庭師でもない。外構屋でもない。京都の老舗での修業を経て、現在は「家に着せる衣服の仕立屋さん(ガーメントデザイナー)」として活動する中島さん。そんな中島さんに「造園とガーメントの違い」「劣化する庭と成長する庭」「庭づくりにおすすめの石材・花・木」「そもそもなぜ庭が必要なのか」といった幅広い話をお聞きしていきます。
第103回 自然な庭は「計算と手間」でできている

「整っている」とは言えると思うんです。でも個人的にはもう少し自然な方が好みですね。ああいう刈り込みはトリマーという機械を使ってやるんですが、遠目には綺麗でも近くで見ると切り口が荒くて、不自然さを感じてしまうんですよ。

ふ〜む、なるほど。でも足立美術館みたいに丸く刈り込まれた遠景も美しいですよね。

仰るとおりです。とはいえそれも口でいうほど簡単ではなくて。というのも、山から採ってきた木は、元々日当たりが弱い場所で育っているので、すごく繊細で綺麗な枝ぶりのものが多いんです。でもそれを日当たりのいい庭に植えると、伸び方が変わってきてしまう。

ええ、まさに。石を組んで景色を作る「石組み」と同じで、木も「組んで」植える感覚ですね。それが僕の目指す庭づくりです。
対談している二人
中島 秀章(なかしま ひであき)
direct nagomi 株式会社 代表取締役
高校卒業後、庭師を目指し庭の歴史の深い京都(株)植芳造園に入社(1996年)。3年後茨城支店へ転勤。2002・2003年、「茨城社長TVチャンピオン」にガーデニング王2連覇のアシスタントとして出場。2003年会社下請けとして独立。2011年に岐阜に戻り2022年direct nagomi(株)設立。現在に至る。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。