母から受け継いだ指輪をネックレスに、片方なくしたピアスをペンダントに、思い出の詰まった2つのリングを溶かして1つに――。魔法のようにジュエリーを生まれ変わらせるジュエリー修理・リフォーム専門店「Refine」(リファイン)。代表の望月信吾さんに、お客様に感動を届けるジュエリーリフォームの魅力、そして波乱万丈な人生についてお聞きする対談企画です。
第42回 「修理屋」ではなく「パートナー」へ。

今日はあらためて、Refineと他の店舗ビジネスの違いをお聞きしたいなと。というのも、初めて望月さんにお話を聞いたときから、「これは特別な仕事だな」と感じていて。適性のある人とっては、まさに天職になる仕事なんじゃないかと。

ありがとうございます。ビジネス形態として見れば、靴修理やクリーニング店と似ているとは思うんです。壊れたものを修理・リフォームするという共通点もありますし。ただ他と一番違うのは、「定価が決まっていないこと」ですよね。それに「同業他社が少ない」という利点もある。

ああ、なるほど。値段を自分たちでコントロールできるのは大きいですよね。同業他社が少ないのも、魅力的なビジネスモデルの特徴だと思います。ただね、先ほど「これは特別な仕事だ」と言ったのは、そういう利点だけ考えて進出しても、全員がうまくいくとは思えないんですよ。ノウハウだけ学べばいい仕事じゃないんだろうなって。

ああ、確かにそれはそうですね。大手チェーンのようなマニュアル化されたサービスとはかなり違うかもしれない。やはりジュエリーに関する専門知識が求められますし、一人ひとりのお客様の想いに寄り添う姿勢も必要になる。

ふーむ、なるほど。特に後者のことを考えると、「ジュエリー修理のプロがやればうまくいく」という話でもないんでしょうね。望月さんのように、知識とコミュニケーション力を兼ね備えた人じゃないとできなさそうです。

そうですよね。デザインのセンスも大切ですが、お客さんの気持ちに真剣に向き合う気持ちがないと、本当に満足いただけるジュエリーリフォームはできない。やっぱりなかなかに独特な業態だと思いますよ。大手チェーンの靴修理店やクリーニング店とは全然違うというか。

そうでしょうね。お客さんにとっては「修理をしてくれる」人じゃなく、「リフォームを相談できるパートナー」のような存在なんじゃないでしょうか。実際に手を動かすのは職人さんでも、頼りにされるのはリフォームアドバイザーだったりする。

そうですね。中には特にリフォームの用事がなくても来店してくれて、世間話をして帰っていくお客様もいらっしゃいますから(笑)。そういう意味で考えると、前回話した「夫婦でRefine」というのはすごくいいかもしれませんね。商売ではありますが、お茶飲み友達もたくさんできるので(笑)。

私はまさにそこに注目しているんです。Refineはお客さんが一度にたくさん押し寄せるようなお店ではないので、夫婦で交代しながら自由な時間を作ったり、生活との両立もしやすいじゃないですか。それでいて、好きな宝石やデザインに触れながら仕事ができる。これはいいですよ。
対談している二人
望月 信吾(もちづき しんご)
ジュエリー工房リファイン 代表
25歳で証券会社を退社後、父親の経営する宝石の卸会社に入るが3年後に倒産。その後独立するもすぐに700万円の不渡り手形を受け路頭に迷う。一念発起して2009年に大塚にジュエリー工房リファインをオープンして現在3店舗を運営。<お客様の「大切価値」を尊重し、地元に密着したプロのサービスを提供したい>がモットー。この素晴らしい仕事に共感してくれる人とつながり仕事の輪を広げていきたいと現在パートナー募集中。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。