“生粋の商売人”倉橋純一。全国21店舗展開中の遊べるリユースショップ『万代』を始め、農機具販売事業『農家さんの味方』、オークション事業『杜の都オークション』など、次々に新しいビジネスを考え出す倉橋さんの“売り方”を探ります。
第70回 ビジネスの成功の秘訣は賞味期限の見極めにあり

倉橋さんがXで仰っていた、「食品以外の商材にも賞味期限がある」という話ついて詳しく聞いてみたくて。食品ならもちろん賞味期限があって、それまでに売りきらなくてはいけないというのはわかるんですが、リユース商品にも鮮度があるんですか?

ええ。子ども同士で取り合いになったり、盗難事件に発展したりもして、社会問題になりましたよね。

ええ。実際、日本の市場は非常に厳しかったです。ですからひとまず外国での販売ルートに乗せたりして、なんとかさばいたんですけれど。ともあれ、こういうトレンド食品というのは、一度陳腐化してしまうとなかなか厳しいですね。

万代では専任のバイヤーが常に予測を立てているんです。多かれ少なかれブームの兆候があるので、それを見逃さないように。

ははぁ、バイヤーの方がそれぞれの商品ごとに「これはそろそろブームが来そうだな」とか「このブームは来月くらいに終わりそうだな」みたいに判断してるわけですね。ちなみにエンタメ商材以外でも「商品が腐る」ということはあるんですか?

ああ、確かに誰もがユニクロのフリースを着てるような状態でした。その頃に比べたら見かけなくなりましたね。でも、じゃあ皆が何を着ているかって、ユニクロの新商品なわけですよね。つまり自分で新たなブームを作っているというか。

仰るとおりです。顧客のニーズに合った商品をしっかり用意できるかどうかが、小売業で成功と失敗を分けるポイントでしょうね。トレンドの収束を見極めつつ、次のトレンドを予測して準備を進めておく。それが少しでも遅れると、ビジネスとしては大きな痛手になってしまうので。

仕入れなどの判断は任せていますが、きちんとロジカルにアプローチができていたのであれば、当然ですが個人に責任を問うことはありません。そもそも任命責任はこちらにあるわけですから。ただ、うまくいった時もうまくいかなかった時も、「必ず共有しよう」とは話しています。

ええ。ちょうど今の時期は年末商戦真っ只中で、数ヶ月前に立てた予測の答えが出てくるころですから、一番緊張するタイミングかもしれませんね。アニメでもゲームでも、毎年必ず何かしらのヒットは出てくるので。
対談している二人
倉橋 純一(くらはし じゅんいち)
株式会社万代 代表
株式会社万代 代表|25歳に起業→北海道・東北エリア中心に20店舗 地域密着型で展開中|日本のサブカルチャーを世界に届けるため取り組み中|Reuse × Amusement リユースとアミューズの融合が強み|変わり続ける売り場やサービスを日々改善中|「私たちの仕事、それはお客様働く人に感動を創ること」をモットーに活動中
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。