第92回 給料の格差を生む「会社を稼がせる力」とは?

この対談について

住宅業界(新築・リフォーム・不動産)の「課題何でも解決屋」として20年以上のキャリアを持つ株式会社ランリグが、その過程で出会った優秀な人材を他社に活用してもらう新サービス『その道のプロ』をスタートしました。2000名以上のスペシャリストと繋がる渡邉社長に、『その道のプロ』の活用方法を伺う対談企画。

第92回 給料の格差を生む「会社を稼がせる力」とは?

安田

前回は「お金儲け」についてお話しましたけど、今日は「雇われている人のお金儲け」、つまり「給料」にフォーカスしたいなと。経営者でも稼ぐのが上手な人とそうでない人がいますが、社員も同じだと思うんです。


渡邉

確かに給料が高い人は、どこに行ってもある程度の給料がもらえてるイメージですね。安い人はその逆で、どこに行っても安い給与で働いているというか。

安田

そうですよね。でも、そもそも給料が安いのはなぜなんですかね。何が足りないんでしょう。


渡邉

うーん、「新しいものを生み出していない」ってことじゃないですかね。給料が安い人って、言われた仕事をこなすだけのような、同じところをぐるぐる回っているような印象があります。職場を変えても働き方は同じだから、ずっと給与は上がらない。

安田

なるほど。それでいうと、私は大企業と中小企業で、給料が上がる仕組みがだいぶ違うと思っていて。大企業だと、まず「入社」というハードルを超えないといけない。その後も社内での出世競争を勝ち抜くスキルや社内政治力が求められる。こうしたスキルがないと、なかなか高収入を得るのは難しいでしょう?


渡邉

確かに。大企業では成果を出すだけではなく、組織の中でうまく立ち回る能力も重要視されますよね。

安田

そうそう。一方、中小企業で給料を上げていく人は「会社を稼がせる人」なんじゃないかと。具体的には、売上を劇的に伸ばしたり、新しいビジネスチャンスを生み出すことで、会社に直接的な利益をもたらす人ですね。


渡邉

ははぁ、なるほど。確かに会社の売上を伸ばしてくれる社員は、経営者としても絶対に手放したくないですからね。

安田

そうなんです。例えば中小企業で実際に売上を3倍にしたら、その人が辞めると会社全体が困る。そういう結果を出せる人ほど、年収も自然と上がっていくわけです。


渡邉

その点、大企業だとむしろルールを守って与えられた課題をきっちりこなすほうが評価されやすい。むしろ革新的なことをすると嫌がられちゃったりするじゃないですか。学校のテストで、まだ習ってないやり方で解いても点数がもらえないのと似てますね(笑)。

安田

そうそう(笑)。大企業は枠組みがしっかりしている分、イレギュラーを嫌う傾向がありますよね。 それに比べて、中小企業はルールがあってないような部分もあるので、「会社に稼がせたもん勝ち」という空気があると思うんです。


渡邉

ふむふむ。確かにそうですね。

安田

しかもこれからは、「人不足で困っているけど待遇はいい中堅企業」がどんどん出てくると思うんです。必ずしも大企業を目指す必要はなく、こうした企業で転職を繰り返してキャリアを積めば、給料もどんどん上がっていくでしょう。

渡邉

なるほど。それも「給料を上げる方法」の一つですね。行く先々で会社を稼がせて、それによって自分の市場価値を上げていくと。

安田

そういうことです。ちなみに私は、給料の高い人と安い人の一番の違いは「この会社はどうやって儲けているのか」を理解しているかどうかだと思っています。そこを理解して、さらに利益を生む形に変えられる人は、どこに行っても重宝されるんですよ。


渡邉

構造がわかるからより儲ける方法がわかるわけですね。とはいえそれって口でいうほど簡単じゃないような。

安田

そうなんですよ。そういう能力がある人は、そもそも自分で起業もできちゃうんです。そこがまた難しいところなんですけど(笑)。


渡邉

そんな人を会社に繋ぎ留めるには、どうしたらいいんでしょうね。待遇はもちろんですが、下手をすると社長よりも高い給料が必要になるんじゃないですか?(笑)

安田

そうですね。それこそ会社の株を3〜4割持たせて共同経営者のようにしたり、実質的な社長になってもらうとか、大胆な方法が必要だと思います。


渡邉

ああ、なるほど。確かに上場企業じゃなくても、利益が出ていれば配当という形で収益を得られるし、将来的にM&Aがあれば大きなリターンも期待できますもんね。

安田

そうなんです。利益のほとんどをオーナー社長が抱え込んでいるような形だと、優秀な人材ほど会社を離れていくでしょうね。


渡邉

そうですよね。安田さんから以前そのお話を聞いて、ランリグでは数年前から利益配分をオープンにして、貢献度に応じて報酬を決める仕組みにしたんです。社員も業務委託も同じ配分で。

安田

へぇ〜それは素晴らしい。優秀な人がより稼げる環境になれば、独立するメリットと会社に留まるメリットのバランスが取れて、優秀な人材が抜けにくくなりますから。

渡邉

そうですね。これからの時代、会社と社員が「一緒に稼ぐパートナー」として進化していくのが理想だと思います。

 


対談している二人

渡邉 昇一(わたなべ しょういち)
株式会社ランリグ 代表取締役

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1975年、大阪市に生まれる。大学卒業後、採用コンサルティング会社ワイキューブに入社。同社の営業、マーケティングのマネージャー、社長室長及び、福岡などの支店立上げを担当し、同社の売上40億達成に貢献した。29歳の年に株式会社ラン・リグを設立し、今期20期目。述べ900社以上の住宅会社のマーケティング、人材コンサルティング支援と並行し、500店舗以上が加盟するボランタリーチェーン「センリョク」など、VC、FC構築にも多数携わる。また、自身が司会を務め、住宅業界の経営者をゲストに招き送る自社のラジオ番組は、6年間で、延べ300回以上の配信を経て、毎月2万人以上の業界関係者が視聴する番組に成長した。今年5月には、2000人以上のプロ人材とのネットワークを生かした~社長の右腕派遣サービス~【その道のプロ】を本格リリース。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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