この記事について
自分の絵を描いてもらう。そう聞くと肖像画しか思い浮かびませんよね。門間由佳は肖像画ではない“私の絵”を描いてくれる人。人はひとりひとり違います。違った長所があり、違った短所があり、違うテーマをもって生きています。でも人は自分のことがよく分かりません。だからせっかくの長所を活かせない。同じ失敗ばかり繰り返してしまう。いつの間にか目的からズレていってしまう。そんな時、私が立ち返る場所。私が私に向き合える時間。それが門間由佳の描く“私の絵”なのです。一体どうやってストーリーを掘り起こすのか。どのようにして絵を紡いでいくのか。そのプロセスをこのコンテンツで紹介していきます。
『【対画 メディテーション絵画「軽やかに」】|厳密さと曖昧さを行き来する』
絵画を鑑賞するだけでは、もったいない。
絵画には、ドラえもんのように「どこでもドア」があります。世界と自分、両方をひらけます。
ドラえもんは、ご存知ですか?科学が発達した現代でも、ドラえもんは世界で大人気です。大人でもなんらかの形で触れているのではと思います。
ドラえもんのお話は、フィクションなので矛盾することがたくさんありますが、人を惹きつけます。生き物である人間は、人はいろんな矛盾を抱えて生きているので、整然とした機械社会が進む中で、「どこでもドア」は、輝き続けるでしょう。
美術でも「どこでもドア」を開けることができます。それは、人類全体からあなた一人まで様々な開け方があります。ちょっと壮大に感じますが、わかってしまえば簡単で、例えば、過去の時代で世界各国を切り取ると、人の多様性を見つけられます。
世界各国の美術は、同じ時代でも場所によって全く異なります。例えば、「モナリザ」を描いたレオナルド・ダ・ヴィンチが活躍したルネサンス時代の日本は、室町時代から戦国時代。戦国時代では、武将たちの間で茶の湯が流行していました。当時のモナリザの神秘的な微笑を味わうヨーロッパの人と、茶色く地味な茶碗に夢中になる武将たち。全く違うものに美を感じる背後には、違う生活、思想、文明があったことを知ることができます。
一方、オーダー絵画のプロセスを使って「どこでもドア」をちょっと開いてみることは、自分自身の「どこでもドア」を開けることにつながります。
ちょっと風変わりな画家として、その「ドア」の開け方を伝えたいと、いつも思うのです。
オーダー絵画のためのセッションをしていると、
「いつの間にか自分がこんな風に考えられるとわかってびっくりした」
クライアントが驚くことがよく起こります。
門間という画家と話をしていて自分の中にある考えが見つかるのは、なぜだろう?
いくつか理由が思い浮かぶのですが、一つには、クライアントと私の頭の中身の違い。私もクライアントも、一緒に社会に生きているのに、まるで違う。セッションで話す内容に、まるで、【異文化の視点】がクライアントの頭の中に流れ込むのです。
これに明確に気がついたのは、都立大学の理系の研究室でオーダー絵画のプロセス研究をするようになってからです。なぜ都立大にいるのか説明すると長くなるので、別の機会にしますが、科学のベースでは「数字で測れないものはない」と境界線を引きます。引かないと、皆に共有できる一般的なものにならないからなのですが、例外は省かれたりします。
学校や会社などでも、あまりに数が少ないものは一般的でないからと省かれたりすることがあると思いますが、これは、科学的な考え方が土台になっています。効率的に物事を推し進めるには、良いのです。しかし、自分自身、にもこの考え方を当てはめてしまうと、自分自身の中にあるのに「省いて」しまうことが起こります。
毎日まいにちの心の中では、揺れ動く心があります。矛盾する考えも浮かびます。
行動や結果も、効率や論理にはほど遠いことがたくさんあります。
でも、人間は、生き物なので、数字では測れない、時には矛盾するほどの振れ幅を持っていて良いのです。そこから、一人ひとりのかけがえのない時間が生まれているからです。
数字には測れないものをすくい上げるのが、私の見方であり、考え方です。
その見方や考え方で、絵のオーダーのお話を聴いていると
「いつの間にか自分がこんな風に考えられるとわかってびっくりした」
クライアントが驚くことが起きます。
一般的な見方や考え方と違う、画家の見方や考え方でその方のお話を聴いて、言葉でなげ返すことは、ドラえもんのどこでもドアのような、異次元の扉を開けるようです。
その方の語るエピソード一つ一つを、丁寧にお聞きしている中で、
「それぞれの出来事に、白か黒か、と線引きしなければいけないと思っていたけれど、
その間に無数のグレーがあって、それが全部ありなのだと気づいた瞬間に、世界が広がった」
というときは、科学的な一般論ではなく、個人のかけがえのない扉が一枚開いたのです。
絵の中に、その人だけのかけがえのないたくさんのイメージを込めて描きあげたい。
今日の作品は、画家としての感性や考えを磨くために日々描くドローイングの一枚です。
今回完成した作品 ≫『対画 メディテーション絵画「軽やかに」|厳密さと曖昧さを行き来する』
著者の自己紹介
ビジョンクリエイター/画家の門間由佳です。
私にはたまたま経営者のお客さんが多くいらっしゃいます。大好きな絵を仕事にしようと思ったら、自然にそうなりました。
今、画廊を通さないで直接お客様と出会い、つながるスタイルで【深層ビジョナリープログラム】というオーダー絵画を届けています。
そして絵を見続けたお客様から「収益が増えた」「支店を出せた」「事業の多角化に成功した」「夫婦仲が良くなった」「ずっと伝えられなかった気持ちを家族に伝えられた」「存在意義を噛み締められた」など声をいただいています。
人はテーマを意識することで強みをより生かせるようになります。でも多くの人は自分のテーマに気がついていません。ふと気づいても、すぐに忘れてしまいます。
人生
の節目には様々なテーマが訪れます。
経営に迷った時、ネガティブになりそうな時、新たなステージに向かう時などは、自分のテーマを意識することが大切です。
また、社会人として旅立つ我が子や、やがて大人になって壁にぶつかる孫に、想いと愛情を伝えると、その後の人生の指針となるでしょう。引退した父や母の今までを振り返ることは、ファミリーヒストリーの貴重な機会となります。そして、最も身近な夫や妻へずっと伝えられなかった感謝を伝えることは、絆を強めます。そしてまた、亡くなった親兄弟を、残された家族や友人と偲び語らうことでみなの気持ちが再生されます。
こういった人生の起点となる重要なテーマほど、大切に心の中にしまいこまれてカタチにしづらいものです。
でも、絵にしてあげることで立ち返る場所を手に入れることができます。