第65回 「子どもを産まない」遺伝子が淘汰される?

この対談について

人は何のために働くのか。仕事を通じてどんな満足を求めるのか。時代の流れとともに変化する働き方、そして経営手法。その中で「従業員満足度」に着目し様々な活動を続ける従業員満足度研究所株式会社 代表の藤原 清道(ふじわら・せいどう)さんに、従業員満足度を上げるためのノウハウをお聞きします。

第65回 「子どもを産まない」遺伝子が淘汰される?

安田

最近、ホリエモンが「少子化はこうやって終わる」という独自の理論を展開していたんですけど、それがものすごく興味深くて。ホリエモンも子どもがいるらしいんですけど、子育てがすごく嫌いなんですって。


藤原

あら、そうなんですね。

安田

それを公言してるからいろんな人から責められるんだけど、表立って言わないだけで「面倒くさい」って思ってる人は絶対多いはずだと。でも確かに、私も今はこの歳で5歳児を育ててるから結構楽しいんですけど、若い頃は家族で旅行に行っても、「早く仕事に戻りたい」って思ってしまってたんですよね。


藤原

まぁ実際、仕事を頑張りたい時期と子育てって、年齢的に重なりがちですからね。

安田

そうそう。で、ホリエモン曰く、最近は子育てより自分の人生を優先する人も増えてきていて、そういう人たちは子どもを作らないから、最終的には「子どもを産まない」という選択をする遺伝子が淘汰されていくんじゃないかと。


藤原

は〜、なんとも興味深い考え方ですね。確かに「子どもを産まない」っていう遺伝子は継承されようがないですもんね。

安田

そうなんです。「自分を優先する」人の遺伝子がいずれマイノリティになって、少子化は終わる可能性がある、なんて言ってて。


藤原

確かに理にかなっているとは思いますけど。でも「子育てしたい」って遺伝子がそもそもあるのか、それが遺伝するのかって疑問は湧きますね。

安田

最近では「努力ができる遺伝子」というのが発見されたらしいですよ。努力できるかどうかも最初から決まってるという話で。そう考えると「子育てをしたい」遺伝子もありそうじゃないですか。


藤原

確かに(笑)。ともあれ、個人的にはその「努力ができる遺伝子」の方が気になりますね。努力って本人の気持ちというか、頑張りによって発生するものだと思ってました。

安田

それが一般的な考え方ですよね。だからこの話を聞いた人の多くが「そんなはずはない!今の自分があるのは頑張ったからなんだ!」と言いたくなってしまう(笑)。遺伝子のおかげだと言われても認めたくないというか。


藤原

そうでしょうね(笑)。でも本当にそれが事実なら、「工夫できる遺伝子」とか「アイデアを出す遺伝子」とかもあるのかもしれませんね。

安田

ああ確かに(笑)。でもそういう遺伝子を生まれつき持っていない人は大変ですよね。頑張りたくても頑張れなかったり、必死で頑張っているつもりなのに報われなかったり。


藤原

そう考えると「頑張ったら報われた」というのは、すごくラッキーなことなのかもしれませんね。

安田

ちなみに私自身、努力するのがすごく苦手な人間なんです。親も兄弟も皆努力家なのに、私だけが学校の先生に「努力が足りない」と怒られてしまう。「努力できるのも才能なんですよ」って返したらもっと怒られましたけど(笑)。


藤原

それは怒られるでしょうね(笑)。でも気持ちはすごくわかります。私も似たような子どもだったので。ただ、自分の好きなこととか興味のあることなら、自然と頑張れちゃったりもしませんでした?

安田

確かに、振り返ってみるとそういうことも多々ありましたね。つまり「汎用的な努力遺伝子」はなかったけど、「個別に発動する努力遺伝子」はあったのかもしれません。


藤原

そういうことなんでしょうね。安田さんも私も学校が合わなかっただけで。

安田

むしろ学校では「頑張らないことを頑張っていた」ような気がします。「こんなやりたくないこと、絶対にやるもんか!」という強い意思があったというか(笑)。


藤原

そうですよね(笑)。私も押し付けられた勉強は大嫌いでしたけど、自分の熱中できることは勝手に頑張ってましたから。

安田

ちなみにどうですか、冒頭の「子どもが大好き、育てたい」という遺伝子の話ですが、そういう遺伝子を持つ人が増えたら出生率は上がるんでしょうかね。


藤原

うーん、どうなんでしょうね。そうなったらいいですけど、個人的には難しい気がしますね。「子育てしたいから子どもを作ろう」とロジカルに判断している人ばかりじゃないと思いますし。

安田

まぁねぇ。「子育てには興味ないけど、子どもができちゃった」なんて人も、少なからずいるでしょうからね。


藤原

そうですね。例えば先進国よりも途上国の方が子どもが多かったりもしますし、遺伝よりも環境の影響のほうが強いんじゃないかな、というのが私の考えです。

 


対談している二人

藤原 清道(ふじわら せいどう)
従業員満足度研究所株式会社 代表

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1973年京都府生まれ。旅行会社、ベンチャー企業を経て24歳で起業。2007年、自社のクレド経営を個人版にアレンジした「マイクレド」を開発、講演活動などを開始。2013年、「従業員満足度研究所」設立。「従業員満足度実践塾」や会員制メールマガジン等のサービスを展開し、企業のES(従業員満足度)向上支援を行っている。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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