし)食った」って言う人、あんまり好きじゃないんですよ。せっかくの美味しいご飯なのに「飯」とか言わんといて〜って(笑)。

安田

そう言えば私もお尻のことを「ケツ」って言う人に、「お尻って言いなさい」ってよく言っていました(笑)。


中辻

そういう「雑な言葉遣い」って、人間性が出てしまうと思うんですよね。なのでやっぱり、誰が聞いても気持ち良い言葉遣いをしていたいなと。

安田

なるほどなぁ。社会人マナー云々というより、相手の気持ちを慮ることが重要なんですね。

 


対談している二人

中辻 麗(なかつじ うらら)
株式会社MAMENOKI COMPANY 専務取締役

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1989年生まれ、大阪府泉大津市出身。12歳で不良の道を歩み始め、14歳から不登校になり15歳で長女を妊娠、出産。17歳で離婚しシングルマザーになる。2017年、株式会社ペイント王入社。チラシデザイン・広告の知識を活かして広告部門全般のディレクションを担当し、入社半年で広告効果を5倍に。その実績が認められ、2018年に広告(ポスティング)会社 (株)マメノキカンパニー設立に伴い専務取締役に就任。現在は【日本イチ高いポスティング代行サービス】のキャッチコピーで日本ポスティングセンターを運営。

安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 

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