こんにちは。円道一樹です。大久保圭太の財務アタマを鍛えるラジオ~マネトレ~。大久保先生、本日もよろしくお願いいたします。
オッス。
オッス(笑)よろしくお願いします。
お願いしまーす。
ネタ尽きますね、そろそろ(笑)「イェーイ」とかやりたい放題やるから。
(笑)
というわけで今日も早速いきたいと思うんですが、前回ざっくりとした決算書の読み方という質問があって大枠を教えていただいたんで、具体的に個別にどう見ていくのかというのをできる範囲で教えていただこうと。
難しいですね。断ったはずなのにおかしいな。
最後に「いいですよ」って言ったじゃないですか(笑)
(笑)
教えていただきたいなと。
前回の復習で言うと、左側の上ですね。
左の上の、現金がいくらあんのかなをまず見て、現預金以外は嘘ついてる可能性があるので、会計基準だとかによって数字がホントに正しいかどうか分からない前提が結構あるわけですよ。例えば売上の計上をどうするかで、現金基準で売上あげたら売掛金って出ないだろうし、売掛金ってあんのにホントは回収できないものもあったりとか、結構決算書のB/Sって分かりにくい上に嘘をついてる可能性が高い。特に長い期間かけてる会社だと粉飾になっちゃってるというかゾンビ的な感じになっちゃうので、まず実態がどうなのかっていうのを見るんですよね。それは僕が再生出身だからかもしんないけど、すごい嫌な目で見ますよ。
それでそんなに穿った…
穿ってない(笑)まず現金は信用できるから現金見て。
初回のほうでもおっしゃってましたもんね。「現預金残高は嘘つかない」と。
言いましたっけ?まあ、そうですね。で、次に純資産を見ますよね。前回重要だってお伝えした純資産。資産と負債の差額がいくらあんのかなって。
右側の下ですね。
そう。右下がどんぐらいちゃんと積み上げてきたのかなっていうのを見て、ここを見ればいったんP/L見なくたってどういう会社だったのか……。P/L見ないとなんでその利益が出たのか出ないのか、例えば役員報酬とかで調整してる可能性があるから……P/Lの話はいいですけど、いったんB/Sで純資産を見て、借入がどれぐらいあんのかっていうのを見ますね。
そのあとに借入ですね。
借り入れがどんぐらいあるかなと。
上に行くと。右上。
そう。右上。長期借入が。ここと現金のバランスを見ますよね。やっぱ目指すべきは実質無借金だから、借りてる額よりキャッシュが多いっていうのを。要は1億借りててキャッシュ5,000万持ってたら5,000万しか借りてないわけだから、みたいなのをバランスを見て、実質の借入金を見ます。
今度は実質の借入金を見ると。
で、ちょっと多分難しくなっちゃう……業種業態は若干違うんですけど、いわゆる運転資金がどれぐらい必要なのかっていうのを見ますよね。
といいますと、運転資金がどのくらいあるのかっていうのはどうやって見ていくんですか?
一般的には売掛金と在庫。
売掛金と在庫?
はい。売上があがったらだいたい売掛金になるじゃないですか、回収するまで。
はい。
そうすると、売上はあがってるけどお金がない状態ですよね。そうすると、現金0で始めようとして、今月1,000万売りましたっていって、1,000万売ってるんだけど、そのお金来月だから、その資金って入ってこないわけですよ。これはだから手金で補填しなきゃいけない。プラス在庫。在庫も先に買うじゃないですか。在庫が例えば500万とかあったとすると、売掛と合わせて1,500万はキャッシュなきゃいけない。
持っとかなきゃいけないんですね。
持っとかなきゃいけないし、持ってないなら借りなきゃいけない。ずっとこれって寝ちゃうお金だから。一方で買掛金、まあ未払いみたいな、来月払うやつは財務的にプラスですよ。今は払ってない。P/Lで言ったら仕入に載ってるけどまだ払ってないから、例えばそれが500万あったとしたらそれを引く。さっきの売掛と在庫から買掛を引くと、例えば1,000万とかだったら、この1,000万は借りてて良いわけですよ。
は~、なるほど。
買掛、右上で、だから左上と右上のほうのバランスで、それは借りといて良いお金だから。で、これをちゃんと借りてないと拡大したときに倒産するんですよね。いわゆる黒字倒産ってやつ。事業規模が大きくなればなるほどこの差って大きくなってくるはずだから。利益が出てる限りね。売掛が売上規模10倍になったら10倍になるわけで、そうすると運転資金が1,000万で良かったのが1億円になるから、これ、ちゃんと調達してないと資金ショート起こすっていう原因にもなるので、その運転資金と調達のバランスはきっちり見ておいたほうが良いと。
なるほど。そうすると、ちょっと復習にもなるんですけど、一番はじめに左上の現金見て、その上で純資産、右下見た上で、右上のどのぐらい買入してんのかというのを見た上で、運転資金を見るために左側の、現金は置いといて、在庫・売掛金を足したものと右上の買掛金を引いた、そこがどのぐらいの運転資金かというのを見て。
そう。まあ順番はそんなに厳密じゃないですけど、なんとなくそんな感じで見ていくと「こんな会社なのかな」みたいな。財務屋は妄想しますからね。
数字見ながら?
数字見ながらね。
社長の顔見ながら?
そう。「ああ、これ資金繰り大変な商売なのかな」とか、あとは「売掛がホントはこれ嘘じゃないの?」とか。あわせてP/Lを見るときに売上規模とか当期の利益とかをなんとなく把握しておくと、例えば分かりやすく月商1億ぐらいの会社だったとしたら、売掛1億ぐらいなのに2億載ってたら「回収が遅いのか、粉飾してんのか」みたいな感じになるじゃないですか。
ほぉ~、なるほど。
在庫と売掛は結構粉飾してる可能性があるので。で、社長が気づかずに落ちてないとか、回収できないのに税務上損金にならないから、経費にならないから落とされてないっていうケースも結構あるから、ここは見たほうが良い。ホントのことが分かんなくなっちゃうんで、ゾンビみたいな資産があると。あとは社長貸付金みたいなのがないかですよね、左側に。
左側の、上からちょっと下のほうに?
そうそう。ここは知らない間に社長が金借りてることになってたりするので、そうすると銀行の評価めっちゃ悪いから。要は銀行から借りたお金を社長が勝手に使ってるっていう。
なるほどね。
でも、これ、経費にならないやつを社長貸付にしちゃってる可能性もあるので、ここは絶対出ないように、決算書に。
大抵、短期貸付とか……
短期貸付とかになってるから。これが出ないようにちゃんと決算の前にお金返すとかやってもらって、あと、固定資産は今まで自分が何に投資……店舗だったら「内装でこんぐらいあと残ってるな」というのが、どんぐらい今までかけてきたかなっていうのが分かるので、その辺の投資のバランス見ながら、一番左下の固定資産の下に「投資等」ってあると思うんだけど、そこに結構ゴミが溜まるから……
ゴミが溜まる?(笑)
ゴミというかね、色々余計なもんですよ、基本的には投資だから。余計なもんなのか価値があるのかは、ちゃんと決算書を見て変なことに使ってないかなとか。
ちゃんと事業投資なのか、遊びの投資みたいになっちゃってるのかみたいなところ?
そうそう。その辺が会社によって結構そこは差が出ますよね。っていうふうに見ていくかな。
なるほど。これがざっくりとしたB/Sで。
それと、ちょっと付け加えると、P/Lのほうで何見てるかっていうと、経常利益に減価償却足すんですよ。
後半に続く・・・