第312回「東京都が作ったマッチングアプリ」

この記事について

2011年に採用ビジネスやめた安田佳生と、2018年に採用ビジネスをやめた石塚毅による対談。なぜ二人は採用ビジネスにサヨナラしたのか。今後、採用ビジネスはどのように変化していくのか。採用を離れた人間だけが語れる、採用ビジネスの未来。

前回は 第311回「人口移動で消滅する街」

 第312回「東京都が作ったマッチングアプリ」 


安田

少子化の最大の問題は「結婚しない人が増えてる」ことだと言われていまして。

石塚

実際そうだと思います。結婚したらほとんどの人は子供を作るので。

安田

なので東京都が「マッチングアプリ」を運営するそうです。

石塚

いいですね。それ。

安田

「結婚したいけど相手がいない」という人に向けて、東京都が無料でやっちゃいましょうと。

石塚

素晴らしい。

安田

百合子さん、なかなか先進的ですよね。成功するかどうかはわからないですけど。

石塚

マッチングアプリだけじゃなく、そこに介在するマッチンガーが必要でしょうね。

安田

マッチンガー?つまり昔で言うところの「近所の世話焼きおばちゃん」みたいな人?

石塚

そう。お見合いおばさん。その機能をしっかりつけてあげると成約率は高くなると思う。

安田

人が介在した方がいいってことですか。

石塚

直接のコミュニケーションが難しい人もいるじゃないですか。仲人を通して「もっとこうした方がいいよ」ってアドバイスしてあげる。

安田

なるほど。

石塚

大事な部分を代わりに伝えてあげたり、「あの人、実はこういうところがあるのよ」って教えてあげたり。

安田

背中を押してほしい人もいるでしょうね。

石塚

そうそう。もう無理やり手を繋げるとか、そういうちょっとお節介な存在。でもちゃんと経験値を持ったお見合いエージェントというか、お見合いおばさんというか。

安田

いいですね。

石塚

そういう人に大量発注すれば婚姻数は増えると思います。

安田

システムだけじゃなく人間も介在させてマッチングしていくと。

石塚

AIマッチングとアナログのマッチングを組み合わせて。でも、さすが百合子さんだ。やっぱり結婚すれば子供は生まれますからね。

安田

そうなんですよ。結婚したい人はたくさんいるんですけど出会いがないというか。

石塚

結婚する意思がない人もいるでしょうけどね。今は金銭的なリスクを考えすぎるから。

安田

金銭的には2人で暮らした方が安上がりじゃないですか。家賃を負担しあえば。

石塚

普通はそう思うんだけど。「とても子供を産めるほどではない」って思っちゃうんじゃないですか。

安田

子供を作らないなら「結婚しなくていいや」って思うんですかね。

石塚

そういう人もいるでしょう。けど「結婚したいけどできない」って人もいるから。マッチングアプリ+大量のお見合いおばさんを東京都が用意して。どんどんお世話を焼いちゃう。

安田

出会いを作ってあげて、お見合いおばさんが間を取り持ってあげて、背中を押してあげて。

石塚

男性も女性もコミュニケーションできない人が増えてるから。恋愛から結婚に繋がるコミュニケーションのやり方をちゃんと教える人を用意した方がいい。

安田

ネットの書き込みを見てると「お金がないから子供を産まない」って人が多いんですけど。それだけが原因じゃないんでしょうね。

石塚

それだけが原因とは考えられないですね。東京都でさえ出生率が1を切っているわけですよ。やりようによっては増やしていけると思います。

安田

マッチングアプリ+お見合いおばさんを大量に投入して。

石塚

家の購入に関しても空き家リフォームの助成金を出してあげて。リノベさせてどんどん住ませる。家が手に入ったらそんなにお金かかんないから。

安田

なるほど。

石塚

東京都は今年度から私立高校授業料実質無償化にしたんですよ。小池百合子さん。

安田

そうなんですか。

石塚

はい。東京は財源もありますから。そうするとローンも抱えなくて、私立高校でも行かせられる。

安田

いいですね。

石塚

結婚して何が不安かっていうとこの二つなんですよ。ローンが払えない。子供の教育費を出せない。

安田

確かにそうですね。都内は家賃も高いし。

石塚

ちなみに安田さん今25歳だとしたら結婚しますか。

安田

25歳ではしないかもしれませんが。結婚はするでしょうね。子育ては楽しいし。石塚さんはどうですか?

石塚

するでしょうね。家庭を持つことの楽しさとか、もうちょっと共有してもいいんじゃないかなって思います。1人はたしかに楽だけどね。でも族もいいもんですよ。

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石塚毅
(いしづか たけし)
1970年生まれ、新潟県出身。前職のリクルート時代は2008年度の年間MVP受賞をはじめ表彰多数。キャリア21年。
のべ6,000社2万件以上の求人担当実績を持つ求人のプロフェッショナル。

安田佳生
(やすだ よしお)
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。

 

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