
いつも楽しく拝聴しております。今回お聞きしたいことは、新しい元号についてです。大正・明治・昭和・平成の次はどんな元号になるか、安田さん、栃尾さん、金子さんの予想をお聞かせいただけないでしょうか。僕は安心の「安」(安田さんの安でもありますかね)が入る元号になってほしいなと思っています。こんな質問ですが、取り上げてくれるとうれしいです。ということです。

そうですね。明治・大正のことはあんまり考えたことないんですが、元号が変わるっていう番組をテレビで見たときに、みんな、昭和に比べて、平成はおだやかというか、なだらかというか、成長のない時代っていうか、「失われた時代」みたいに言われてるんですが、「平成になったあとしか社会人経験してない人がいて、昭和と比べられる平成じゃなくて、平成単独の番組もやってくれてもいいんじゃないか?」みたいなことをその人が言ってて、「ああ、なるほどな」と思ったんですよ。で、やっぱり、考えてみたら昭和ってもうおじいちゃんの時代じゃないですか。

だから、右肩上がりの経験がある人からすると「それと比べて」っていう感じですけど、だって、考えてみたら生まれたときから平成の人なんて知ったこっちゃないわけで、そんなこと言ったら、もっと前、「焼け野原のときと比べたらどうなんだ」とかいうことになるわけですから。くしくも「平たく成る」と書いて平成だなっていうことに気づいたわけなんですね。だって、ずっと成長し続けるって難しいじゃないですか。たぶん、戦後、物がなくて「なんとかしなくては」みたいなところから、「頑張れば豊かになっていく」みたいなところでずっと伸びてきたんでしょうけど、ずっとはいかないですよね。絶対どっかで終わりが来るんで、そういう意味では昭和と明らかに平成ってカルチャーが違うっていうか。僕は必要以上に欲しがらない時代で、どちらかというとガツガツしてない大人の時代って感じなんですよね。

どっか旅行に行ったら熊で彫ったようなやつとかね、あんなようなやつを買って帰るんで、いっぱいあるんですけども、ほとんどいらないもんなんですよね。で、いまはもう、いつ頃からですかね、この10年ぐらいじゃないですかね、必要以上に物あってもしょうがないんじゃないの?みたいなので。

手に入るようになったっていうのも、はい、ありますし、たくさん持ってることが、それだけで、家にいっぱい物があることがうれしかった時代っていうのがもう終わっちゃって、必要なもんだけがあるっていうのが快適で、余計なものがあるのが、かえってすごい不愉快っていうか、そういうふうになってる気がしますけどね。

「物をたくさん持ってるほうが逆に不自由だ」っていうふうに言ってる人がいて、たとえば「スーツケース1個が理想だ」みたいなことを言ってる人いますけど、どこにでも行けるし、何もいらないし、みたいな。まあ、自由度はすごいですよね。

みんな、だから、高いもん着てるわけじゃないけどおしゃれだし、必要以上に食べないし、欲しがらないし。だから、「もう一度昭和に」とか言ってんのはホント当時のおじいちゃんだけで、ぜんぜんいまがいいんじゃないかっていう気がして。私は、ですから、「平たく成る」のあとは「さらに平たく行く」っていうことで「平行」とか。

でも、「安い」っていうふうにこの方おっしゃってますけど、それ結構いいなと思って。いま、おしゃれな服も結構安くなってたりとか、あと、お金の価値も変わってるじゃないですか。物に価値がなくなってっていうか、ブランド物なんかいらなくなって、ってことはお金もいらないよね、みたいになっていて。だから結構「安いっていいな」って思いましたけどね。

そうそう。割と人と人とのつながりが、たとえば地域コミュニティに力を入れてる人が多かったりとか、あと、NPO活動を若者もしたくなるみたいな、「普通のイケイケの会社よりはNPOで活動したい」みたいな、「人々に安心を与えたい」みたいな人も多いなっていう気もしますね。
*本ぺージは、2019年3月27日、ポッドキャスト「安田佳生のゲリラマーケティング」において配信された内容です。音声はこちらから
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