人は何のために働くのか。仕事を通じてどんな満足を求めるのか。時代の流れとともに変化する働き方、そして経営手法。その中で「従業員満足度」に着目し様々な活動を続ける従業員満足度研究所株式会社 代表の藤原 清道(ふじわら・せいどう)さんに、従業員満足度を上げるためのノウハウをお聞きします。
第62回 1000万円を稼ぐために必要な3つの思考

私は今、「日本人の所得の中央値を1000万円にする」という目標を掲げてますけど、1000万円を稼ぐためのポイントっていくつかあると思うんです。「これさえあれば絶対稼げるぞ」という。

まず1つ目は「自責思考」であること。つまり他人のせいにしない。次に、柔軟に考えること。これによって、一つの物事に執着せずに済みます。そして3つ目が「仕事とのマッチング」だと思うんです。

仰る通り、「自責思考」が全ての始まりと言ってもいいですよね。でも実際は、日本人は他責思考の方が多い気がして。例えば経営者でも、最低賃金が上がると「これでは会社がやっていけない」「人を雇えない」と嘆いたりするじゃないですか。

そうなんですよ。経営の格言で「ポストが赤いのも社長の責任」という言葉がありますけど、これは社長だけじゃなく、全ての人に当てはまると思うんです。「ポストが赤いのも自分の責任だ」という前提に立てれば、年収1000万円なんて簡単に達成できるんじゃないかなと。

ああ、なるほど。つまり、年収1000万円への近道は、「自責思考」と「利他主義」に戻ることだと。でもどうすればそこに戻れるんでしょう。藤原さんだったら、社員にその感覚を持ってほしい時どう伝えます?

そうだなぁ。「自責思考」や「利他的な考え方」が素晴らしいんだよ、とそのまま伝えてもなかなか響かないでしょうね。だから「そういう思考を持った方が、あなた自身も得をするんだよ」という言い方をするかな。
対談している二人
藤原 清道(ふじわら せいどう)
従業員満足度研究所株式会社 代表
1973年京都府生まれ。旅行会社、ベンチャー企業を経て24歳で起業。2007年、自社のクレド経営を個人版にアレンジした「マイクレド」を開発、講演活動などを開始。2013年、「従業員満足度研究所」設立。「従業員満足度実践塾」や会員制メールマガジン等のサービスを展開し、企業のES(従業員満足度)向上支援を行っている。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。