「遊んでいるかのように働きたい」をモットーに、毎日アロハシャツ姿で働く“アロハ美容師”こと岩上巧さん。自身が経営するヘアサロン「mahaloco(マハロコ)」には、岩上さんしか実現できない<ココロオドル髪型>を求め多くのお客様が訪れます。その卓越したビジネスセンスの秘密に、ブランディングの専門家・安田佳生が迫る対談企画です。
第66回 ハウオリはスタッフのミスのおかげで生まれた?

今日は『ハウオリ』がどんな紆余曲折を経て今に至ったのかについて、深掘りさせていただきたいと思います。そもそもどうやって誕生したんでしたっけ。

ええと、もともと僕のお店ではトリートメントに力を入れていたんですね。それこそ『マハロコ』ができる前のお店の時から、お客様の8割くらいがトリートメント目的で通われていて。

たぶん普通の美容室さんだと2割にも満たないと思います。今でこそだいぶ「髪質改善」という考え方が一般的になってきましたけど、8割までいくお店はほぼないでしょうね。それで2008年に『マハロコ』をオープンさせて、さらに髪質改善に注力しようと、思い切ってスチームの機械を入れたんですよ。ただ結果的にはこれが大誤算で(笑)。

まぁなんだかんだ2年ほどは使ってたんですけどね。でもそれから3〜4年は放置状態で。で、「何か新しいヘアケアメニューを提案できないかなぁ」と考えていた時にピンと来たんですよ。「あ、スチーム機を使えば可能かもしれない」って。

動きませんでした(笑)。それでメーカーさんに修理に来てもらったんですけれど、「今はこの機械よりももっと進化した機械が出てますよ」って教えてくれて。で、内容聞いてみたら面白そうだったんで、思い切って買っちゃいまして(笑)。

ドライヤーのノズル部分にスチームが連結されていて、ドライヤーの風と一緒にスチームが出るんです。要は、髪の毛を乾かしながらスチームが当てられる。その機械を活用すれば、スチームを軸にした新しいトリートメントメニューが作れそうだなと。

いえ、使っていました。トリートメント剤を付けて、ロットを巻いて、そこにスチーム当てていくっていう複合的なメニューで。だからお客様にとっては、「髪質が良くなってるのはトリートメント剤をつけてもらっているからだ」という認識だったと思います。

ダメなんですよね。なのでお客様に正直にお伝えして謝罪しまして。でもその時にピンとひらめいちゃったんですよ。「お代はもちろんいりませんので、ちょっとどういう結果になるか様子を見てもらっていいですか?」って(笑)。

それが「いつもと全く変わらなかったよ」と言われて驚いちゃって(笑)。そこで初めて「スチームだけでも髪質は改善されるんじゃないだろうか?」と考えるようになり、それがやがて『ハウオリ』の誕生に繋がっていくことになるわけです。
対談している二人
岩上 巧(いわかみ たくみ)
アロハ美容師/頭髪改善特許技術発明者/パーソナルブランディングプロデューサー/株式会社 OHANA 代表
美容専門学校卒業後、都内のサロンに就職するも、オーナーと価値観の違いから大喧嘩し即クビに。出身地である水戸に戻り実家の美容室で勤務しながら技術を磨き、2008年自身のヘアサロン「mahaloco(マハロコ) 」をオープン。結婚式のプロデュースやイベント企画なども行うパーソナルブランディングプロデュースサロンとして人気を博す。2014 年、髪質改善技術「美髪矯正 hauoli®(2021 年特許取得)」を開発。「まるでハワイで暮らしているように」をテーマに、毎日アロハシャツを着、家族・仲間・お客様と共にハワイアンライフを満喫中。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。