「オモシロイを追求するブランディング会社」トゥモローゲート株式会社代表の西崎康平と、株式会社ワイキューブの代表として一世を風靡し、現在は株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表および境目研究家として活動する安田佳生の連載対談。個性派の2人が「めちゃくちゃに見える戦略の裏側」を語ります。
第70回 境目研究家がトゥモローゲートの社長になったら

今日はちょっと私の聞きたいテーマで話せればと思うんですが、もしも安田さんが今、トゥモローゲートの社長になったら、まずやることって何かなっていうのが気になって(笑)。

はい。できるだけ全員の話を聞いて、「どういう会社で、みんながどこに向かいたいのか」を把握するかな。で、それが昨日まで西崎さんがやっていたこととズレていないんだったら、何も変えないんじゃないですかね。

仕事内容も聞くと思いますよ、もちろん。それプラス、その仕事を通じて「本人がどうなりたいのか」。その会社が目指しているところと一致しているかどうか。そこは確かめますよね。でないと、何かを変えた瞬間に誰もいなくなっちゃう可能性がある(笑)。

そうですねぇ、「いい人材が抜けていっていないか」を確認するかもしれない。もしそういう事実があるなら、もうこれ以上辞められちゃわないようあれこれ工夫をするでしょうね。先日の話でも出ましたけど、雇用契約か業務委託化を選べるようにするとか。

なるほどなるほど。ただそういった改変って、伝え方次第でものすごく拒絶反応が出そうですよね。「もっと自由な働き方を実現するため、皆さんを業務委託にします」なんて言ったら、ショックを受ける社員がほとんどじゃないかな。

ええ。そもそも業務委託化を一人も望んでいないのであれば、わざわざ選択肢を増やす必要もないわけで。だからこそ「1人1人にヒアリングして、調査してから方針を考えましょう」って口酸っぱく言ってるんですけど……先に発表しちゃって、大事件になっちゃった会社もありました。

ええ。社員同士だとどうしても「どうしてあいつだけ…」みたいなことが出てきちゃうんです。「じゃああなたもフルフレックスにすれば?」という話なんですが、「だってそれだと給与下がっちゃうじゃないですか」みたいなね。
対談している二人
西崎康平(にしざき こうへい)
トゥモローゲート株式会社 代表取締役 最高経営責任者
1982年4月2日生まれ 福岡県出身。2005年 新卒で人材コンサルティング会社に入社し関西圏約500社の採用戦略を携わる。入社2年目25歳で大阪支社長、入社3年目26歳で執行役員に就任。その後2010年にトゥモローゲート株式会社を設立。企業理念を再設計しビジョンに向かう組織づくりをコンサルティングとデザインで提案する企業ブランディングにより、外見だけではなく中身からオモシロイ会社づくりを支援。2024年現在、X(Twitter)フォロワー数11万人・YouTubeチャンネル登録者数19万人とSNSでの発信も積極的に展開している。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。