「日本一高いポスティング代行サービス」を謳う日本ポスティングセンター。依頼が殺到するこのビジネスを作り上げたのは、壮絶な幼少期を過ごし、15歳でママになった中辻麗(なかつじ・うらら)。その実業家ストーリーに安田佳生が迫ります。
第91回 自信満々に見える、その裏側は…

前回の対談では、私が中辻さんにご紹介したお客様のお話をしましたが、実はあの会社の社長さんに「中辻さんってすごく自信満々な方なんですね」って言われたんですよ(笑)。

いやいや、その社長さんも全然マイナスに思っていたわけではなくて、単に「なんであんなに自信満々に提案してくれるんだろう」ということが不思議だったみたいです(笑)。とはいえ私もそこは気になっていて。だって「自信満々に見せること」って、ある意味プレッシャーにもなるじゃないですか。

うーん…たぶん私自身が「自信満々に言ってくれる人」の方が好きだからですね。ベニエ屋さんの開店準備でもいろんな業者さんとやりとりしましたけど、最終的に頼むのはいつも「僕に任せてください! 絶対になんとかしてみせます!」って言ってくれる会社さんで。

演技はしてないつもりですけど(笑)。ただハキハキ喋るようにはしています。ふにゃふにゃした喋り方だと自信がないように見られちゃうので。でも私も『日本ポスティングセンター』の創業当初は、全然今みたいな感じじゃなかったですけどね(笑)。

はい(笑)。『日本ポスティングセンター』を立ち上げた時は、せっかく電話で見積もり依頼をもらってもすごく申し訳無さそうに「すみません、ウチは少し高くて…1枚10円からで…」って言ってましたよ(笑)。自分たちの商品単価に自信が無かったんですよね。

そうだと思います。もっとも、さっきの話じゃないですが、ただ自信満々な態度であればいいわけじゃなくて。自信を裏付けるだけの知識や経験があってこそなんですよね。なので昔は、自信が無いからよく値引きをしてましたね。お客さんから高いと言われる前に「お安くしておきます」って言ってしまう。

要はちゃんとお客様に価値を提供できるっていう自信がなかったんですよね。だから予防線を張るようにすぐ値引きして。でも今は、しっかりと効果を出せるような知識や経験があるので、そういうものに頼る必要がなくなったんです。
対談している二人
中辻 麗(なかつじ うらら)
株式会社MAMENOKI COMPANY 専務取締役
1989年生まれ、大阪府泉大津市出身。12歳で不良の道を歩み始め、14歳から不登校になり15歳で長女を妊娠、出産。17歳で離婚しシングルマザーになる。2017年、株式会社ペイント王入社。チラシデザイン・広告の知識を活かして広告部門全般のディレクションを担当し、入社半年で広告効果を5倍に。その実績が認められ、2018年に広告(ポスティング)会社 (株)マメノキカンパニー設立に伴い専務取締役に就任。現在は【日本イチ高いポスティング代行サービス】のキャッチコピーで日本ポスティングセンターを運営。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。