第181回 「大手組織人」が生まれるプロセス

 このコラムについて 

「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。

本日のお作法/「大手組織人」が生まれるプロセス

某大手さんにて、「20代半ばの方々が有志で集まる勉強会」に同席させていただきました。

入社3年目〜5年目の方々が中心となって、職場から求められる「巻き込み型リーダーシップの発揮方法」について、うまくいっていることや、失敗体験などの「実践状況の共有」がメインとなっている意見交換の場。

リアルな声が、次から次へと、出てくる、出てくる。
なんとも楽しげな場でしたw

「大手で働く20代の本音」をいくつか紹介します。

◆忙しすぎる状況で、次から次に、新たな指示が降ってくる際の上司への対応

上司:あの件、どうなった??
(報連相を怠ってしまい、心配した上司からの言葉)

Aさん:例の件ですが、もう少し「クオリティにこだわりたい」ので「ブラッシュアップする時間」をいただけますか?
(先手先手で、この言葉を入れておけば、納期を伸ばすことは可能。みんなも、このスキルを活用した方が良いよ!)

Bさん:依頼された仕事は、「リマインドを出された時点でアウト」。また、期限を伸ばそうと思って、そんな対応をしたら、ウチの上司だったら、「じゃあ、いつまでほしいの?」「まず、現状見せてよ」で終了だよ、、

「申し訳ありません。バタバタしちゃっていて、まだ全く進められていません。お手数おかけしますが、あとで少し、お時間いただけますでしょうか?」
(これが、正解。素直にできていないことを認める。その上で、上司のアイデアを再確認しちゃう。このスキルを活用することをおすすめします!)

◆経験不足な後輩の育成担当を命じられ、アドバイスを送る時

後輩:仕事が溜まりまくってしまい、、「優先順位の付け方」を教えてください、、
(テンパっている後輩からの相談)

Cさん:優先順位は、先ずは「納期順」。締め切りが早いものから手をつけるのが基本。でも、その後は、「相手のレスのスピード」で対応を変えてしまっても良いと思う。
(今後、重要になってくるのは、仕事のできる人との付き合い。仕事が早い人との付き合いを最優先する、これが成長への近道だ!)

Dさん:確かに!それ大事だね!付け加えるなら、打合せ中に、最初から、「論破しよう」みたいスタンスを持っている人、そんな人との付き合いは、「優先順位を下げても良い」かもね。仕事が進まないからさ。
(絶対的に、これをやりたい!という意思を持った人は別ね!)

他にも、色々な本音を伺い、組織育成のお手伝いをさせていただいる立場としては、楽しくネタの収集に務めておりました。

上司、部下、先輩、後輩に、関連会社やお客さん、といった様々なステークホルダーとの関わりを深め、周囲を巻き込んでいく。そんなリーダーシップを求められている中堅社員のみなさま。

色々なことに対応して、「大手の組織人」が作り上げられるのですね。。

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高松 秀樹(たかまつ ひでき)

たかまり株式会社 代表取締役
株式会社BFI 取締役委託副社長

1973年生まれ。川崎育ち。
1997年より、小さな会社にて中小・ベンチャー企業様の採用・育成支援事業に従事。
2002年よりスポーツバー、スイーツショップを営むも5年で終える。。
2007年以降、大手の作法を嗜み、業界・規模を問わず人材育成、組織開発、教育研修事業に携わり、多くの企業や団体、研修講師のサポートに勤しむ。

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