第99回「マスコミの行く末」

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小さなブルーオーシャンを追え
〜ネットの履歴書〜

第99回『マスコミの行く末』

 

安田

コタツ記事って何ですか?

三澤

DeNAさんの「WELQ(ウェルク)」問題が出たときのアレですよ。

安田

キュレーションサイトってやつですか?

三澤

そうです。まことしやかに自分が書いたように見せかける記事。ネットからササーっと情報を集めてきて、なんとなく“それ風”に書くっていう。

安田

なんで「コタツ記事」って言うんですか?

三澤

取材に行かずにその場にドカンと座って書くから。

安田

コタツに入りながら書く記事ってことですか。

三澤

はい。

安田

なるほど。そういう意味なんですね。

三澤

「指殺人」と同じ感覚じゃないですかね。「指取材」みたいな。

安田

私が見たのは「“コタツ記事”をマスメディアがパクって、その情報が間違ってて謝罪した」というニュース。

三澤

よくある話です。

安田

「マスメディアがそれをやっちゃいかんだろう」って気がするんですけど。

三澤

でもマスコミのネタって、ネットから拾ってきたものばかりですよ。

安田

「こんなのネットで見たわ」みたいなニュースを、わざわざテレビでやってますね。

三澤

はい。しかも、ちょっと遅いんですよ(笑)

安田

かなり遅いですよ。何回使いまわしてんだって。「マスコミいらないじゃんか」ってなりますよ。

三澤

いらないですよね。今みたいなニュースなら。

安田

今回謝ったのも「間違った情報だったから」であって、パクったこと自体は謝ってないんです。

三澤

ソースをネットから拾うのはマスメディアの常套手段ですから。

安田

それって自分たちの首を絞めることにならないんですか。ネットのニュースばかりだとテレビを見てもらえなくなるので。

三澤

記者に対する報酬が安すぎるんです。

安田

もう足で稼ぐ時代じゃないと。

三澤

ググったほうが効率もいいですから。

安田

効率で情報収集しちゃいかん気がしますけど。

三澤

たとえば「安室奈美恵」で検索すると「男性と歩いてた」「どこどこでメシ食ってた」って目撃情報が出てくるじゃないですか。

安田

たくさん出てきますね。

三澤

そういうネタをネットで集めて「最後のちょっとしたとこだけ動く」というのが、いまは当たり前になってます。

安田

へぇ~。

三澤

昔は電話がリリーンっと鳴って、たれ込み情報が「こんなネタ、いくらで買いませんか?」みたいな感じだったんでしょうけど。

安田

そういうイメージですよね。

三澤

今はネットで調べた方が早いので。

安田

すごい量の書き込みですもんね。

三澤

はい。

安田

でもさすがに報道番組は真実を追究する姿勢がないと。

三澤

事実確認さえ間違わなければ、めちゃくちゃ効率よく番組がつくれますから。

安田

そうなんですけど。そのニュースってわざわざテレビで見る必要があるんですか。

三澤

まあネットの情報って、どこまでいっても無責任な書き込みも多いので。

安田

確かにいい加減ですね。明らかに取材せずに書いてたり。野球の記事なのに選手の名前が間違ってるとか。専門知識がない人が書いてる感じ。

三澤

それはプロとしてやっちゃいけないミスですね。

安田

コメント欄にも「ちゃんと勉強してから書け」とか書かれて。

三澤

今回も問題になってるのはそういうミスですよね。

安田

ネットから拾うのもいいんですけど、そのまま丸パクリはないでしょう。

三澤

言い回しを変えて、間違った記事になることもありますから。

安田

だから出来るだけ手を加えないと。

三澤

いずれにしても情報ソースがネットに移ることは間違いないです。それが自然な流れ。

安田

まあそうですよね。ネットってありとあらゆる人が書き込むので。あの情報力には絶対に勝てない。

三澤

勝てないですよ。

安田

全国民がタレコミしてるみたいなもので。

三澤

芸能人は「引っ越しても引っ越しても家を特定されちゃう」って言ってます。

安田

周りにいる人が「すべて記者」になってますからね。

三澤

マスク社会になってすごくいいみたいですよ。

安田

それはどうして?

三澤

昔はマスクしてるだけで不審者じゃないですか。「なんで夏場にマスクしてるんだろう」って。

安田

ああ確かに。夏場のマスクなんて「不審者か有名人か」という感じでしたね。

三澤

今はみんながみんなマスクしてるので。

安田

なるほど。マスクしてても有名人だと勘ぐられない。

三澤

そうなんです。

安田

それにしてもコタツ記事。

三澤

ああ、コタツ記事の話でしたね。

安田

そうまでして「テレビで報道とかやらなくていいんじゃないの?」って気がするんですけど。新しくもないし、詳しいわけでもないし、正しいわけでもないし。

三澤

少なくとも、ちゃんと真偽を確かめたものを出さないと。

安田

コロナだって一部を切り取った意見を「ああだこうだ」と言ってるだけ。しかも素人が集まって。

三澤

どうしても視聴率が取れるほうにいっちゃうんです。

安田

だとすると真実でもない。ネットで調べた方がまだ真実に近い気がします。

三澤

ちゃんとした知見のある方が書いた記事ならそうですね。ただネットって本当にいろんな人が書いているので。

安田

偽情報も多いと。

三澤

我々も「これって事実なの?」という確認をする仕事ですけど。本当に分かりにくいですよ。匿名ばっかりなので。

安田

いい記事から悪い記事まで、うそから本当まで、玉石混交という感じですよね。だけどいろんな意見があるだけ健全ですよ。

三澤

そうですね。

安田

ねじ曲げられてないっていうか。テレビの場合は一部だけを拾ってくるじゃないですか。だからテレビのほうが偏ってる気がします。

三澤

偏ってるでしょうね。まあ偏りがテレビっていう。だって彼らの最終的な目的って視聴率じゃないですか。正義感じゃなく。

安田

とどのつまりは「国民レベル」ってことですね。ゴシップみたいなことをやると、みんな見るので。

三澤

見るんですよ。やっぱり人の不幸は蜜の味。ハッピーなネタをいくら取り上げたって視聴率は取れない。

・・・次回へ続く・・・

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