2011年に採用ビジネスやめた安田佳生と、2018年に採用ビジネスをやめた石塚毅による対談。なぜ二人は採用ビジネスにサヨナラしたのか。今後、採用ビジネスはどのように変化していくのか。採用を離れた人間だけが語れる、採用ビジネスの未来。
第312回「東京都が作ったマッチングアプリ」
少子化の最大の問題は「結婚しない人が増えてる」ことだと言われていまして。
実際そうだと思います。結婚したらほとんどの人は子供を作るので。
なので東京都が「マッチングアプリ」を運営するそうです。
いいですね。それ。
「結婚したいけど相手がいない」という人に向けて、東京都が無料でやっちゃいましょうと。
素晴らしい。
百合子さん、なかなか先進的ですよね。成功するかどうかはわからないですけど。
マッチングアプリだけじゃなく、そこに介在するマッチンガーが必要でしょうね。
マッチンガー?つまり昔で言うところの「近所の世話焼きおばちゃん」みたいな人?
そう。お見合いおばさん。その機能をしっかりつけてあげると成約率は高くなると思う。
人が介在した方がいいってことですか。
直接のコミュニケーションが難しい人もいるじゃないですか。仲人を通して「もっとこうした方がいいよ」ってアドバイスしてあげる。
なるほど。
大事な部分を代わりに伝えてあげたり、「あの人、実はこういうところがあるのよ」って教えてあげたり。
背中を押してほしい人もいるでしょうね。
そうそう。もう無理やり手を繋げるとか、そういうちょっとお節介な存在。でもちゃんと経験値を持ったお見合いエージェントというか、お見合いおばさんというか。
いいですね。
そういう人に大量発注すれば婚姻数は増えると思います。
システムだけじゃなく人間も介在させてマッチングしていくと。
AIマッチングとアナログのマッチングを組み合わせて。でも、さすが百合子さんだ。やっぱり結婚すれば子供は生まれますからね。
そうなんですよ。結婚したい人はたくさんいるんですけど出会いがないというか。
結婚する意思がない人もいるでしょうけどね。今は金銭的なリスクを考えすぎるから。
金銭的には2人で暮らした方が安上がりじゃないですか。家賃を負担しあえば。
普通はそう思うんだけど。「とても子供を産めるほどではない」って思っちゃうんじゃないですか。
子供を作らないなら「結婚しなくていいや」って思うんですかね。
そういう人もいるでしょう。けど「結婚したいけどできない」って人もいるから。マッチングアプリ+大量のお見合いおばさんを東京都が用意して。どんどんお世話を焼いちゃう。
出会いを作ってあげて、お見合いおばさんが間を取り持ってあげて、背中を押してあげて。
男性も女性もコミュニケーションできない人が増えてるから。恋愛から結婚に繋がるコミュニケーションのやり方をちゃんと教える人を用意した方がいい。
ネットの書き込みを見てると「お金がないから子供を産まない」って人が多いんですけど。それだけが原因じゃないんでしょうね。
それだけが原因とは考えられないですね。東京都でさえ出生率が1を切っているわけですよ。やりようによっては増やしていけると思います。
マッチングアプリ+お見合いおばさんを大量に投入して。
家の購入に関しても空き家リフォームの助成金を出してあげて。リノベさせてどんどん住まわせる。家が手に入ったらそんなにお金かかんないから。
なるほど。
東京都は今年度から私立高校の授業料を実質無償化にしたんですよ。小池百合子さん。
そうなんですか。
はい。東京は財源もありますから。そうするとローンも抱えなくて、私立高校でも行かせられる。
いいですね。
結婚して何が不安かっていうとこの二つなんですよ。ローンが払えない。子供の教育費を出せない。
確かにそうですね。都内は家賃も高いし。
ちなみに安田さん今25歳だとしたら結婚しますか。
25歳ではしないかもしれませんが。結婚はするでしょうね。子育ては楽しいし。石塚さんはどうですか?
するでしょうね。家庭を持つことの楽しさとか、もうちょっと共有してもいいんじゃないかなって思います。1人はたしかに楽だけどね。でも家族もいいもんですよ。
石塚毅
(いしづか たけし)
1970年生まれ、新潟県出身。前職のリクルート時代は2008年度の年間MVP受賞をはじめ表彰多数。キャリア21年。
のべ6,000社2万件以上の求人担当実績を持つ求人のプロフェッショナル。
安田佳生
(やすだ よしお)
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。