このコラムについて
「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。
本日のお作法/運命の再会
Kくんが「旅行会社」を志したきっかけは、高校時代の「修学旅行」でした。
生徒にも先生にも“気配り上手”、“笑顔”を絶やさず、トラブルにも“冷静に対応”する添乗員さん。
その姿に「こんな仕事がしたい!」と憧れを抱いたそうです。
大学では旅に夢中になり、就活ではもちろん旅行業界へ。
念願叶って「大手旅行会社」に入社したKくんは、配属先への“初出社の日”に、自社の名前と“憧れの添乗員さんの名前”が記載された高校時代の修学旅行で渡されたパンフレットを携え、胸を高鳴らせていました。
ところが、“支店長の名前”を見て驚愕。――あの修学旅行の添乗員さんと“同じ名前”だったのです!
まさかの“運命の再会”。
いよいよ顔を合わせる瞬間。
期待に胸を膨らませて待っていると、廊下から“大きな怒鳴り声”が響いてきました。。
「お前、そんなんやから売れへんねん!!」
「もっと真剣にやれや!!」
現れたのは、スマホを片手にした支店長。
そう、憧れの添乗員さんは、“売上至上主義”の厳しい上司へと変貌していたのです。
「憧れは一日で潰えました…」と苦笑するKくん。
ですが、その厳しさのもとで、彼はいま“優秀な営業成績”を築き上げています。
憧れは時に裏切られるもの。。
でも、それをきっかけに人は成長する。Kくんの“運命の再会”は、彼にとって“新しいキャリアの始まり”でもあったのです。
某大手旅行会社様「営業研修」からのエピソードでした。