第78回 「ギバー」と「テイカー」について

この対談について

「オモシロイを追求するブランディング会社」トゥモローゲート株式会社代表の西崎康平と、株式会社ワイキューブの代表として一世を風靡し、現在は株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表および境目研究家として活動する安田佳生の連載対談。個性派の2人が「めちゃくちゃに見える戦略の裏側」を語ります。

第78回 「ギバー」と「テイカー」について

安田

世の中にはギブするのが好きな人がいる一方で、テイクばかりする人もいますよね。成功している人の多くはギバーだって言われる一方で、めちゃくちゃ失敗している人もギバーだって言われるんです。


西崎

ほう、そうなんですか。でも確かにテイクされっぱなしの人、いますもんね。

安田

そうそう。つまりギブしまくれば成功するってわけじゃなくて、ひたすらテイクされて精神的にも経済的にも疲弊してしまう場合もあると。でね、私のイメージでは西崎さんって「ギブの人」の印象が強いんですよ。


西崎

確かにギブするのは好きですね。ただすべての人に平等にギブしているわけではなくて、相手や対象はかなり選んでいますけど。

安田

なるほど。ちなみにそれはどういう基準で選ぶんですか。


西崎

まず僕にはね、「メリットがありそうだからギブしておこう」っていう感覚があまりないんですよ。だからこそ、相手からそういう打算的な思惑を感じると、何かをギブしようって気になれなくて。

安田

ふーむ、なるほど。結果、実際にギブする相手は西崎さん同様に打算的じゃない人になると。とはいえですよ、仮に最初はそうだったとしても、だんだんテイカーになっていく人もいるじゃないですか。


西崎

うーん、そうですかね。僕はあまり感じたことはないですけど。あ、でも「僕と一緒にいることにビジネス的なメリットがあるから近づいてきたんだろうな」と感じることはあります。そういう人とは自然と会わなくなりますけど。

安田

まぁやっぱり一方通行だと関係は続かないですよね。ともあれね、自分だって特に若い頃はいろんな方からテイクしてきたんだと思うんです。上司が助けてくれたり、先輩がご飯をおごってくれたり。で、いざ出世して恩返ししようと思っても、12度ご馳走できるくらいで、とても足りない。


西崎

わかります。まぁ個人的には、そのぶん若い世代にギブしていけばいいかなと思いますけどね。

安田

ああ、なるほどね。でも確かにそういう印象を西崎さんからはすごく受けますよ。すごく気持ちよくギブできる方だなぁと。実を言うと私はね、気持ちよくギブできないって時も多いんです。


西崎

なるほど。ちなみにどういう時にそう感じるんですか?

安田

あまりにも「やってもらって当然」という態度の人の場合ですよね。もちろん西崎さんのように、「どんどんギブしたい」と思える人もたくさんいらっしゃるんですけど。あまりにぶら下がられるのは好きじゃないんです。


西崎

それは僕も同じですよ。自分で既に努力していて、足りない部分をサポートするのはいいんですけど、最初から「何かしてもらって当然」みたいに来られると「それは違うんじゃない?」と思います。

安田

そうですよねぇ。そういう意味で言えば、私は西崎さんとの関係がすごく心地良いんですよ。


西崎

こちらこそですよ! そう言っていただけるとすごく嬉しいです。金銭的なやり取りがあるわけじゃないのに、毎月時間を作ってくれていろんな話をしてくれて。

安田

むしろ私が西崎さんにそう感じているんです。西崎さんのような面白い会社を作っている方とこんな風にあれこれ話せて、本当にありがたいなぁと。


西崎

そんなそんな。僕の方こそ感謝しっぱなしですよ。安田さんはこれまで面白い会社をたくさん作ってこられて、今もいろんなことをされている。そんな安田さんが時間を作ってくださって、話してくれること自体、めちゃくちゃ価値を感じてるんです。

安田

いやぁ、なんとも気持ちのいい関係ですね、私たち(笑)。世の中がこういう関係ばかりならいいんですけど。


対談している二人

西崎康平(にしざき こうへい)
トゥモローゲート株式会社
代表取締役 最高経営責任者

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1982年4月2日生まれ 福岡県出身。2005年 新卒で人材コンサルティング会社に入社し関西圏約500社の採用戦略を携わる。入社2年目25歳で大阪支社長、入社3年目26歳で執行役員に就任。その後2010年にトゥモローゲート株式会社を設立。企業理念を再設計しビジョンに向かう組織づくりをコンサルティングとデザインで提案する企業ブランディングにより、外見だけではなく中身からオモシロイ会社づくりを支援。2024年現在、X(Twitter)フォロワー数11万人・YouTubeチャンネル登録者数20万人とSNSでの発信も積極的に展開している。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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