第90回 「仕事ができる人」の時間の使い方

この対談について

「日本一高いポスティング代行サービス」を謳う日本ポスティングセンター。依頼が殺到するこのビジネスを作り上げたのは、壮絶な幼少期を過ごし、15歳でママになった中辻麗(なかつじ・うらら)。その実業家ストーリーに安田佳生が迫ります。

第90回 「仕事ができる人」の時間の使い方

安田

私のお客さんにWebの広告運用に力を入れたいという方がいたので、先日、中辻さんにご紹介させていただきましたよね。


中辻

ええ、ありがとうございます。安田さんにご紹介していただいたこともあって、初めての打ち合わせの時はめちゃくちゃ緊張してました(笑)。

安田

え、そうだったんですか? 全然そうは見えませんでしたよ。結構、大胆な提案をしていたじゃないですか。「今のやり方では効果は出ないので、抜本的に変えるべきです」みたいな。


中辻

そうですね。あれを言うのはかなり勇気が必要でしたが、幸いなことにお客様も受け入れてくださったので、あとはしっかり結果を出すだけですね。

安田

なるほどなるほど。実は私、中辻さんがあそこまで広告運用について詳しいとは思っていなかったんですよ。中辻さんのメインの仕事は「チラシ屋さん」なわけで。Web広告やオンラインでの集客に関する知識など、こんなに詳しかったのか、と正直びっくりしました。


中辻

いやいやいや…まだまだですよ(笑)。

安田

何をおっしゃいますか。お客さんからのいろんな質問や疑問点に、あれだけ理路整然とわかりやすく返信をしてくれる人はなかなかいないと思いますよ。というか、中辻さんってすごく忙しいはずなのに、いったいいつ「新しい知識」を勉強しているのか不思議でしょうがないんですよね。


中辻

私の場合、実際にお仕事をしながら学んでいる部分が大きいと思います。自分がわからないことは素直に「わかりません。教えて下さい」って言っちゃって、教えてもらうんです。そうやって基本的な知識を得たあと、自分の時間を使ってプラスアルファを調べていくこともしますけどね。

安田

自分の時間というのは、プライベートな時間のことですか?


中辻

うーん…まぁそういうことになりますね。ただ私自身は「時間って24時間365日ぜんぶ使える」と思っているんですよ。昼間できなければ夜やればいいやん、と。そういう意味では、起きている時間はすべて仕事のことに使っているので、「プライベートな時間」というわけでもないのかもしれません。

安田

やはりそうですか。私も昔『できる人できない人』という本の中で書いたんですが、多くのビジネスマンって会社で仕事していれば仕事ができるようになると思っていて。でも例えばプロスポーツ選手は、試合以外の時間も練習していますよね?


中辻

確かにそうですね。そうしないと試合でも活躍できませんしね。

安田

そうそう。でもサラリーマンはなぜか「練習」をしないのに「仕事ができる」と思っている人が多い。本当に仕事ができる人っていうのは、自分の時間を削ってでもスキルアップの時間に費やしているんですよ。まさに今の中辻さんのように。


中辻

そんなに大層なことをしているつもりはないんですけどね(笑)。でもお店のOPENもあって、確かに今はすべての時間を仕事に使っています。平日の夜も土日も、完全に仕事のことを忘れる時間はないというか。…もちろんこんな働き方、社員にはさせられませんけどね(笑)。

安田

なるほど、経営者だから「ブラック環境」でも問題ないというわけですね(笑)。


中辻

ええ(笑)。社員には絶対に強要できませんね(笑)。

安田

笑。ちなみにその紹介したお客さんですが、かなりたくさん中辻さんに質問されてたじゃないですか。


中辻

そうですね。たくさんご質問いただけたので、できる限り誠実にお答えさせていただきました。

安田

本当に忍耐強く対応してらして、さすがだなぁと思ったんですよ。私だったら途中で絶対「もうめんどくさいので、この仕事はナシで…」なんて言っちゃいそうでした(笑)。


中辻

笑。でも私にとっては、そういった細かなやりとりも含めて、すごく楽しいんですよね。特に今回ご紹介いただいたお客様ってWeb広告に関する知識をかなりお持ちなので、やりとりがすごくスムーズなんですよ。

安田

へぇ、じゃあ中にはもっと大変なお客さんもいるってことですか?


中辻

そうですね。例えば塗装屋さんとか大工さんのような、いわゆる「一人親方」のような社長さんだと、「画像の素材をください」ってお願いしても、「画像ってどうやって送ればいいの?」って聞かれたりして(笑)。

安田

なるほど、そこから説明しなきゃいけないのか。それは確かに大変だ(笑)。


中辻

そうそう(笑)。とはいえ私は基本的にどんなお客様に対しても「ご要望を汲んだ上でプラスアルファの提案をする」ようにしているんです。だからどんな細かな要望でも、どんどん投げかけていただきたいですね。

安田

じゃあグイグイくるようなお客さんの方が、中辻さんとしてはやりやすいと?


中辻

はい。というか、熱量高く言ってきてくださるほうが、結果的にいいものができると思っていて。お互い、同じ熱量でいろんなアイディアや提案を出し合って、どんどんブラッシュアップさせていく。そういう仕事をしたいと思っています。

安田

なるほどなぁ。じゃあ中辻さんにお仕事を依頼したい方はぜひ、熱い想いをどんどん中辻さんにぶつけてください、というわけですね(笑)。

 


対談している二人

中辻 麗(なかつじ うらら)
株式会社MAMENOKI COMPANY 専務取締役

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1989年生まれ、大阪府泉大津市出身。12歳で不良の道を歩み始め、14歳から不登校になり15歳で長女を妊娠、出産。17歳で離婚しシングルマザーになる。2017年、株式会社ペイント王入社。チラシデザイン・広告の知識を活かして広告部門全般のディレクションを担当し、入社半年で広告効果を5倍に。その実績が認められ、2018年に広告(ポスティング)会社 (株)マメノキカンパニー設立に伴い専務取締役に就任。現在は【日本イチ高いポスティング代行サービス】のキャッチコピーで日本ポスティングセンターを運営。

安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 

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