この記事について
自分の絵を描いてもらう。そう聞くと肖像画しか思い浮かびませんよね。門間由佳は肖像画ではない“私の絵”を描いてくれる人。人はひとりひとり違います。違った長所があり、違った短所があり、違うテーマをもって生きています。でも人は自分のことがよく分かりません。だからせっかくの長所を活かせない。同じ失敗ばかり繰り返してしまう。いつの間にか目的からズレていってしまう。そんな時、私が立ち返る場所。私が私に向き合える時間。それが門間由佳の描く“私の絵”なのです。一体どうやってストーリーを掘り起こすのか。どのようにして絵を紡いでいくのか。そのプロセスをこのコンテンツで紹介していきます。
『自分美学』を生きる ~ メディテーション絵画に込められた人生のストーリー 自分らしい生き方への憧憬
「ひとは誰でも畳の上で大往生をとげたいと願っているだろう。家族か知人に見守られて静かに死んでゆきたいと考えるだろう。一生に一度、死というものから脱けきれない以上、その死を平和なものにしたいと願うのは当然である。しかし、私は、雪と氷に閉ざされた山岳地帯で、あるいは流氷の浮かぶ海の果てで死にたいと願っている」
これは日本の動物文学作家・戸川幸夫の言葉です。動物への深い観察と知識をもとに独自の文学世界を築いた明治生まれの作家は、世間の常識よりも自分の内なる声に従って生きることを選んだ人でした。
戸川にとって原始の世界が持つ魅力は何物にも代えがたく、たとえ苦しい雪道で倒れても、たった一人取り残されても構わないと言い切ることができました。自分を生きる── 自分の美学を生きる。 生き方から死に方まで、自分だけのストーリーを紡いだ人だったのです。
絵画に宿った「自分美学」の物語
このような「自分美学」を体現する方に、オーダー絵画をお描きする機会をいただいたことがあります。
ご依頼者は人生経験豊かな女性で、最初は偶然の出会いから始まった関係でした。
初対面の交流会でお会いした後、お茶を重ねるうちに意気投合。その方が主催される会にお招きいただいた際、なぜか目が合うたびに理由もなく笑いがこみ上げてくるという不思議な体験をしました。上品で凛とした佇まいの方だったので最初は戸惑われましたが、最終的には「きっと前世でもお友達だったのでしょうね」ということになり、長いお付き合いが始まりました。
絵画への想い
数年のお付き合いを重ねたある日、突然こんなリクエストをいただきました。
「絵を描いていただきたいと思ったの。持ち歩ける軽い絵で、バッグに入れて持ち運べるようにできるかしら?」
手帳サイズでアクリル板に保護した持ち運び可能な作品をご提案すると、とても喜ばれて「どんな絵かは全てお任せします。完成したら、ゆっくりお茶を飲みながら絵を見てお話しするのを楽しみにしています」
とワクワクした表情でおっしゃいました。
絵画が見つけた居場所
しかし、完成した絵画をお渡しした後、予想外のご連絡をいただきました。
「あのね、絵を仏壇に置いたら、そこに根が生えてしまったの。持ち歩く絵じゃなくて、仏壇が定位置の絵だったわ」
持ち歩くために制作された絵画は、結果的に仏壇に鎮座し、毎日の暮らしを静かに見守る存在となったのです。これはまさに、自分の感覚を大切にして行動される、その方らしい言葉でした。
人生の締めくくりまで「自分らしく」
最期まで、その方は自分らしさを貫かれました。
お葬式やお墓、後片付けまで全てご自分で準備され、人生の最後まで主体的に歩まれたのです。
戸川幸夫と同じように、自分を生きる── 生き方から死に方まで、自分だけのストーリーを持った人 でした。
メディテーション絵画が紡ぐ新たなストーリー
以前から制作を続けているメディテーション絵画ですが、この深い体験を通じて、作品の持つ本当の意味や力をより深く理解することができました。
メディテーション絵画には単なる装飾以上の意味があります。
それは見る人それぞれの人生のストーリーと響き合い、「自分美学」を見つめ直すきっかけとなる存在です。そして今回の体験により、絵画が人生の重要な場面で果たす役割の大きさを実感しています。
絵画を前にした静かな時間の中で、あなたも自分らしい人生のストーリーを思い描いてみませんか。誰かの期待や常識に縛られることなく、心の奥底にある本当の想いに耳を傾ける── そんな瞑想的な時間を大切にしていただけたらと思います。
メディテーション絵画について詳しくお知りになりたい方は、お気軽にお問い合わせください。あなたの「自分美学」を表現する作品づくりのお手伝いをさせていただきます。
著者の自己紹介
ビジョンクリエイター/画家の門間由佳です。
私にはたまたま経営者のお客さんが多くいらっしゃいます。大好きな絵を仕事にしようと思ったら、自然にそうなりました。
今、画廊を通さないで直接お客様と出会い、つながるスタイルで【深層ビジョナリープログラム】というオーダー絵画を届けています。
そして絵を見続けたお客様から「収益が増えた」「支店を出せた」「事業の多角化に成功した」「夫婦仲が良くなった」「ずっと伝えられなかった気持ちを家族に伝えられた」「存在意義を噛み締められた」など声をいただいています。
人はテーマを意識することで強みをより生かせるようになります。でも多くの人は自分のテーマに気がついていません。ふと気づいても、すぐに忘れてしまいます。
人生
の節目には様々なテーマが訪れます。
経営に迷った時、ネガティブになりそうな時、新たなステージに向かう時などは、自分のテーマを意識することが大切です。
また、社会人として旅立つ我が子や、やがて大人になって壁にぶつかる孫に、想いと愛情を伝えると、その後の人生の指針となるでしょう。引退した父や母の今までを振り返ることは、ファミリーヒストリーの貴重な機会となります。そして、最も身近な夫や妻へずっと伝えられなかった感謝を伝えることは、絆を強めます。そしてまた、亡くなった親兄弟を、残された家族や友人と偲び語らうことでみなの気持ちが再生されます。
こういった人生の起点となる重要なテーマほど、大切に心の中にしまいこまれてカタチにしづらいものです。
でも、絵にしてあげることで立ち返る場所を手に入れることができます。