GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道
今週は記事を変えて、「車産業」についての2025年予想がForbesに掲載されていたので、読んでみたいと思います。
今週の記事はこれ。
Global Automotive Outlook: Predictions For 2025
(自動車産業の展望:2025年予測)
https://www.forbes.com/sites/sarwantsingh/2025/01/13/global-automotive-outlook-predictions-for-2025/
下記の8つのトレンドがあげられています。
(ランキングではなく、一覧としてのリストという感じです)
1. EVs and Global Car Sales Will Run Out of Juice
2. Hybrids Will Take the Spotlight
3. Software-Defined Vehicles (SDVs) Will See High Demand
4. Driverless Vehicles Will Be the Future of Connected Cars
5. Chinese EV Brands Will Rule the Light Vehicle Segment
6. Luxury Car Sales Will Skyrocket Over the Next Few Years
7. Integrated Powertrains Will Be Standard in Electric Vehicles of the Future
8. New business models – Multi Cycle Leasing and Energy Services – Will Offer Carmakers New Revenue Streams
「1. EVs and Global Car Sales Will Run Out of Juice」から順に見ていきます。
1. EVs and Global Car Sales Will Run Out of Juice
(EVと世界の自動車販売台数は力尽きる)
The biggest bet my team is making is on EV slowdowns. Just a few years ago, EVs were the talk of the automotive industry. However, EV sales, once skyrocketing, are now experiencing a slowdown—global electric light vehicle sales are expected to reach 18.7 million in 2025 from 17.4 million units in 2024, at a mere 7.4% growth YoY. Compare this to last year’s growth of around 48%, and you’ll understand the gravity and extent of the slowdown.
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私のチームが行っている最大の賭けは、EVの減速である。ほんの数年前まで、EVは自動車業界の話題の的だった。EVの世界販売台数は、2024年の1740万台から2025年には1870万台に達すると予想され、前年比成長率はわずか7.4%だ。昨年の成長率約48%と比較すれば、減速の深刻さと程度が理解できるだろう。
Forbesの編集・取材チームが「EVは減速する」ことにBETしているようですw
表現としても「Run Out of Juice(電池切れになる)」と言う非常に皮肉った表現になっていますね。EVの電池切れとマーケットの成長力切れを掛けているわけですね。「賭けている」し「掛けている」と言う感じです(笑)
成長力切れの要因としてはトランプ大統領の政策をあげています。
In the US, Trump’s mission to roll back strict vehicle emission standards and end the current USD 7,500 EV tax credit will make electric cars less affordable for many consumers and increase sales of combustion engine vehicles. This is reflected in the fact that EV sales in the US are expected to grow at a measly 6.7% in 2025.
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米国では、厳しい自動車排出ガス規制を撤回し、現行の7,500米ドルのEV税額控除を廃止するというトランプ大統領のミッションにより、多くの消費者にとって電気自動車が購入しにくくなり、内燃エンジン車の販売が増加する。これは、2025年の米国のEV販売台数がわずか6.7%の成長しか見込めないという事実にも反映されている。
トランプ大統領は「EVに与える減税を廃止」したり、「EV関連の助成を撤廃」したり、「ガソリン車への排ガス規制を撤廃」したり、というような「アンチEV施策」を進めるとされています。
これによって従来型の「内燃エンジン車」を購入することが相対的に有利になるので、マーケットの力関係が変わるよね、と言う話ですね。
ちなみに、テスラにとっても「向かい風」なわけですが、イーロン・マスク氏が政権中枢に入り込んでいるので、「結局テスラだけは不利にならない仕様」になるんでしょうかね。
いずれにしても「EVの成長が鈍化する」という話でした。
本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。
小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
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